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Rouge

「ねね、香織! またまた口紅が増えちゃったんだ!」


「増えちゃったって、自分自身で買ったもんだろが」


「うん……でも、もう数えきれないくらい」


「つまりだね、明美」


「ん?」


「またまた恋をしたってことだよね?」


「わ、わかる? さすが親友!」


「その親友だから言うけど……相手の好みに、いちいち合わさなくてもいいんじゃね?」


「で、でも」


「じゃあ聞くけど」


「何よ?」


「かつて口紅を使いきったことは?」



「……ナッシング」



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