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偽装自殺

 夏の日の夜。

 自ら命を絶ち、それを他殺に見せよう――そう考えている男。


「何か方法は?」


 所謂、密室を築こうと――


「虫かご?……これだ!」


 幸いにも部屋の鍵は小さい。


 ドアに鍵をかけ――それをカブトムシの角に糸で結んだ。

 それは窓際に置かれたのち、外へと飛び立った。

 

「できるだけ遠くへ!」


 そして窓を閉じ、ナイフを手に――




「ほらママ!」


 笑顔の少年。手には、お洒落なオス一匹。


――どうやら隣の公園の灯りが気に入った模様



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