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舌切り雀新説らすと
「その舌、二枚とも抜いたっで!」
「べーだっ!」
「……に、逃げおった」
そこにやってきたお爺さん
「どした?」
だがお婆さん、恨めしそうに空を見たまま
「あのクソガキが、わての」
ここでお爺さんの方を見やり
「盗み食い……何で口押さえてんねん?」
「い、入れ歯の調子が」
「ははーん……おのれやったんかい」
「の、糊なんて知らん」
「誰が、いつ糊言うた?」
「へ?」
「題なんてかまへん! その二枚舌、今すぐ抜いたろやないか!」