「二百文字」も積もれば塵となる

住みか

「ねえ、ゴキブリ君？」

「なあに、ネズミさん？」

「この家って、食べ物が沢山あるから住みやすいよね？」

「うん。必ず毎日新鮮な物が落ちてるんで、食べ尽くすこともないしね」

「でもよく考えたら、ここのご主人って見たことないんだ。キミはある？」

「あ、確かに。僕もないなあ」

「じゃあ一度、どんな人か見に行こう！」

　その日以来、ネズミもゴキブリも姿が見えなくなった。

　それよりも何よりも、人の姿などここ数年は見えない――

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※朝イチのウォーミングアップ