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プロローグ

豪華絢爛な城に、彼女の気高さと気の強さを表現するかの様な力強いヒールの音が響く。大胆に足を出した美しいドレスを身に纏い、多くの部下を従えて歩く黒髪の美女。彼女がこの城の主人だ。



名は、ヴァレリア。

この魔界を率いる、唯一無二の「魔王」だ。若くして魔界を率い、魔族を導く王、魔王に選ばれてから、その圧倒的なカリスマ性と実力で多くの魔族の畏怖と敬意を集めている。


「いつどこにいても煩いな、魔界は」


ヴァレリアは煩しそうに呟いた。そんなことを言いつつ、その表情は優しい。魔界の街並みは、普段と変わりなく賑やかで民の表情は幸福で満ちている。この仲間想いなところも彼女が慕われている理由の一つだろう。


「そんなことを言わないでください、陛下。皆、幸せそうではありませんか。陛下が魔界を率いてくださるから、私たちは平和で生きられているのですよ」


やわかな笑みを浮かべてそう言うのは、ヴァレリアの側近、グレイだ。


「何も私が魔王になる必要はなかったのだ。女の魔王は歴代初だ。いくら魔族が実力主義とはいえ、そこらの規則にうるさいジジイ共を黙らせるのは少々骨が折れた」


ヴァレリアはため息をつきながら玉座に腰を下ろす。

玉座から見える魔界の景色は、おどろおどろしいものでは決してなく、美しい街並みに木々が茂る、整った街だ。その光景を見ながらフッと笑みを浮かべる。


グレイの主人は、なんだかんだ文句を言いながらも素晴らしい女王だった。

今日もいつもの執務が始まるのだろうと、そう、思っていたその時。転がり込む様に衛兵が部屋に入ってきた。


「敵襲ーー!敵襲です!勇者・聖女率いる軍が、突如攻めて来ました!」




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