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一寸法師新説9

「娘、さんぐらい付けろや」


「すんまへん、鬼さん」


「よくぞこんな辺鄙へんぴな島まで、一人で来たもんやわ」


「うんにゃ、連れがおりますねん」


「連れやて? どこにも見当たらへんけんど?」


「それがでんな、メッチャ陰湿なチビで……」


「僕は陰湿なんかじゃないぞ!」


 そこにおったんかい。


「何や? どっから声がしとんねん?」


「ここだ、鬼!」


「そういきがっても、見えへんって」


「じゃあ……えい! これでどうだ!」


「ん? 何かしたか?」



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