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五人の女(下)

「警部。私が思うに、恨み辛みの末かと」

 低い、落ち着いたトーンである。


「五つも残っていた傷のことか。だが私は、五人の女が共謀した、実はこう睨んでいる……各々が、一刺しずつしてな」


「考えも及びませんでした」


「ところで、昨日このヤマに関する電話は、君からの一本のみだった」


「そうですか。それにしましても、いきなりですね」


「では聞くが」


「何でしょうか?」


「君は如何にして、このヤマを知り得たのかね? 与田君よ」


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