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3話
毎日ある授業。厳しい部活。難しいテスト。そんなものに追われているうちに 高校最初の一年間は呆気なく過ぎていった。
「今から新しいクラス表を配る。騒ぎたい気持ちもわかるが、あまりうるさくするなよー」
クラス替え。この日をずっと待っていた。別に一年のクラスが嫌だったわけじゃない。むしろ、良いクラスだったと思う。みんな優しかったし、友達もたくさんできた。
だが、それ以上に俺が同じクラスになりたい相手がいる。それだけだ。
新しいクラス表が配られていく。俺はすぐに彼女の名前を探した。
見つけた。三組だ。同じクラスに自分の名前がないか探した。
「あった・・・」
奇跡だ。神様は本当にいるんだ。思わずそう思った。
「れーんー。俺ら二年もクラス一緒だな!」
「ん?ああ、本当だ」
「そんなにじっと紙見てたのに気付かなかったのかよ」
「悪かったよ。ほら、クラス行こうぜ」
やっと彼女との接点ができたんだ。一年間全く関わることのなかった彼女と。