284/1177
舌切り雀新説1
歌を口ずさみながら呑気に歩くは、心優しきお爺さん。
「兎美味しかの山~小鮒食いし……ん?」
道端には怪我をしている一羽の雀。
「これは可哀想に。ささ、わしの家で治療してあげるからの」
「お? 今晩は鳥鍋やな?」
「んもう、婆さんったら。怪我してたんで治してあげようと」
「はああ? んなもん、放っとけばええやん!」
「元気になったら、山へ逃がすから」
「ホンマやな? わて鳥過敏症やさかい、とっとと治しや」
「初耳じゃが?」
※ちなみに「故郷」は、著作権外の歌です。念のため