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おむすびころりん新説1

 心優しきお爺さん、今日も山でしばかりだ。


「腹もなったことじゃし、そろそろ昼飯にしよう」


 早速切り株に座り、自分でこしらえたおむすびを食べようとしたところ


「あ」


 その手よりこぼれたおむすび、山をコロコロと転がりだした。


「ま、待ってくれい!」


 老体に鞭打ち、おいかけたところ


「あちゃあ、穴の中に入ってしもた」


 だが未練がましいお爺さん、かがんで穴の中を覗くも


「真っ暗で何も見えん……それにしても大きい穴じゃこて」



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