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続・浦島太郎新説26
蟹さんの自室へと入った太郎でしたが、案の定、主人が泡を吹いたまま横たわっています。
「石鯛はん? どんな様子でっか?」
これに、蟹の隣にいる医師が首を左右に振りながら
「すでに、お亡くなりに」
「さよか。で、やっぱ石ころか何かでゴーンされたんやろか?」
「そのようです。甲羅にこうしてヒビまで入ってます」
それを聞き、近寄って覗き込む太郎が
「ホンマ、えげつないわな」
こう吐いたあと、すぐに
「泡が消えてないっちゅうことは、死んで間もないってなるわけやな?」