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無題
そんなことをぼんやり考えていたら。
グラスについていた水滴が、沢山となってきているのに気付いた。
今日は湿度が高いのだろうか?短時間なのに、握る手にも水滴が滴り落ちてきた。
その小さい水玉が沢山集まると、それらが掌から手首、そして上腕から肘につたっていって、床にぽたりと落ちた気がした。
一瞬、しまった!と思い。僕は、目線を落とし身を屈めて床を見た。
しかし、それがいけなかった。
ボトボトボト、ゴンゴンゴン、ゴロゴロ。
先ずはグラスの中から液体が落ちて、氷が転がり、明後日の方向へ。
グラスの中身がなくなったものをぼんやりと握りしめ、僕は立ち尽くした。
氷とアイスティは、ナメクジが這ったみたいに床を濡らしていて。
僕は、ありったけ握ったお菓子を無理矢理ポケットに詰め、それでも詰めきらない分は床の端に置き。グラスを片手にはぁあぁあと嘆息を吐きつつ片付けをし始めた。