いえいえ僕、結婚してませんよ!
僕の見た目の問題かもしれない!
まだ僕の歳は21歳なのに、見た目のせいで結婚して3人ぐらい
子供がいる良きパパみたいに思われることが多々あった。
『杉野さん、奥さんと上手くいってるの?』
『お子さんは何人いるのよ!』
『“お父さんてホント大変よねぇ~”』
『・・・えぇ!? 僕独身ですけど。』
『あら? 杉野さんって今幾つ?』
『21歳です!』
『えぇ!? そんなに若いの? もう30歳過ぎてるのかと
思ってたわよ~アハハ~』
『・・・えぇ!? そうなんですか、』
きっと僕は他人から見て、“老けて見れるのだろう。”
ポッチャリ体型で、黒縁メガネをかけているし。
おっとりとしていて、家庭を持っているようなどっしりとした感じ
にも他の人からしたら見えるのかもしれない。
家では、良き旦那で良きパパだと思う人が多いのだ。
・・・実際の僕は? 一度も女性と付き合った事がないし
彼女がデキるなんて僕には程遠い、恋愛すらした事がないのだから。
今、好きな女性もいないし。
女性と付き合いたいと思った事もない!
僕はオタクで、アイドル大好き人間だから自分の推しのアイドルの
子を今も追っかけている。
そんな事は、職場の人達には一切内緒にしているので。
結婚してないのに、結婚しているように見えるのかな?
*
・・・つい最近、職場の人に言われたのは?
『昨日、杉野さん、○○駅の前に居たでしょ!』
『えぇ!?』
『奥さんらしき人と腕組んで仲良く話してたじゃないの!』
『・・・い、いえ、僕、結婚してませんし。』
『あら? よく似てたからてっきり杉野さんかと思ってたわよ!』
『・・・まあ、僕みたいな人間! 他のにもいるかもしれませんね!』
『そうかもねぇ~でも? “本当に杉野さんに似てたのよね。”』
『・・・そうなんですか、僕も見てみたいです。』
『時間があったら? 日曜日に○○駅の前に行ってみたら?
いるかもしれないわよ!』
『・・・あぁ、時間があったら、見に行ってきますよ。』
『そうね。』
・・・これって? “ドッペルゲンガー”なのかな?
自分に似ている人がいるとか言うやつだよね!
でも、僕みたいなポッチャリ体型で黒縁メガネをかけた男なんて
どこにでも居るように感じている。
現に、僕の従兄も僕によく似ている。
血筋なのか? たまに二人で歩いていると? “双子”と間違われる
ぐらいに僕達は凄く似ているらしい。
僕はあまり、似ていないと思っているし従兄も僕とは似ていないと
はっきり僕に言うよ。
*
僕は休みの日に、職場の人が僕に似た人を見たという○○駅の前に
行くことにした。
どうせなら? 僕も僕に似た人を見たいと思ったからだ。
きっと気のせいだと思うけど? そんなに似ていないと僕の目で見て
確かめたいと思った。
1時間ぐらいその辺をブラブラして家に帰るつもりだった。
でも? 僕の目の前に確かに! 綺麗な女性と腕を組んで楽しそう
な顔で僕の目の前を通り過ぎる僕に似た男に出会う!
まさか!? こんなにも自分に似ている人に出会うなんて!?
僕は思わず、彼に声をかけてしまった。
『ちょ、ちょっと待って!』
『えぇ!?』
『僕にそっくりだ!』
『こんなに自分に似た人に出会った事がない!』
『でも? なんで、こんなに似ているのか?』
『あなたの名前は?』
『“僕の名前は杉野です!”』
『僕の名前は、秋津と言います。』
『えぇ!? 秋津さんですか?』
『知ってるんですか?』
『僕の実の父親の名前が秋津だったと!”』
『まさか!? 僕達“双子”かもしれない!』
『双子?』
『僕は母親から僕には双子の兄がいると聞いた事があります。』
『・・・じゃあ、本当に、僕達双子なのか?』
『確かめるしかないね!』
『うん! 僕の母親に会いに二人共来てくれる?』
『勿論!』
・・・世の中は、物凄く狭いモノだ!
僕の母親は、双子の兄である彼とはあれ以来一度も会っていない。
理由は? 父親と母親が僕達が赤ちゃんの時に離婚したからだ。
普通は、“長男である彼の方を引き取るはずだが、母親は僕を選んだ!”
兄は、持病があったからだ。
あまり長く生きられないと病院の先生に言われたらしい。
それで仕方なく母親は、次男の僕を選んだのだろう。
でも実際は、兄は元気で持病もすっかり治っていると言っていた。
偶然にして、僕達兄弟は出会う事ができた。
兄は既に結婚しておりキレイな奥さんと子供も3人いて賑やかな家庭を
築いているらしい。
だから、僕もそう見えたのかもしれないと思った。
双子は? 何かと共通している部分が多いと聞くし。
・・・ただ、“僕は結婚してませんよ! それは双子の兄の方です。”
今は、こういう風に言う事が増えたよ。
最後までお読みいただきありがとうございます。




