夢見（ゆめうつつ）3

　私が流した涙でできた池。その中で、白い魚たちが楽しげに泳いでいる。

　私が吐いた溜め息でできた風。それを受け、ピンクの花々が満足げに揺らいでいる。

　私が口にした言葉でできた音楽。それに合わせて、黄色の小鳥たちが朗らかに歌ってくれている。

　それらみんなが私に、これ以上ない笑顔を向けてくれている。

――まるで夢のよう。

　そして私の流したものが作った、足元の深紅の水溜まり。今その中で、あの人が苦しげに溺れている――

評価をするにはログインしてください。

この作品をシェア

ブックマークに追加

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

―　新着の感想　―

このエピソードに感想はまだ書かれていません。

感想を書く場合はログインしてください。

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ