第3話 稽古開始
稽古の内容は僕と花で令さんに攻撃をすること。僕は木のナイフ、花は木の剣を使い攻撃をする。
令さんが使う武器は素手。素手は武器なのか?
素手である理由は、令さんの身体能力は高く、僕たちの攻撃を全て避けることができるからである。
これははっきり言って異常な実力だ。
花「能力発動!」
そう言って、花は能力を発動する。花が能力を使ったその瞬間、花の姿が一瞬にして消え、次に見えた時には令の後ろに現れた。
花「はあぁ!」
花はその剣を振り下ろし、攻撃をする。この間の動きは全く目で追うことはできなかった。
花がまだ追えないほど高速で移動できる理由。花の能力が"時間停止"であるからだ。短時間のみ使える、連発できないなどの制約があるらしいが、それでも十分すぎる能力だ。
と、忘れてはいけないのはこの能力を使った攻撃も令さんは避けてしまうということだ。普通、一瞬にも満たない速度で移動されたら回避どころか目で追うことすらできないはずだ。
花「ッ...なんで当たらないの!完全に不意をついたのに!」
令「花、今のはいい攻撃でした。しかし、剣を振るのが遅いですね」
令さんは攻撃を避けながらアドバイスをする余裕すらある。僕はそんな令さんに感心どころか恐怖を感じてしまう。だけど、
僕(僕だってやらなきゃ...!)
僕も花に負けてられない!いつか花を超える実力を身につけなければならないのだ!そうして、僕は足に全ての力を込めた。
もちろん、能力なんて使えない。だが、僕には能力の代わりに身体の力が少し与えられていた。身体に力を込める時、自分の力をより多く引き出すことができているような感触がある。
能力を使えない分、身体能力でその差を埋めるのだ!
僕は、令さんの懐に突っ込み、右手に持ったナイフを切り上げた!しかし、この攻撃は避けられてしまった。
令「動きが直線的すぎますね。これでは当たらな...」
僕「まだだ...!」
その瞬間、僕は切り上げたナイフの軌道を変え、横薙ぎの体勢に入る。そしてその流れのまま横薙ぎを放つ!
僕(よし!これなら当たる!)
そう思ったのだが、僕の手首は令さんに掴まれて止められてしまった。
令「...ッ、今のは危なかったですね...。とてもいい攻撃でした。」
僕「ぐっ...今のを止められるのか...絶対当たると思ったんだけどなぁ」
令「落ち込むことはありませんよ。実際今の攻撃は並大抵の人なら避けることはできないと思います」
令さんにそう褒められて、嬉しいという気持ちがあったが、それ以上に当たらなかったという悔しさが残った。
そうして稽古は終わった。
令「今日もお疲れ様でした。この後はしっかり休んでくださいね」
花「今日も攻撃を当てられなかった...私って弱いのかな...」
今日の稽古でも僕たちは令さんに有効打を当てることはできなかった。やはり令さんの実力は圧倒的だと再確認する。
令「2人ともよく成長してます。この調子なら私なんてすぐに貸してしまうと思いますよ」
令さんのこの発言はお世辞なのか、本当に思っているのか、僕たちにはわからなってしまう。
試験までの日は刻一刻と過ぎて行く。
続く




