3/9
2話
一目惚れ。ずっとあの子の姿が頭から離れない。こんな感情になったのは初めてだ。
どうにか同じクラスになれないものかと願ったが、残念ながらなれなかった。
今日で入学してちょうど一ヶ月。俺は何も行動を起こせずにいた。
クラスが違う。部活も違う。というか、彼女が何部なのかすら知らない。そもそも部活に入っているのだろうか。
俺が入ったバスケ部のマネージャーにならないかな、なんて夢を見た事もあったが、その夢は儚く散った。
共通の友人もいない。話しかける勇気もない。俺は、男として意気地なしなのだろうか。
何もできない俺は、神様に来年は同じクラスになれるよう願うことしかできなかった。
それでも、彼女に対する想いは少しも薄くならなかった。むしろ、廊下ですれ違う度に、下駄箱で見かける度に、より濃くなっていった。