ずっと一緒に
「「まりあ、お誕生日おめでとう!」 」
「パパ、ママありがとう!」
「はいこれ、まりあの誕生日プレゼントよ」
「わあぁ!可愛いクマさんだ!」
初めて出会った頃の君の瞳は、とてもキラキラしていた
「ねぇまりあ、クマさんにお名前付けてあげたらどうかしら」
「ん〜、お名前かぁ。何がいいかなぁ。あれ?クマさんの首に鈴が付いてるよ!」
「あらほんとね!」
「まりあ知ってるよ!すずってえいごで『ベル』って言うんでしょ!」
「そうよまりあ、よく知ってたわね!」
「えへへ、まりあ決めた!この子は今日から『ベル』!」
「ベル、素敵なお名前ね」
一一 『ベル』。僕が君から貰った初めてのプレゼント 一一
「ベル!今日はお外で遊びましょう!」
-- うん、たくさん遊ぼうね。だけどあまり泥だらけにしないでね --
「ねぇベル!見てみて!ランドセル!可愛いでしょ!春になったら小学生になるんだよ!」
--まりあちゃん、凄く嬉しそうだね。ランドセルとっても似合っているよ --
「ねぇベル…今日ね、お友達とケンカしちゃったんだ…まりあ、ちゃんとごめんなさいできなかったの。まりあ悪い子だよね…」
--泣かないでまりあちゃん、大丈夫だよ。まりあちゃんは悪い子なんかじゃないよ --
「ねぇ聞いてベル!まりあ今日ね、学校に行ってお友達とちゃんとごめんなさいして仲直りできたんだ!ベルのおかげだよ!ありがとうベル」
-- 良かったねまりあちゃん。ちゃんと仲直りできたんだね。 僕は君が笑顔になってくれて嬉しいよ --
「ねぇベル、あのね、私…好きな男の子がいるんだ。でも緊張して全然話せなくて…だからベル、練習相手になってくれない?」
-- まりあちゃん、大丈夫だよ。君の気持ちはきっと伝わるよ。僕で良かったら力になるよ--
「ベル、私ね、大学に行くために上京することになったんだ。ベルも一緒に来てくれる?」
-- もちろんだよ。僕はまりあちゃんのそばにずっといるよ --
「ベル、紹介するね!この人は彼氏の翔太くん!」
「へぇ、この子がまりあがよく話してくれるぬいぐるみかぁ、よろしくねベル!」
-- しょうたくんって言うんだね。よろしくね--
2人とも凄く楽しそうに話してる。
まりあちゃんはいつもよりニコニコしていて、凄く幸せそうだった。
「あのねベル、私結婚することになったんだ。私ね、今すごく…凄く幸せなんだ」
-- よかったねまりあちゃん。でも…どうしてそんなかなしい顔しているの? --
「ねぇベル、今日は昔みたいに一緒に寝てもいい…?」
-- もちろんだよ。君とまた一緒に寝れて僕は嬉しいよ --
「初めてベルと会った日から、大分解れちゃったね。直したところもまた解れてきちゃって、ごめんねベル…」
-- まりあちゃん大丈夫だよ。僕は君がいてくれるだけで幸せなんだよ --
「ベル…こんな私と友達になってくれて、本当にありがとう…」
僕のカラダは解れて、出会った頃よりぼろぼろになっちゃった。
でもまりあちゃんは僕が解れちゃっても何度も直してくれたけど、僕はきっと、もう少しでまりあちゃんとお別れみたい。
まりあちゃんは僕とたくさん遊んでくれて、絵本を読んでくれて、寝る時も僕を抱きしめて一緒に寝てくれて…。
まりあちゃんは僕にたくさんの思い出をプレゼントしてくれた。
ありがとうまりあちゃん。
もし次会える時が来たら、また一緒にたくさんお話したいな。
--6年後 --
「それでねそれでね、保育園でお友達とね!」
「『鈴』は本当にお話が好きね」
「だってだって!ママとお話するの好きなんだもん!」
「そっか!ママも鈴と話すの凄く好きよ」
「あっ!そうだ!昨日ね、女の子と一緒にお話した夢見たんだ!すっごくすっごく楽しい夢!」