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迷い
目の前のコーヒー一つにも、ブラックで行こうか、それともたまにはミルクでも、いや、やはりここは砂糖を――こんな風に迷っている。
要は希に見るほどの、ブレっぱなしの優柔不断なのだ。
今の夕食でも、どこから箸をつけようかと迷っている。
だがこの時ばかりは訳ありで、迷うことなく、こう言える。
「料理が下手すぎるから、当たり障りのないものから……」
「はあ? そやったら自分の分くらい作らんかい、ボケ!」
嫁は真逆の、一切ブレない、一本ぶっとい筋が通った御方です。