飛翔戦士よ立ち上がれ!
京助は真鳥市のテーマパークである「まとりスカイワールド」から生まれたご当地ヒーローシリーズである『飛翔戦士』の特別プログラムの手伝いのアルバイトに当選し大喜び。
同じく当選した林檎と共に業務をこなしていく。
だが子供たちを勇気付ける為に行われるプログラムを快く思わないジャガックはパテウを送り込んで来た!
怒りを滾らせた林檎は単身スーツを纏って突撃、京助もマグナアウルになってジャガックを一掃しようとするが、アバターを呼び出す直前で踏みとどまる。
「今回必要なのはマグナアウルじゃないかもしれない」
京助は何を思い、どのような行動を取ったのか⁉
空を愛する青年、蒼空斗はひょんなことから世界の崩壊を企む邪悪なる組織スモッグの存在を知り、口封じのために命を狙われてしまう。
だがそんな彼の正義と空を愛する心に感銘を受けた真鳥市の守り神は聖剣「ブルーキャリバー」を与え、彼を飛翔戦士スカイバードへと変身する力を与えた!
愛と正義、そして美しい空を守る為! 戦え空斗! 戦えスカイバード!
オンデマンド授業を流し見しつつ、京助はメールアドレスの受信ボックスを穴が開くほど見つめていた。
『そんなに見つめても当選確率が上がる訳ではありませんよ』
「うるせー! 気になるもんは気になるんだよ!」
京助はある理由で珍しく短期アルバイトに応募したのだ。
「お願いですこれで俺の寿命三年ぐらい削ってもいいんでどうか当選お願いします……」
金銭が目的ではない、むしろそのバイトに行くこと自体が目的であるため、なんなら京助としてはバイトに行くためだけに金を払ってもいいと考えているぐらいだ。
受信ボックスを何度も更新していると、ついに新着メールが届いた。
「来た来たァ! アドレスは……合ってる!」
京助は立ち上がると神道式でも仏教式でもキリスト教式でもない独自のやり方で祈祷を始める。
「お願いですどうか当たっててください……お願いしますお願いしますお願いします! ドン!」
立ったまま送られてきたメールを開き、薄目で文面を読み上げる。
「千道京助様、厳正なる抽選の結果……当選! いたしましたのでぜひ当日お待ちしております! やったああああああ! イヤフゥーッ!」
その場でバク転した後残像が見えるぐらいの速度でブレイクダンスを踊り、京助は全身で喜びを表現した。
「当選! 当選! 当選! ヤフゥー!」
奏音との初デートの誘いを受けた時程ではないが、かなりの大喜びだ。
「俺もついに飛翔戦士の制作陣に加われるんだ……」
『そこまで任されることは無いと思いますが……』
この短期アルバイトを募集したのは、真鳥市が誇る遊園地の『まとりスカイワールド』である。
スカイワールドは今このご時世だからこそ子供たちに希望と勇気を与えたいという事で、特別プログラムを組んでショーを行う事にした。
その特別プログラムの手伝いが短期アルバイトの内容だ。
「ファンって事主張してった方がいいかな?」
『Tシャツ着て行くぐらいだったら良いかもしれませんよ。もしかしたらオリジナル版でスカイバードを演じられたご本人からサインが貰えるかもしれません』
そのプログラムの内容は、スカイワールドオリジナルの特撮ヒーローである『飛翔戦士シリーズ』の特別ショーである。
飛翔戦士シリーズは十三年前、スカイワールドの新規客獲得のために企画部が「スカイワールドをロケ地にしたヒーローもの」の企画を推し進め、動画サイトなどで公開。
投稿したばかりの頃はあまり振るわなかったがSNS等で徐々に広がりを見せ、有名特撮出身俳優や脚本家が取り上げた事で爆発的にヒットし、今や警察消防の啓発ポスターに選ばれたり観光大使に就任する等、真鳥市のご当地ヒーローの地位を得ている。
三年前にはなんとテレビに進出、真鳥市全面協力の元で全三十六話と映画一本が撮影され、多くのファンから支持を得た。
現在もシリーズは制作されて動画サイトで公開されており、今は七代目飛翔戦士にして初代主人公蒼空斗の妹の蒼虹々路を主人公にした『飛翔戦姫レディバード』を公開中、女子主人公という挑戦的な要素に賛否両論はあれど、高いクオリティに概ね受け入れられている。
「ああ、父さん母さんに報告しないと」
言うまでもないが、京助は飛翔戦士シリーズのインターネット配信時のオリジナル版からの大ファンである。父の万路と母の美菜と共に三人でスカイワールドに足を運び、よくショーを見に行ったものだ。
京助は〝思い出部屋〟と呼んでいる部屋に入ると、そこに置いてある両親と共に飛翔戦士のグッズを持ってポーズを取っている小学生の頃の自分の写真の前で小さく笑った。
「あれからもう何年経ったかな? 聞いてよ二人とも……俺、子供を楽しませる側になったよ。喜んでくれる?」
いつものように返答はない、だが京助は微笑んで続ける。
「頑張ってくるよ。子供たちに希望と勇気を与えるんだ」
今回の特別プログラムはジャガックの侵攻によってさまざまな危険がある時期だからこそ、真鳥市の子供たちを勇気づけ、希望を与えたいという目的で行われる。
正体を隠しつつマグナアウルとして真鳥市を守っている京助は参加しない訳にはいかなかった。
「ま、せっかくだ。後で奏音とあいつらに死ぬほど自慢してやろ」
建前はあれど、なんだかんだ言いつついちファンとして当選したことが嬉しい京助であった。
この日のリモートSHRが終わった後すぐ、京助は奏音に電話を掛けた。
「モシモシーヌ、カノンさん」
『あー、さてはいい事があったな?』
「その通りじゃ、ぐふふ」
『すっごいいい事っぽいね。何があったの?』
「スカイワールドの広告見た?」
『あ~、ホイッスラーフォローしてるからたまに流れてくるよ。確か昨日チラって見た気がする』
「飛翔戦士のショーやるの知ってる?」
『ああ、知ってる! 京助に教えてあげようと思ってたんだ』
「俺な……それの手伝いのバイト……当選した!」
『え、ホントに⁉ すっごいじゃん!』
「いやー、嬉しいったらないよ。奏音に一番に伝えたかった」
『何で私なのよぉ』
なんだかおかしくて笑ってしまったが、それだけ自分の事を想っているという事なら、少し照れてしまう。
『どんだけ私のこと好きなの?』
「奏音が思ってる五兆倍」
『はぁ~? 甘く見ないでもらっていいですか? 私だって京助の事大好きなんですけど?』
「じゃあその五兆倍だと思って」
『太陽系じゃ足りなくなるよ』
「俺の場合は全銀河足しても足りないな、今すぐちゅーしたいぐらい」
これ以上やると危ない、延々自分が対象の惚気を聞かされる事になる。そんな事になれば体温が発熱時と同じぐらい上がってしまう。
『わ……わかったから、今度いっぱい……いっぱい⁉ まあ今度してあげるから』
「ほほーん、奏音もしたいんだな」
口を滑らせてしまったが、会ってキスしたいのは事実なので水に流しておいた。
「ま~、バイトの方は超頑張るわ。いつもの三百倍ぐらい頑張る」
『そう、子供たちを楽しませなきゃいけないもんね』
「いちファンとして支えられるのはすげー光栄だわ」
『失礼の無いようにね』
「何を言うか。まあガンバルわ」
『頑張れ、それじゃまた夜に話そ』
「おう、それじゃ一旦切るぞ」
その後、慧習メルクリウスのグループチャットで今回のことを自慢した結果、奏音以上のリアクションで全員から羨ましがられ、京助は大層いい気分になるのであった。
いよいよバイト当日がやってきた。
「コレ持って行った方がいいかな?」
『持って行かない方がいいです』
京助が持っていたのは、マグナアウルが武器を生成する要領で作り出したマスターブルーキャリバーである。
これは京助の最推しキャラである二代目飛翔戦士のスカイハイヤーこと飛鳥翔太郎が生死を彷徨った際に獲得した強化形態マスタースカイハイヤーが使う変身アイテム兼武器だ。
「マジで斬れるのに……ああ、マジで斬れるからダメなのか」
そういう問題ではないと突っ込みたかったトトだが、とりあえず持ち出さないならばそれで良いかと何も言わないでおいた。
「Tシャツ良し、動きやすい服装良し、水分良し、弁当は……」
『不要ですね』
「ハンドタオル良し、予備の着替え良し、キーホルダー良し、オールオッケー!」
準備を完了した事を確認した京助は手を叩いて大きめのリュックサックを背負った。
「行くか! 空の世界に!」
今回職員扱いとなる為、京助達アルバイトは正面ゲートから入る訳にはいかない。
集合場所が定められており、そこへ迎えの車が来る手筈になっている。
「今回のバイトの募集って二人だけだよな、どんな奴が来るんだろう」
『きっと飛翔戦士シリーズのファンでしょうね』
「話弾むと良いな、ホイッスラー交換しちゃお」
まだ見ぬファン同士の交流に心躍らせていた所、集合場所にとても見覚えのある人物が立っていた。
「は?」
「え? は⁉」
お互いに指差して二人は寸分の狂い無く同時に大声で叫んだ。
「なんでお前が居るんだ!」
そこに居たのはなんと林檎であった。
「えぇ……どんな確率だよ」
「倍率高めのバイト二人にクラスメートの戦友同士が選ばれるって下手すりゃ宝くじよりキセキじゃね?」
「てかユメリンゴって飛翔戦士見てたの? そっちの方が衝撃だったんだが」
「見てたよ、見始めたのは二年前ぐらいだけど」
「ああ、全話一挙配信やってた頃か。だったら言えよ! 俺オリジナル版からの年季入ったファンだぞ」
「筋金入りじゃん、言えば良かった」
やはり互いを戦友と言うだけあって、結構趣味が合う二人であった。
「一応聞くけど、誰推し?」
「ウチ? やっぱ星吾かな」
四代目飛翔戦士であるバードナイトこと月読星吾は、これまでの飛翔戦士とは異なり夜の力を与えられた異色の戦士である。
「あ~星吾ね、クレセントムーンバニッシュの初披露回のCGすごかったもんな。星と月の力を使うってのも厨二心をくすぐるし、キャラとしてもすげー立ってたからな」
「センキョーは誰推し?」
「やっぱ翔太郎だな。これは小学生の頃から変わらん」
「翔太郎先生ね。無敵のヒーローじゃん」
「マスターだぜマスター」
「ウチもマスタースカイハイヤーの回は神回だと思うわ」
「だろ? あれが九年前って信じられねぇよな」
「待ってウチらその時何歳? 十七……ウチら八歳の時⁉ やばー……」
好きな作品が気が付けばかなり昔の作品になっているのは、その手のオタクにはよくある事だ。
「レディバードどう?」
「どうって?」
「俺は好きだぜ」
「ウチも好きよ、あのアクションは女のコならではって言うか……」
「ウルトラヴァイオレットに着想を得たって言ってただけあってすげー滑らかに動いてるよな」
「虹々路ちゃん演じてる高宮梨々花さんってバレエやってたんだっけ?」
「確かそうだったみたいだな、あとキックボクシングもやってるらしい」
「そりゃあんな神がかった動き出来るわけだ。叩いてるヤツの気が知れん」
「アクションの激しさではテレビ版超えてるしな」
飛翔戦士シリーズの話で盛り上がっていると、スカイワールドのロゴが貼られた車が見えた。
「お、時間ピッタリ」
「てかお前よく寝坊しなかったな」
「誰がこんな貴重な機会に寝坊するかい、二時間前に目覚ましかけて、アニキに起こしてもらうよう頼んだからね」
「え? 桃弥さんまだ真鳥市に居るの?」
「まあね。あ、こっちです」
車から降りてきたスカイワールドの制服を着た中年男性がバインダーを持ってこちらに向かって小走りでやってくる。
「えーっと、夢咲林檎さんと……千道京助君?」
「はい」
「間違いないです」
「今回ありがとうね。ああ、そしておめでとう、じゃあ乗っちゃって」
しばらく車に揺られた後、地下にあるスカイワールドの従業員駐車場で降ろされ、そのまま事務所に通された。
「こうなってたんだ……」
「なんか普段見ないから新鮮……」
運転手の男が笑いながら書類を持ってきて話しかける。
「普段見らんからな、今後見るかもわからんから、今のうち沢山見といた方がいいよ。はい、これ必要書類ね。ここよく読んで下に名前書いてね」
免責事項を斜め読みしながら三周し、京助と林檎は自分の名前をサインして渡した。
「ほい、ありがと。それじゃ制服を……よいしょ……どうぞ。上に羽織るだけでいいからね、バイト終わりに返してよ」
空をイメージした明るい青のジャケットに、京助と林檎は目を輝かせる。
「これに袖を通す日が来るとは」
「子供たちに見上げられる日が来るとは」
「見上げられる? 今見上げられるって言った? 気のせい?」
「お前覚えとけよマジで」
「まあでも迷子の子とかいた時お前なら屈まなくて……おっと危ね!」
京助はローキックを躱した勢いで制服を着て、林檎も鼻で溜息をつきながら制服を着ると、案内の通りに進んでステージ企画部の方へ案内された。
「じゃあ頑張ってね」
送迎係の男は手を振って去って行ったあと、林檎と京助は顔を見合わせて深呼吸をする。
「この先に飛翔戦士を作った人たちが居るんだ……」
「そう考えると緊張してきた……見てウチの手」
手が蛍光灯に反射して光っている。
「手汗ヤバ」
「うん、でしょ」
林檎は京助が履いているジーンズで手汗を拭い、京助は露骨に嫌な顔をしつつ受け流した。
「それじゃノックから……」
四回ノックしてドアを開けると数人の男女が会議中だった。
「おお! バイトの学生さんか」
(本物だ……)
(本物が居る……)
彼こそ飛翔戦士シリーズの創始者である高宮英二である。
「よろしくお願いします、高宮英二です」
「いやいや頭下げないでくださいあなたの事は存じ上げております」
「会えるとは思ってませんでした……よろしくお願いします」
英二は二人と握手を交わした後、英二はにこやかな顔で二人に聞いた。
「君達二人は飛翔戦士見てるの?」
京助は制服のジャケットをはだけてスカイハイヤーがプリントされているTシャツを見せ、林檎はバードナイトのキーホルダーを差し出した。
「言うまでも無かったようだね。いやー嬉しいなぁ」
目元の優しそうな皴が印象的な笑い方は、ムック本での対談特集で使われた写真そのままだった。
「じゃあ紹介するまでもないけど、一応紹介しとくよ。貴島輝明君だ」
三十代ぐらいの精悍な顔つきの男が微笑み、京助と林檎は声も出ない程感動した。
それもそのはず、彼は初代飛翔戦士スカイバードこと蒼空斗を演じた男なのだ。
「なんだよ君達、俺のグッズじゃないのか?」
「あ~ごめんなさい!」
「いやその~空斗はレジェンドっていうか……」
「あははは、冗談だよ。来てくれてありがとう、いろいろ頑張ってもらう事になるだろうけど、みんな優しいから大丈夫だ。君が林檎ちゃんで、君が京助君だね?」
憧れのヒーローを演じていた人物に名前を呼ばれると心の琴線がオーケストラを奏でてしまう。
「感無量って感じだね、それじゃそろそろ仕事の話に移ろうか」
今回の二人の仕事は会場設営と観客の誘導、そして音響や照明とステージギミックを動かす手伝いである。
「今回は野外ステージだから設営しなきゃいけないんだ」
「椅子がいっぱい要るんですね」
「そう、日除けにテントも張るからそこの手伝いもお願いね」
「任せてください、運搬と設営は得意です」
歯を輝かせて笑ってサムズアップする京助に輝明は優しく微笑み返した。
「頼もしいなぁ、じゃあとりあえずそっちは良いとして、本命の音響と照明とギミックの方に移ろうか」
場所を移して隣の部屋、これまた驚くべき人物が待っていた。
「お疲れ様で~す」
「はいお疲れ、どう? 本物の現役飛翔戦士」
そこに居たのは蒼虹々路を演じている高宮梨々花であった。
「感無量ですね……」
「やっぱすっげー美人」
「え、見てくれてるんだ! ありがと~」
笑顔で手を振るスーパーヒロインは限界オタクにとっては効きすぎる薬である。
「それじゃこれ脚本ね。どのタイミングでやればいいかは全部書いてあるから頭に入れといてね。実演は閉園した後のリハーサルでやるから」
その後閉園まで段取りの確認や飛翔戦士シリーズについての雑談をして、実際に使ったスーツやプロップを見せてもらった後で閉園時間を迎え、スタッフから機材の使い方をレクチャーされた後でリハーサルが行われた。
リハーサルにも関わらず圧巻の演技とアクションを間近で見た二人は心の中で感涙しつつ、与えられた役割を百二十パーセントの力でこなすのだった。
「お疲れ様~二人とも良かったよ!」
「お疲れ様です。ありがとうございます」
「お疲れサンです。そんなに良かったですか?」
「手際もすごく良かったってスタッフみんな言ってたよ。高校出たらウチに就職しない?」
「いや~、それ自体嬉しいお誘いなんですけどねぇ」
「ハハハ、冗談冗談、流石に今時は大学ぐらい行きたいだろうしね。まあ俺もスカイバードやってた時は大学生だったし、梨々花ちゃんも大学卒業してから本格撮影に入ったからね」
輝明は当時アルバイトで、高校と大学で演劇経験があったため空斗役に抜擢され、そのままスカイワールドに就職した後も、英二の右腕として制作に関わり続けているのだ。
「じゃあ大学卒業したら、進路の一つとして視野に入れても良いすか?」
「お、その時は俺に連絡してよ、高宮さんにでもいいけどさ」
まさか好きな作品を作った者達に会えて褒められるだけではなく将来の就職先(予定)を入手できるとは思わず、林檎は思わず笑みが零れてしまう。
「それじゃあ、スタッフさんに何か片付けするもの聞いてきて。何もなかったならもう戻ってもいいよ」
音響スタッフの手伝いを終えた後少し道に迷いつつ、ステージ企画部の事務所に戻った。
「お疲れ様で~す」
「むぐ……お疲れ様!」
梨々花とショーの進行役を務めるお姉さんをやっていた梨々花の後輩である比奈が弁当を食べていた。
「二人とも遅くまでありがとうね」
「あ~いえいえ、これも仕事なんで」
「お弁当こっちにあるから食べていいよ。あっ、できればいいんだけどぉ……隣の部屋にお父さん居ると思うから持って行ってあげて」
英二と梨々花は実の親子である。せがまれて空斗の妹として出したのが縁で演劇の道を志して今に至るのだ。
「了解です。むしろ任せてください」
申し訳なさそうにする梨々花を尻目に隣の部屋に向かうも、どういう訳か英二は居ない。
「あらら、どこに行かれたんだ」
「あっちの会議室かな?」
二人は三人分の弁当を持って会議室のドアを開けた。
「高宮さ……あれ?」
ノートパソコンの前で頬杖をつきながら物憂げな表情を浮かべていた英二がこちらを向いて微笑んだ。
「ああ……はは、弁当かい? そこに置いててくれ。ありがとう」
笑ってこそいるが、まるで何か悩んでいるのを取り繕って隠しているような様子である。
「え? どうかされたんですか?」
「ああいや、何でもないんだ」
「いやこれは何でもあるでしょう」
「いやぁ……そんな事ないよ」
敬愛してやまない人物が何か悩んでいる、それだけで京助と林檎は動かざるを得なかった。
「あの、こんな人生経験浅い高校生でも良ければ……何かあったか話してくれませんか?」
「……じゃあ一緒に弁当、食べるか」
とりあえず話してくれることに一安心しつつ、弁当を温めてから京助と林檎は英二を挟む形で座った。
「実は飛翔戦士の今後の展望について悩んでてね」
大方そんな事だろうと予想していたが、いざ言葉として聞くと重い感触が腹に叩きつけられる。
「今後の展望って……」
「最悪の場合シリーズをね……畳んでしまおうかと考えている」
今や真鳥市の顔にもなった象徴的なシリーズを畳んでしまおうとまで考えるなんていったい何があったのだろうか。
驚きながら京助と林檎は英二越しに顔を合わせる。
「どうしてそんな事を……」
「実は少し飛翔戦姫レディバードを始めたあたりから既に不安があったんだよな」
「不安ですか……」
「マンネリ化とか、話の展開の硬直化もそう、それに虹々路が飛翔戦士になる所を見たいって声はあったけど、メイン一人に据えるのはいささか挑戦的過ぎたんじゃないかって……まあここまではまだ良かったんだ。否定意見もあったけど概ね受け入れてもらってるし、新規ファンもたくさん獲得できた。問題はあの日以降なんだよ」
あの日英二は「本物の未曽有の悪」を目にしたのだ、飛翔戦士シリーズに登場する空を汚す悪の組織スモッグなどより遥かに恐ろしい悪であるジャガックを。
「京助君、林檎ちゃん……僕はね、最初こそスカイワールドの宣伝になればと思って始めたんだけど、いつしか飛翔戦士達の活躍を通して子供たちに勇気と希望を与えたいと思うようになっていったんだ。でもね、あんなのを見せられたら……僕の作る話に意味はあるのかと思ってさ」
突如現れては人類を優に超える科学力を駆使した武器を振るって街を蹂躙するジャガックに英二は気圧されてしまったのだろう。
「今回のショーも真鳥市の子供たちに勇気と希望を与えたいって事で企画されたけど……どれぐらい効果があるのやら。僕がいくら作品を通して勇気と希望を持てと発信した所で、その力自体はジャガックを倒してくれるわけじゃない」
林檎の手が無意識にポケットの転送鍵に伸び、京助も右腕を凝視していた。
「マグナアウルやクインテットはすごく頑張ってくれてると思う……だが拭えない恐怖と絶望感は確かにあるんだ」
不甲斐なくてしょうがない、自分達が住民たちから受け入れられて喜んでいる横でこんな思いをしている者が居るという事を目を逸らしていたのかもしれない。
「最近どんどんその思いが大きくなっていってね……やめた方が良いかとそう思うようになったんだ」
なんと声掛けしたら良いか分からない中で、京助は箸を止めてゆっくりと語り出した。
「俺、一人暮らししてるんですよ」
「え? 高校生なのにかい?」
「事故で父さんと母さんが死んだんです。後遺症で髪の一部が白くなって、記憶も一部欠落しました」
「そ……そうだったのか……それは何と言うか……」
「今の俺が居るのは、もちろん周りの人たちが助けてくれたってのもありますけど、それでも辛かった事はたくさんあります。挫けそうになった時だって、死のうと思ったことも正直ありますよ。けどね高宮さん、そんな時ね「明後日は飛翔戦士の最新話があるじゃん」ってそう思ったら、なんだか頑張れたんです」
「……」
「すごくないですか? 飛翔戦士が繋いだ命がここに立ってるって。間違いなくこれはフィクションの力です、あなたが与えた希望と勇気がここに実を結んでるんですよ」
英二はしばらく京助の方を見ていたが、箸を置いて目頭を押さえながら涙を流し始めた。
「ああそんな……えぇ……」
「ありがとうね……君が抽選に通ったのは……何か運命だったのかもしれないな……ありがとう千道京助君……本当にありがとう」
中々泣き止まない英二に困惑しつつ二人は弁当を食べ終えた。
「あ、あのーもう時間なんで……行きますね」
「ああ、本当に二人ともありがとう。少しだけ僕にも希望が湧いた、本当に本当にありがとう。絶対にいいショーにしようね」
何度も感謝された後で行きとは違う運転手の車で送られ、二人は集合場所で降ろされた。
「長いようで短かったな」
「そーねー、それにしてもアンタ超々ファインプレーだよ」
「そうかね?」
「ウチちょっと惚れちゃったかも」
「よせよせ、奏音に殺される」
「だね、ウチも命は惜しいから、そんじゃまた明日ね」
「おう、また明日!」
翌日もう一度段取りを確認した後で閉園後会場設営を行い、いよいよ迎えたショー当日。
「あ~緊張する」
「珍しいな、いつもみたいにろくでもない事考えてニヤついとけばいいんだよ」
「まるでウチが変な奴みたいじゃん」
「それは事実だろ」
「あーあ、乙女の心が傷ついた」
「乙女は乙女を自認しない」
なんだかいつもの調子に戻って来て幾分気が楽になってきた所で開園時間を迎え、土曜日とあって多くの家族連れがゲートを潜っていく。
「多いなぁ」
「まあショーがある訳だしね。楽しみにしてた子も多いっしょ」
「そうだな、その子達がいっぱい楽しめるようにしねぇとな」
一般スタッフとして物販エリアの整理をした後で大ステージ袖の楽屋部屋でショーが始まるまで待つことにした。
「ちらほら並んでる子も出てきたな」
「どっちが案内と整理に行く?」
「ジャン負けね」
結果一回勝負で京助のチョキで勝負がつき、林檎は溜息をつきながら立ち上がった。
「行ってらっしゃーい、俺はここで飛翔戦士のスーツを眺めとくからねぇ」
「ぜってー今度なんか奢らせてやる」
ハンカチを振って煽る京助を背に、林檎は制服のジャケットの前を閉じてステージ入り口に向かうのだった。
「すみません、この席ってどこですかね?」
「はい、確認しますね……ご案内しまーす」
立ちっぱなしは少しキツいものの、人の出入り自体はそこまでではないためそこまで疲れる仕事ではない。
「お席こちらですね」
「ありがとうございます~。ほらお姉さんにありがとうは?」
「ありがとうお姉ちゃん!」
「いいのよ、楽しんでね」
思った以上に女の子連れの家族も多い、レディバードの影響だろうか。
「なんだかんだ好評なんじゃん。良かった」
そう呟いて微笑むと、突如視界が暗くなった。
「んあ?」
反射的に空を見上げると、今最も見たくない光景が広がっていた。
「ハア……あの宇宙ヤクザ共め!」
視界が暗くなったのはジャガックの船三隻が日光を遮っていたためだった。
「レッドコール入れなきゃ」
転送鍵のスイッチを入れ、林檎は周囲の状況を的確に見極めて人気の居ない販売所の裏側へ向かう。
「ここなら誰にも見られないな。よし! Vモードオ……」
突如スピーカーから不快な音が響き渡り、林檎はスーツの転送を中断せざるを得なくなった。
「邪魔しやがって! Vモ……」
『ダァーッハッハッハッハッハ! 地球人諸君! ご存じジャガック幹部パテウ・シャローだ!』
「クソロボット! 何でここに⁉」
音割れスレスレのあのやかましい声がスカイワールド内のスピーカーから響き渡る。
『なになに? 聞く所によるとこの遊興施設に集まった連中は勇気と希望を求めて来たそうじゃないか! ダァーッハッハッハッハッハ! なんと無益で無意味な行為か!』
嘲笑的で冷笑的なパテウの声色に、思わず林檎は自動ドア越しのスピーカーを睨みつける。
『絵空事の演劇から生まれた空虚な感情では我々を倒せない事をとくと教えてやる! さあ行けお前達! ここを占拠するのだ!』
次々とジャガックの勢力がワープする音が連続で聞こえ、悲鳴や子供の泣き声が響き渡る。
『貴様ら地球人に許されたのは勇気や希望などではない! 服従と絶望! これのみだ!』
「黙って聞いてりゃ……好き勝手言いやがって」
転送鍵のブレードパーツが林檎のパーソナルカラーである常盤色に輝き、頭上にSモードのスーツが転送される。
「Vモードオン。GO、クインテット……」
静かな怒りを滾らせながらスーツを纏い、林檎は戦いの女神へと姿を変えた。
「希望は絶対、途絶えさせない!」
今、家族連れを襲う卑劣なジャガックに、イドゥンは一人立ち向かうべく走り出すのだった。
そして当然この放送は、京助が居る楽屋にも届いていた。
「た……大変だ! みんな早く……」
「何か長い棒はありますか?」
「は……はぁ⁉ 京助君、何言って……」
「鉄パイプとか刺股が望ましいですが、最悪T字箒でも構いません」
「戦うつもり⁉ 馬鹿言ってないで逃げ……」
その時扉を蹴破って五人のジャガック兵が雪崩れ込み、京助を含むスタッフ達を取り囲む。
「チッ……」
「手を上げろ地球人共、無駄な抵抗は止めてついて来てもらうぞ」
京助以外のスタッフが恐る恐る従う中、京助は相変らずパイプ椅子に座って長机をひじ掛け代わりに使っていた。
「おいお前!」
ジャガック兵の一人が銃を向けようが、スタッフが小声で従うように言おうが、京助は全く動こうとしない。
「反抗的だな」
「おいガキ、俺らは人質取るように言われてはいるが、こんな大勢の中何人か殺したって……がっ!」
ごちゃごちゃうるせえと言わんばかりの京助のストレートパンチがジャガック兵の顔面にめり込み、他の兵士が反応するより早く長机を蹴飛ばして牽制した。
「逃げてください!」
「へ⁉」
「早く!」
逃げるスタッフ達を追いかけようとしたジャガック兵の喉笛へ縦にしたパイプ椅子が叩き込まれ、更に京助は長机の脚を二本折って頭目掛けて投擲し、まず遠くに居た二人を片付ける。
「このっ!」
苦し紛れにジャガック兵が放ったビームガンを京助が背中越しに空中に縫い留め、驚愕するジャガック兵に向けて威力を倍にして押し返した。
「たっく、制服に穴が開いたらどうすんだ」
「お前何を……ぐっ!」
言葉を遮って京助は最初に殴り飛ばしたジャガック兵を踏みつけ、まだ無事な兵士の首を掴み上げて顔を寄せる。
「ひっ! ひぃっ!」
怒りのあまり溢れ出た力により京助の目が赤く光り、同時に顔に梟を模った兜が重なった。
「マグナ……アウル!」
「おっと」
咄嗟に顔を掴んで頬を揉み込んでせり上がる力を抑え込む。
「お前は……」
「絶望がどうとかブリキのポンコツが言ってたが、一つ俺からも言わせてくれ。絶望するのはお前らジャガックだ」
そう言って京助は足元のジャガック兵を踏み抜き、手元の喉笛を抉り千切って放り投げた。
『緊急報告、クインテットの一人を確認、その他メンバーの行方は不明。警戒せよ』
息絶えたジャガック兵の通信機に京助は赤く光ったままの瞳を向け、右腕にアウルレットを出現させる。
「なんだあいつらも居たのか。俺も行こう」
アウルレットに手を翳しかけた所で、京助の動きが止まった。
『どうしたんですか?』
何度か大きく瞬きして瞳の色が元に戻り、京助は自分の腕をじっと見た。
「トト、今回必要なのはマグナアウルじゃないかもしれない」
『と言いますと?』
「今回の事件を俺達やクインテットが解決してしまったら……高宮さんは今度こそ立ち上がれなくなる」
『ではどうやって解決するのですか?』
京助が指を鳴らすと、瞬間移動でスカイワールド飛翔戦士秘密ラボ内部へと移っていた。
大仰な名前がついているが、飛翔戦士シリーズの資料館兼アトラクションである。
「確かアウルレットでスキャンすればアバターのガワを変えれるんだったよな?」
『そうですね……まさかあなたは飛翔戦士になるおつもりですか?』
「ああ、マグナアウルの功績なんかより、よっぽど大事なものがある」
二代目飛翔戦士こと、飛翔闘士スカイハイヤーのスーツを纏ったマネキンをスキャンすると、アウルレットが変化してスカイハイヤーがスカイチェンジに使うウィングナックルへと変化した。
「敵に絶望を届けるんじゃない。力なき者に希望を与えるんだ!」
右拳を上にした状態で両腕を前に突き出し、キレのある動きでスカイチェンジのポーズを取る。
「スカイ・チェンジ・フライハイヤァァァアアアッ!」
徐々に京助の姿が変わり、ここに初めて現実の世界に飛翔闘士スカイハイヤーが降り立った。
「んっんん! 飛翔! ……飛翔……飛翔闘士! スカイハイヤー!」
本物以上のキレで変身後のキメポーズを取り、大層ご満悦と言った感じで何度も頷いて見せる。
「よし、声も翔太郎そっくりに加工出来た」
スカイハイヤーとなった京助は最も愛するヒーローとなった事に感動してしばらく噛み締めつつ、頭の中で今後の計画を練る。
『計画は思いつきましたか?』
「大切なのは奇跡が起きたって事を高宮さんだけじゃなく、子供たちにも信じ込ませることだ」
そう言いながらスカイハイヤーは空中に二種類の刀剣を生成する。
それはスカイバードのブルーキャリバーとレディバードのレインボーフルーレそのもの。
「奇跡の演出に勝手ながらキャスティングさせてもらおう。なに、普段より少し大掛かりで壮大なステージさ。演出家は千道京助だ!」
生成したブルーキャリバーとレインボーフルーレを背中に背負うと、スカイハイヤーはその場を後にした。
その頃イドゥンは一人でサイボーグ率いるジャガック兵の方へ突撃し、人質として集められたスカイワールドの観客たちを解放するべく奮戦していた。
「何だ一人か、五人と戦うのを楽しみにしていたんだがな」
「オメー如きウチ一人で役不足だっての!」
新しい改造が施されたサイボーグは左目の埋め込みスコープでイドゥンに照準を合わせると左腕と同化したグレネードを乱射し、イドゥンは即座に回避しながらレールガンを転送する。
「アトラクションが壊れんだろーが!」
レールガンから放たれた実弾が左腕のグレネードを破壊し、サイボーグは怒り狂って右腕の電磁ブレードを展開して斬りかかる。
「くっ! このっ!」
「ぐおっ!」
回避も兼ねた旋回蹴りがサイボーグの無防備な腹に命中し、即座にチャージされたビームライフルの射撃を頭に喰らって倒された。
「だから言ったろ、役不足って」
その後も大量のジャガック兵相手に一人で渡り合い、最後の一人を殴り倒した後で囲まれていた人質達の方を向いた。
「ついて来て! テラスレストランに行くよ!」
テラス席があるレストランなのだが、建物があると同時に沢山の椅子や机がある為、籠城しやすいと考えたのである。
「大人は子供を抱えて! 急いで行くよ!」
殿となって近付く敵を撃って蹴散らし、テラスレストランに入って全ての出入り口にバリケードを作るように指示し、未だ姿を見せない仲間達に連絡を取った。
「こちらイドゥン、到着まだ?」
『こちらルナ。ゴメン、こっちも早く行きたいんだけど、入り口が入念に固められて……ハッ! セイッ! もう少し時間がかかりそう!』
この後パテウと戦うのだからここで無理に消耗するわけにはいかない、イドゥンはヘルメットの中で歯噛みする。
「わかった。籠城できる所見つけたからもう少し持ちそう」
『どれぐらい?』
「どれぐらいがいい?」
『OK、超特急でやる。任せて』
「こっちも任せな。それじゃ」
イドゥンはレストランから出ると跳躍して屋根に立って近付くジャガック兵を狙撃し始めた。
「自動銃撃器が居るな。よし」
追加武装を転送するとミサイルマシンガンやレールガンが装着された自動照準射撃銃座が周囲に次々転送され、イドゥンの方もメイン武装のロングライフルに強化アタッチメントを取り付けてより長期の持久戦に備える。
「ウチが居る限り、この下に居る人達には絶対手出しさせない」
早速空中から迫って来たパワードアーマーを強化されたビームの一撃で撃墜し、より気合を入れて戦いに挑むのであった。
ジャガックの魔の手は同じ場所で待機していた英二と輝明、そして梨々花にも伸びていた。
「梨々花ッ!」
大切な娘を守る、英二の頭には今それだけしかなかった。
「おっ、お前らっ! こっから出てけ! 英二さんと梨々花には指一本触れさせねぇ!」
輝明が椅子を持って二人の前に立って守ろうとするも、多少身体能力が良いぐらいでは遺伝子改造を受けた上でアシストスーツを纏ったジャガック兵には敵わない。
腹に一撃喰らって蹲った所を組み伏せられてしまった。
「テル兄ちゃん!」
「輝明君!」
二人で輝明に駆け寄ろうとするもジャガック兵に阻まれてしまう。
「ひっ!」
泣かないように努めていた梨々花も、さすがにこの状況に頬に涙が伝う。
「ハハハ、お前達は無力だ。大人しく我々に従え」
服従を促す為に何気なく出たであろうジャガック兵の言葉に、英二の胸がチクリと痛む。
やはりフィクションの力など現実の悪に対しては無力なのではないか、それにこんなショーが無ければ怖い思いをする子供達は一人も出なかったし、娘はこんな風に泣くことは無かった。
こんな事ならもっと早くやめておくべきだったのだ。そんなネガティブな思考は突如響いた轟音がかき消してしまった。
「おい! ふざけた格好のお前! 何者だ!」
音が響いた部屋の入り口の方を見ると、そこにはよく見慣れた奇妙な光景が広がっていた。
「え?」
「なんで……」
「スカイ……ハイヤー⁉」
スカイハイヤーのスーツを着た何者かが入り口に立っている。
「天を翔けるは錬磨の拳! 飛翔闘士! スカイハイヤー!」
しっかりポーズを取って名乗りを上げた後、スカイハイヤーはあっという間にジャガック兵を全く苦戦することなく徒手空拳で次々と打ち破っていく。
『少しキレが良くないですね』
『いつもと勝手が違うんだよ』
それでも全員をすぐに倒してしまい、困惑する三人を振り返って屈んで手を差し伸べた。
「三人とも大丈夫か?」
「……カイちゃん、何やってるの?」
輝明はこのスカイハイヤーの事を実際にスカイハイヤーを演じた山川海渡だと思っているらしい。
「違う、俺は山川海渡じゃない」
「じゃあ誰なんだ?」
「飛鳥翔太郎」
「ふ……ふざけんな。飛鳥翔太郎もスカイハイヤーも現実にはいない! アンタおかしいんじゃないか?」
やはりこう来ると思った、京助だってもし同じ立場だったら同じことを言う。だがしっかり脳内でシナリオは書いてきた。
「そうだ、俺は本来この世界にはいない。だが子供達の叫びが聞こえたからここに来られたんだ」
普段はそんな馬鹿な話があるかと一蹴する所だったが、事実として目の前で圧倒的な力でジャガック兵を倒している。
スーツを着ただけの酔狂者にはこんな事は出来ないだろう。
「じゃあ本当に君は……飛鳥翔太郎でスカイハイヤーなのかい?」
「その通りです高宮英二さん。俺は悪を叩くためにあなたの作り出した世界からこちらへ来ることが出来た」
もはや与太話の類だが、不思議と英二の心は熱くなってきた。
「だが俺だけじゃ足りない。この世界の戦士と俺だけじゃ子供たちを助けるには不十分だ。だから……」
背中に提げた二振りの剣を輝明と梨々花に差し出す。
「ブルーキャリバー……」
「レインボーフルーレ!」
二人はプロップより遥かに精巧で重い剣を受け取り、困惑と興奮が混じった顔で膝立ちでスカイハイヤーを見る。
「これは……本当に切ったりとかボウビュートにしたり……スカイチェンジできるの?」
梨々花の問いにゆっくりと頷き、スカイハイヤーは立ち上がって言った。
「一度だけ、それを使えば一度だけ本当の飛翔戦士になれる。君達二人の力が必要だ、俺と共に戦ってくれ」
本当に自分に出来るのか、その疑問が輝明と梨々花を足踏みさせる。
「勇気と希望を届けるべく今までやって来たんだろう? だったら今立ち上がらずしていつやるんだ?」
二人の肩を英二が叩き、力強く頷いて背中を押す。
「行ってきなさい。きっと君達ならやれる」
「行こう、一緒に悪へ立ち向かうんだ」
一人での対処が難しくなってきた頃、ようやく四人の仲間達が入り口を固めていたジャガックの戦力を突破した事でイドゥンは少しだけ肩の力が抜けた。
「待ちましたか?」
「一分が十分と感じる程度にはね」
重力軽減ロケットパックで隣にやって来たアフロダイにそんな軽口をたたきながら、二人は銃と弓で次々と迫り来る敵を迎撃し始めた。
「エネルギーの方は大丈夫ですか?」
「バーストもフルチャもしてないからそこそこ」
「じゃあ拡張パックは……」
「くれるんなら……貰っとく!」
しばらくの間人質確保狙いでやって来るジャガック兵やパワードアーマーとの攻防を繰り広げていたが、そのうちこちらに来る戦力が目に見えて減り始めた。
「ここは一旦離れてみんなの所行った方がいい感じっぽい!」
二人は跳躍して他三人と合流して、既に囚われて広場に集められていた人質の解放に向かう。
「ごめんイドゥン! 今からは私達が一緒だよ!」
「あのうるさいブリキロボットが来るまで持ち堪えよう!」
「おう、持久戦はウチの十八番だから!」
多くの人質達が見守る中でクインテットは奮戦し次々と敵を撃ち破っていると、ついに本命が姿を現した。
「ダァーッハッハッハッハッハ! よくぞここまで戦い抜いたクインテット!」
「出たなポンコツロボットもどき」
「ガッ! 俺をロボットと言うな! まあ良い! いくらお前達が居るとはいえ数の暴力には勝てまい!」
パテウが両腕を広げると無数のサイボーグ兵やパワードアーマー、そして三機のウォーカーがワープしてくる。
「どんだけ出し惜しみしてたの……」
「毎回毎回やられるのによく出てきますよね」
無数の軍勢を引き連れたパテウは得意げに笑うと、各部分を変形させて戦闘モードへ移行した。
「ではそこの地球人たちに希望が潰える様を見守ってもらおうじゃないか! 五対多数でどこまで行けるかな⁉」
「五じゃないぞ!」
突如入った横槍にパテウもクインテットも振り向いた。
「ああ⁉」
「え? どういう事?」
「輝明さんと梨々花さんに……スカイハイヤー⁉ なんで……」
輝明と梨々花を伴って現れたスカイハイヤーに、人質となった人々も奇異の目を向けている。
「八人だ」
「あぁん⁉」
「お前達と戦うのは八人だ」
八人。自分達クインテットとスカイハイヤーは六人、つまり残り二人は輝明と梨々花という事になる。
「ちょっと、生身の人間を戦わせる気?」
「いいや、生身じゃあない。そうだろ?」
輝明と梨々花は意を決したように顔を見合わせて頷くと、持っていた剣を掴んでポーズを取る。
「……まさか」
「スカイ・チェンジ!」
「レインボー・チェンジ!」
ブルーキャリバーとレインボーフルーレが弧を描き、眩い光と共に輝明と梨々花の体が徐々に変わっていった。
「えぇ⁉」
「ウッソだろ⁉」
「こんなのあり⁉」
輝明と梨々花は変身した自分の姿に感動していたが、すぐに背筋を伸ばしてポーズを取る。
「天を守護るは不毀の剣! 飛翔剣士! スカイバード!」
「天弓描く華麗なる剣! 飛翔戦姫! レディバード!」
「天を翔けるは錬磨の拳! 飛翔闘士! スカイハイヤー!」
まさかの飛翔戦士三人の名乗りに、さっきまで涙を浮かべていた子供たちは驚愕と歓喜に満ち溢れた顔をし、響いていた泣き声はすっかり歓声に変わっていた。
困惑しているクインテットの方に三人の飛翔戦士は歩み寄る。
「クインテット! 急で驚いているかもしれないが、共に戦ってくれ」
「街と空、そして子供たちを泣かせる悪を!」
「共に叩こう」
スカイハイヤーが差し出した拳に、イドゥンが真っ先に自分のものを重ねた。
「何が何だか分かんねーけど、十何年も前から真鳥市守ってる先輩と戦えるならウチらとしても光栄ってモンよ!」
「そうだね、マグナアウルも居ない今、少しでも戦力が増えるならありがたい!」
「行きましょう! 共にジャガックを倒しますよ!」
あまりにも突飛すぎる展開に呆然としていたパテウが、ここでやっと正気を取り戻す。
「ええい! なんだかよく分からんが三人増えただけだ! お前達! やってしまえ!」
大声を上げながら突っ込んでくるジャガック兵と新たな仲間を得たクインテットと飛翔戦士は真正面から激突した。
「ハアッ!」
「バードクロースラッシュ!」
ミューズのハルバードとスカイバードのブルーキャリバーによる飛ぶ斬撃が交差して数多のジャガック兵が薙ぎ倒され、そこに出来た隙間にルナとスカイバードが突っ込んでいき、サイボーグ兵を切り刻んでいく。
「本音を言うと俺は君達に憧れてた! ヒーローとして共に戦えるなんて夢みたいだよ!」
「そう! 私も観光大使と肩を並べる日が来るなんて、なんだか妙に得した気分!」
追いついたミューズと共に、無数のパワードアーマーと一台のウォーカーと相対する。
「どうするスカイバード?」
「決まってる! 必殺技でフィニッシュだ!」
「了解! Bモードオン! バーストGO!」
ミューズとルナがバーストモードを起動し、スカイバードはブルーキャリバーを掲げてその刀身に青き空のエネルギーを込める。
「セヤアアアアッ!」
ルナの冷凍弾が前衛のパワードアーマー全てを足止めし、ブレイガンナックルを片手に高速移動して氷塊と化した敵を一閃する。
「行きますよ!」
ミューズとスカイバードが同時に飛び上がり、必殺の一撃を放たんと得物を振り上げた。
凍って足が動かないウォーカーはせめてもの抵抗として主砲とミサイルで両者を攻撃するが、会えなく全て弾かれてしまう。
「蒼天! サンライトファイナライズ!」
ミューズのバーストオーバーチャージとサンライトファイナライズを同時に喰らってウォーカーは爆散し、その余波で凍り付いたパワードアーマーは全て吹き飛んでしまった。
「やった!」
「イェイ!」
「……ありがとう、ありがとう!」
三人は拳を突き合わせて勝利を祝った。
レディバードはデメテルとアフロダイと共に戦い、バレエ特有のしなやかで華麗な動きで次々とジャガック兵を切り裂き貫いていく。
「ハッ! セイッ!」
「レディバードさん! 合わせて!」
アフロダイがナギナタを分割して弓に装着して強化モードに移行し、デメテルもナックルアームを変形させて高火力ビーム撃つべくエネルギーを収束し始めた。
「了解!」
レディバードも二人の横に跳躍して立ち、レインボーフルーレを虹色に輝かせて必殺の一撃を放たんとする。
「スゥ……ハッ!」
「行っけぇぇぇええええっ!」
「レインボースパークル‼」
目にも眩い無数の色彩が奔流となって降り注ぎ、無数のジャガック兵やサイボーグ兵を撃破する。
「すごい! 力が漲って来る!」
間髪入れずレディバードは、最後に残ったウォーカーへ飛び掛かる。
「ボウビュート!」
レインボーフルーレの刀身が伸び、ウォーカーが放ったミサイルを弾き飛ばしてから本体に巻き付いた。
「はっ!」
レディバードは手を翳して出現させた逆虹に伸びた刀身を引っ掛けると、そのままウォーカーを釣り上げる。
「二人とも! ありったけの攻撃を叩き込んで!」
「分かった! バーストGO!」
デメテルとアフロダイは同時にバーストモードとなり、アフロダイはナギナタを振り回してじたばたと足を動かして抵抗するウォーカーを四度斬りつけ、更にそこへデメテルのハンマーロケットパンチが突き刺さる。
「レインボー……ショックッ‼」
より力を込めてレインボーフルーレを引っ張ると、逆虹がより眩く輝いてエネルギーが送り込まれ、締め上げたウォーカーは周囲のパワードアーマーを巻き込みながら爆散してしまった。
「やった!」
「ええ、やりましたね!」
「ナイス剣捌き!」
そして本命のパテウとは、スカイハイヤーとイドゥンが挑んでいた。
「ぬぅん!」
ブリキだポンコツだと陰口を叩いていたものの、やはり幹部とあってその火力は絶大である。
それでも倒れる姿を見せる訳にはいかないスカイハイヤーと、憧れのヒーローと共に戦っている事で普段より力が漲っているイドゥンは、二人で互角に渡り合っている。
「ハイヤーキィィィックッ!」
スカイハイヤーのエネルギーに満ちた強烈な空中蹴りがパテウの頭に命中し、そこへイドゥンのレールガンが叩き込まれて頭を大きく欠損する。
「ぐおおおおおっ! 貴様らぁ……回復するとはいえ痛いものは痛いんだぞ!」
「だったら降参しろ!」
その一言でカチンときたパテウは頭部の欠損を回復させながら地団駄を踏んだ。
「虚構の産物が俺に偉そうな口を効きやがって! 貴様はここで絶対に殺す! 喰らえっ!」
「スカイハイヤー! あれはヤバい!」
パテウが肩から出現したビーム砲から光球を発射し、スカイハイヤーは避けようとするも背後に子供たちが居ることに気付いてやむを得ずその身で受けて吹き飛ばされてしまった。
「ぐおっ!」
「スカイハイヤー!」
「ダァーッハッハッハッハッハ! 見たかこのパテウ様の力!」
なんとか立ち上がろうとするも、かなりの痛みに思わず崩れ落ちてしまう。
(くそ……いつもだったらどうにか出来たのに……痛ぇ……)
痛みに悶えている時、突如遊園地のスピーカーから声が響いた。
『お友達のみんな! スカイハイヤーがこのままじゃやられちゃう! 一緒に応援しよう! せーのっ!』
(この声!)
本来であればショーの進行役を務める筈だった比奈の声だった。
「がんばれ~!」
「負けるな~!」
「ジャガックなんかやっつけちゃえ!」
『もっと行くよ! 今度は声を揃えて! せーのっ!』
子供や一部大人たちの声援の波が全身の痛みを和らげていく。
(ここは遊園地……ハハハッ! 最高のバフだ!)
そしてついにスカイハイヤーは再び立ち上がる事が出来た。
「バカな! 貴様はもう立ち上がる事など!」
「お前のような奴が居る限り、俺は決して倒れない!」
そう啖呵を切ってウィングナックルを天に掲げると、マスターブルーキャリバーが出現してその手に収まる。
「テイク・ミー……ハイヤァァァアアアッ!」
青い光と共にスカイハイヤーの装甲がより派手に変化し、強化形態であるマスタースカイハイヤーとなる。
「天を斬り裂く不屈の剣! 超飛翔戦士! マスタースカイハイヤー!」
子供達の歓声とエールが更に過熱し、イドゥンもバーストモードを起動してその横に並び立つ。
『みんなの応援のおかげでスカイハイヤーがマスタースカイハイヤーになったよ~! この調子でクインテットのお姉さんも応援しよう! せぇ~のっ!』
子供達の頑張れのコールを背に受けてスカイハイヤーは跳躍してパテウに斬りかかり、イドゥンもバーストフルチャージによる光弾を連続で放ち、反撃の隙を与えず後退させていく。
「あり得ない! 俺が! この俺が! もうこうなったら作戦などどうでもいい! 全ての火力を……ぐっ!」
何かが自分の背後を斬りつけてそちらを振り返るとミューズとルナ、そしてスカイバードが立っており、反射的に違う場所を見るとデメテルにアフロダイ、そしてレディバードが立ち塞がっていた。
「かっ……囲まれた!」
『すごい! クインテット全員と三人の飛翔戦士が揃ったよ! 今日一番大きな声で応援しよう! せぇ~のっ!』
子供だけではなく大人も声援を送り、思わずパテウも気圧されてしまう。
「ぐぅ……」
マスターブルーキャリバーを構えるスカイハイヤーの肩をイドゥンが叩く。
「ウチらがバックアップするからさ、トドメ決めちゃって」
「いいのか?」
「うん、本来の主役はそっちだから。トドメはトリプルスカイファイナライズだ!」
ぐっと拳を握るイドゥンに力強く頷き返し、スカイハイヤーはスカイバードとレディバードに並び立って武器を構える。
「ううう……うぅおおおおおおっ!」
やけっぱちになったパテウの総攻撃をクインテットが次々と撃ち落とし、その合間を縫ってパテウへ近付いて行き、スカイバードとスカイハイヤーが踏み台になってレディバードをより高く飛ばした。
「トリプル‼」
スカイバードの剣戟がパテウの装甲のような皮膚をズタズタにし、そこへエネルギーに満ちたマスターブルーキャリバーが突き刺さる。
「スカァァァアアイッ‼」
刺さったマスタースカイキャリバーの柄尻目掛けて捻りを加えた高打点のドロップキックが命中して、深々と突き刺さったマスターブルーキャリバーが地面にめり込んでパテウを縫い留める。
「ファァアアアイナラァァァァアアアアアイズッ!」
七色の刀身を纏ったレインボーフルーレの一撃が完全にパテウを粉砕し、勝利の歓声がスカイワールドを包み込んだ。
「うぅ……クソがぁ!」
またもや全身を砕かれてしまったパテウは痛みと屈辱に悶えながら再び立ち上がろうとしたところ、本船から通信が入る。
『パテウ、私だ』
「クドゥリ……今すぐ来てくれ!」
『帰還命令が出た』
「なんだと⁉」
『本作戦は真鳥市の地球人共の心を折る為に計画された。だがそれはもう失敗に終わった、もはや結束はより固くなった』
クドゥリに言われてようやく気付いた、全くその通りだ。虚構の産物が自分たちに屈しない心を生み出していた。
パテウは侮っていたものに負けたのだ。
「クソ……クソッタレがぁ!」
『早く帰ってこい、今ならボスの怒りも……出来るだけ抑えられる』
悔しいがゾゴーリの命ならば仕方がない、悔しい思いをしながらパテウは治りかけのボロボロの体を起こして言った。
「覚えていろ! この街は必ず……手に入れるぞ!」
空中に浮かぶ船のトランスビームに引かれてパテウの姿は消失し、船もそのまま飛び立ってしまう。
逃げられはした、だが一人だけという絶望的状況からこんな大成果を上げることが出来た。
『みんな~! 飛翔戦士とクインテットがジャガックをやっつけてくれたよ! 拍手~!』
溢れんばかりの歓声と拍手と賛辞が飛び交い、イドゥンは思わずヘルメットの内側で感動の涙を流すのだった。
「うい、お疲れ~」
「おぉ、お疲れさん」
すっかり夕方になった頃、林檎と京助はようやく合流することが出来た。
「やっと解放されたよ。財団の人から異常なしって言われたけどな」
「帰る時に気ィ付けなきゃね。今度はテレビ局に掴まる」
「あぁ……まあニュースに出る分は良いけどさ。一社に掴まったら次々捕まるからな」
「そだね、ウチもお腹空いたし」
「じゃあホレ」
京助は林檎にハンバーガーとジュースを差し出し、林檎はそれを満面の笑みで受け取る。
「あんがとさん」
二人で他愛もない会話をしていたら、そのうち英二の話になった。
「今回一番喜んでるの、高宮さんかもね」
「ああ、そうだな。あんな奇跡が起きればなぁ」
「結局スカイハイヤーって誰だったんだろうね」
「本人が飛鳥翔太郎って言ってるんだから、やっぱ本人なんじゃないのか?」
「そうなのかな、こんなヒーロー映画みたいなハナシってあるんかね?」
「まあ……地球に攻めてきた宇宙人の集団とか大怨霊とか居るんだしさ、たまにはこんな希望に満ちたハナシがあっても良いんじゃないかな?」
京助の言う通り、普通だったら怖い思いをしているだろう子供達の顔は、皆晴れやかな笑顔である。
「この笑顔もあの希望がもたらしたものだと考えると……やっぱり飛翔戦士は偉大だよ」
「それが虚構だとしても、何かを乗り越える力をくれるのかも。それこそあんたが今ここで立ってるみたいにさ」
「ああ、だからこそこれからも高宮さんには飛翔戦士シリーズ作るの頑張ってほしいな」
日が沈むまでの間、京助と林檎は飛翔戦士シリーズの話で盛り上がるのであった。
To Be Continued.
二週連続変わり種回でしたが、いかがでしたか?
書いてて楽しかったですが、少し尺が足りませんでした(反省)。
京助と林檎の飛翔戦士への愛が伝わる回だったら良いなと思っています。
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それではまた来週お目にかかりましょう。




