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調査と戦績

 実家でリフレッシュしたあとは、町中に繰り出してきた。日も傾き、夕焼けが綺麗に染まる。


「この後はどうしようか? どこかで食べていく? それとも寮にすぐ戻っちゃう?」

「そうだな……うーん飯にはまだちょっと早いし」


 遅い昼食と腹の膨れるサブレやらお菓子も沢山食べていて、まだお腹が空いていない。


「でも食べてばっかだと太っちゃうよね……うーん……」


 フィユがぷにっと自分のお腹をつまむ。これは見なかったことにした方がいいのだろう。


「ん? ありゃプリムじゃないか?」


 遠くの方にプリムらしき人物が見える。夕焼けが薄桜色を黄金の小麦色へと染め上げ、


「そう言えばプリムさんは、寮にも部屋があるけど……あんまり立ち寄ってないみたい」


 自分で部屋を借りていても学費の一部が寮代として使われ、その寮の部屋に支給品や連絡が来る。

 最もその辺で借りるより遥かに安く、共同の炊事場や湯浴みの出来る浴場がついてるため、大半の冒険者はこの部屋を使っている事が殆どだ。


「ついていってみるか……って追跡者みたいになるな」

「声掛けてみたらいいんじゃないの。でもこっそり追いかけるのも楽しそうだね」

「っと、プリムは足速いな……というか普通に声を掛けるよ」


 往来だけど声を張り上げれば十分届きそうなのに、こっそり追いかけるとは……

 そんな二人に気がつく事無くプリムは目的地に一直線、と言わんばかりに歩いている。


「あっと、もうあんな所まで。急がなきゃ」

「ああ。夕飯でも誘おうぜ」


 足早にプリムが街中から外れに向かっているようだ。街外れは商店は少ないし、何か目的が無いとなかなか立ち寄らないエリアだ。

 ミネーケの街中は治安は良い方だが、夜道の一人歩きで、しかも町外れを女性一人で歩くのはさすがに危ない。

 街の中心から通りを二つ抜けた、平屋の立ち並ぶ閑静な宅地まで足を伸ばしたようだ。


「あら……プリムさんは……」

「あそこに……って家に帰るみたいだな」


 ある住居の入り口を、ノックもせずに開けると、応対に出たメイドらしき人物と話し込んでいる。

 メイドはどうやら聞き役のようで、プリムの話しを楽しそうに頷いてみたり手を合わせたりし、二人は家の中へと消えていった。


「なんか邪魔しちゃった感じかもね」

「そうだな。ちょっとした散歩にはなったし、今から寮に帰るよりは、どっか食いにいくか」

「そうだね。ここから近いのは……狼の牙亭かな」

「それじゃぱぱっと行くか。この時間ならまだ空いているだろうし」


 狼の牙と名前があるように、肉料理が旨く、値段の割に量の多いのが特徴だ。フィユは鶏肉が好きなのもあって、連れたってよく食べに行く。



「おう! らっしゃい!」


 この狼の牙亭を切り盛りするのは髭面のおっちゃんだが、元は腕前のいい猟師だったそうだ。

 猟師で生計を立てていただけに、肉の見立ては優れており、大衆食堂と侮ることなかれ、値段以上に食える店は貴重である。


「おっちゃん、今日のおすすめは?」

「うめぇ頬肉が入ってるぜ。煮立てたワインで締めた絶品だぜ!」


 粋のいい言葉と奥から漂う煮込み料理のいい香りに、よだれが出てきそうだ。


「美味しそうだねー、じゃあわたしそれ!」

「あいよ! 兄ちゃんも同じのにするか?」

「ああ、付け合せはパンで……いくらだい?」

「おすすめ含めて二人で銀貨七枚ってところだな」


 チャリチャリと銀貨を取り出し、マスターに渡す。少し懐が寂しくなりはじめているし、依頼をこなして稼ぎも考えなければならない。


「ふぅん……結構、減ってきちゃった?」

「そうだな……だいたい金貨二十枚分あるかってところだな。学費やら必要な生活費を支払うと金貨が五枚残るかどうかだ」

「銀貨だと五百枚って多いと思わない? って逃避しても仕方ないね」


 三食食べて部屋代含めると、二人で一日あたりだいたい銀貨三十枚前後だ。となれば銀貨五百枚は決して余裕があるとは言えない。


「受けられる依頼の幅を増やすためにも、色々な講義とって知識増やしていかないとな」

「おー、がんばろー!」

「へいお待ち、牛頬肉の赤ワインの煮込みにパンと水だ」

「いい匂い~、なのにハーブも何も使ってないのかな」


 皿には煮こまれた肉と潰したマッシュポテトとパンで、肉も肉だけなのに、軽やかなワインの香りが食欲をそそる。


「ふむふむ……ワイン煮ってこんなに軽いもんだったか」

「ハッハッハ、それが秘伝の煮込み方よ。煮込んだワインと肉汁を使えばこんなもんよ」

「あ、これパクパクいけちゃうやーってもう無くなりそう」


 フィユがヒョイヒョイと口に運ぶのを見て俺も味を確かめると、頬肉は舌に重たく感じさせず、噛むとホロリと肉がほぐれていく。


「うむ、良い食べっぷりだ。それじゃゆっくりしてき、何か追加があったら呼んでくれ」


 のしのしとマスターは次の客の相手をしている。早めに来たつもりだが、どんどん客が入っていつの間にか満席近くになっていた。

 幅を増やすとしても、手当たり次第では効率が悪い。

 たとえばプリムは彫金師を習得している。となればシナジー効果のある錬金、魔法学を早めに学んだ方がいい。

 広く浅くも大切だが、深く学んだ分野が無いと、得意分野が作れない。


「プリム誘うなら彫金分野を広げようかなとは思ってる。素材を自分で拾えれば安上がりだし、売り物にもなるしな」

「じゃあ採掘技能とか、目利きあたりの地学とか?」

「そうだな、鉱物や地質を知れば良いもんだろう」

「鍛冶屋さんでの依頼も受けられるね! けど鉄鉱とか見分け難しそう」


 鉱石と石ころの違いが初心者には難しい。しかし技能があれば……

 朝の掲示板を見た時に残っていた「募:銅鉱」とか「募:銀鉱」のような、専門技術を求められるのも受けられる。


「しかしあんまり取ってるの居ないから、ライバル少なくて丁度いいかもな」

「プリムさんも学んでいたんだよね。一緒のクラスならもっとお話出来るかも」

「前みたいにパーティー組もうぜってすぐにはいかないけど、悪くは無い選択肢だと思うぜ」

「けどエルが出来るの?」

「そういう痛いところ突くのもフィユだよな……」

「えー、だってエルとプリムさん。一緒になったらうまく喋れてないじゃん」

「いや、あれはアイツがだな?」

「あーハイハイ。そうですねー」


 くそう、次はプリムに言い負かされないから見とけよ!


 さて、夕食も取ったことだしそろそろ引き上げるか。

 予定もある程度決まったことだ。


「んじゃ帰るとするか」

「まいど、また来てくれよ」

「はーい、ごちそうさまー」

「お、そうだ。お前らもある程度は経験を積んだんだろう?」

「まだ駆け出しの小童ですよ、マスター」

「なに、問題ない。だいぶ店で使ってる塩が減ってきてっから、そのうちウチの店の依頼もあるはずだ、余裕があったら頼むぞ」

「そりゃありがたい。じゃ名指しで指名してくれても」

「ハッハッハ。そりゃ自惚れ過ぎだ! だがその気概はいい! 頑張れよ、若者よ」


 マスターに別れの挨拶をして外に出ると、陽もとっぷりと沈み、既に宵闇の薄暗さになっていた。


「お腹もいっぱいで幸せだねー」

「そうだな。しかも依頼の話もあって立ち寄って良かったな」

「マスターっていい人だよねー。折角紹介してくれたんだし、今度は寝坊しないように気をつけないとね」

「……前向きに善処する」

「それって無理だよね! 絶対寝坊宣言だよ!?」

「~~♪ キノセイダヨ」


 顔を背けて口笛を吹いてごまかしておく。それに……たぶん大丈夫だ。きっと大丈夫だ。ま、ちょっと遅れたらスマンな。


「じゃあ寝てたらベッドから蹴り出せばいいんだね! 言ったからね! 絶対やるよ!」


 これはおちおち寝てられなそうだ……


「うぅぅ…………」


 カーテン越しに光を感じる。

 鳥の鳴き声も聞こえて、夜じゃないのはほぼ間違いない。

 となれば翌日なんだろうけど……まどろみを誘う布団が俺をベッドに縛りつけ、まだたちあがれそうにない。

 だがフィユにあれほど突っ込まれたのだ。プライドを賭け…………ぐぅ。


 少し明かりが強くなったような気がする。

 そう言えば何かやると言われていた。絶対するよ、とまで宣言されていたような気がする。


「……えいっ!」


 掛け声と共に、ふと身体が浮くような感覚がし……自由落下をする。


「うお!」

「おはよう、やっぱり宣言通りになったね……」

「っててて……」


 敷いてる布団をするっと魔術のように引き抜いて、上に寝ていた俺を空に放り出したようだ。

 


「ほーら、今日も遅くなるとまた何も受けられないよ!」

「ああ……わかってるよ……」


 寝起きの枯れた声で応える。フィユは朝から元気だなぁ……

 ぱぱっと着替えを済ませて出かける準備を整えるから、フィユは少し席を外してくれれば良いんだけどなぁ。


 人だかりの山が掲示板の前を埋め尽くす。誰もが真剣な眼差しで、貼りだされてる紙を穴が空くほど見つめて、受けられそうな依頼を探して取り合いをしている。

 探せばブロンズ級が幾つか残っている。出費が多くて財布が寂しいから、ある程度報酬金(リワード)の良いのが無いかと調べると、手頃な討伐任務もあるし、少し難しいが採取任務もある。さて何を受けてみようか?


「どれにしようか? 選べるのってこの辺くらいだけど」

「お……? これヴォルフが臨時メンバー募集してるな」

「あ、ホントだ。……これ一緒にヴォルくんとやってみる?」


 「臨時募集:水源地の調査」に見慣れた名前がある。

 任務内容を見ると、臨時での調査メンバーを募っている。

 内容を吟味するとして……能力的にも問題なさそうだ。戦闘員よりは知識の応援を求めている。


「そうだな。ついでに勧誘してみるのも悪く無いし、受付済ませてくる」



 冒険者の朝は早く、我先にと受付周りを埋め尽くしていて、ここをたまり場にしてるようなのが多い。

 いち早く依頼をゲット出来るし、何より個室でランプやらを維持する必要も無く、ある意味合理的な判断ではある。

受付に依頼番号を告げて申請用紙を受付に出す。記入漏れがあると後回しにされるから、不備が無いようにしなければならない。


「次の申請をどうぞ」

「この依頼を受けたい」

「オーケー、申請番号よし、ライセンスよし。03-1824-0001の受付を完了!」


 受付が完了し、登録札を貰う。あとは依頼主であるヴォルフに、これを見せて臨時パーティーを結成すればいい。


「あとはヴォルくんどこいるだろうね? 一応の集合場所は……お昼に食堂かな」


 他にも受けられる依頼は無いか探してみるが、手頃なのはやはり瞬殺されてしまっている。


「次の人ー、オーケー、申請番号よし、ライセンスよし。05-1822の受付を完了!」


 05番台の依頼を誰か受けたようだ。1から3までは新人級だがそこから3刻みにブロンズ、シルバー、ゴールドと上がっていく。

 ブロンズを受けたと言うことは、もちろんブロンズ級以上のライセンス持ちとなり、同じ等級区分でも数値の高い依頼ほど危険度(リスク)報酬金(リワード)は上昇する。

 そんな掲示板を眺めていたら、見知った顔が同じように依頼を探していた。


「プリムか」

「あら、今日は早いのね。おはよう」

「おっはよープリムさん。本当は遅いからエルを叩き起こしたんだよ」

「ふふ、あなたは自分で起きれないのかしらね……」

「だが今日は俺の方が早いし」


 余計なお世話なプリムに負け惜しみをしてから反論するが、どこ吹く風に受け流される。

 命中精度が低いから次はしっかり言い返せるようにボキャブラリーを強化しなければならないな。


「そのようね。……あら、受けたのは03?」

「ああ、ヴォルフが臨時募集してたからな」

「それで受けたのね。……ふぅん、お人好しよね、あなたは」

「お人好しなだけじゃないぞ。これでも考えがあってだからな」

「ツンデレ……」


 別に俺のためだけでなくて、ただヴォルフを勧誘するための友誼を深めることでな……巡り巡って俺達のためと言うことだな!


「将来的な固定メンツ的な種まきさ。俺はシルバーで留まる気は無い」

「意外にも先のことまで考えてるようね。まあ、いいわ。けれど受けるのがいつまでもブロンズ級では先がありませんことよ」

「そうかもな。……プリムも一緒にどうだ?」

「まぁ、良いでしょう。元より単独で行く予定でしたし」


 単独で、と事も無げに言い放つがそれ相応の実力があるから出来る事だ。


「あなた達も一つ上なのですし、本来は単独でも可能なはずでしょう?」

「そうかもしれないが、次のシルバー級に向けて仲間探し兼ねてだよ」

「……仲間探し、ね。考えておきましょうか」

「これからも昇級のために頑張るとして、俺ら二人だけじゃキツイからな」

「まだまだ準備、全然だよー。認定用の依頼も受けてないし、教養試験も合格してないし」


 ブロンズ級は認定に教養と実技の試験に合格すれば良かった。しかしシルバー以上になると条件が複数追加される。

 ただ勉強や訓練以外に、実際に依頼をある程度の数を受けなければならない。実地演習(フィールドワーク)をキッチリやりなさいと言った所だろう。

 たまに剣も魔法も知識も兼ね備えた完璧超人がいるが、そうでもないと依頼に関しては分野が広すぎる。だからこそ他の仲間との協調性が大切だ。


「ヴォルフの依頼が終わったら少し稼ぎもしないとな」

「お財布の中が……うーん、寂しい! わたしも無駄遣いしないように気をつけないとなぁ……」

「貧すれば鈍するわよ。依頼を受けるのも稼ぐ事だけを目的にしてはいけないわね。だけどやりたい事をやるためにはお金が必要。……世知辛いわね」

「カネカネ言いたくは無いがやるだけの事はやるさ」

「まずは今日もがんばる! たぶん!」


 ここでたぶんと入れるあたり、フィユは意外と抜けてるところの証左だろうか。



「――で百二十年ほど前、皇暦1161年に傭兵団を使った大規模な内乱が起き、それによって冒険者ギルドではライセンスの厳格化を行った事件があり――」


 歴史と政治の授業は出来事とその状況ばかりを講義するため……


「……ぅぅん…………すぅ…………すぅ……」


 寝てる。

 だが周りを見ても、寝てる聴講生が多い。ツマラナイか? と言われたら退屈なのはしょうがない。

 過去の経験を学ぶことで未来に役立てるものの……淡々と出来事を語るばかりでは、見事な睡眠魔法へと昇華する。


「――だからこそ、王政と議会制の違いが生まれ、このアリーズでは議会は議員によって運営されるようになり――」

「冒険者ギルドの人間として、議員選出の選挙には必ず参加することが義務付けられ、同時に議員として提出される政策に個人個人が責任を持たなければならない――」


 政治と選挙の話なんか、昔はよくわからなかったものだが……今では市民の代表を吟味するのが冒険者の仕事の一つになっている。

 ただ手続きの説明が長い……フィユとかが寝落ちするのも分かるが、大切な事なのだから起こしてやるか。


「おい……フィユ、おい……起きろ……」


 肘でツンツンと揺するが、ううんと寝息を吐くばかり。


「――政治に不満を持つなら、まずは自ら率先せよと先人は言いました。だからこそ一市民として我々は政治を監視しなければならず――若者の政治への関心が薄れていると嘆く前に議員は、若者にも興味を持ってもらえる政策を提示し、自らの立候補をアピールしなければなりません。また議員の条件も金貨百枚の納税と貴族校か本校の卒業を経ていれば良いため、ここにいる学生諸君、君たちの中から立候補が出ることを私は期待している」


 長々と一息に話しきったあと、タイミングよく講義の終了を知らせる鐘が鳴り響く。


「おや、授業時間は終わりのようだ。では次の授業までに予習はしっかりとしておくこと、以上」

「それにしてもよく寝ている……おい、起きろ!」

「……むにゃ……すぅ……すぅ……スンスン……」


 くすぐったそうにもぞもぞと動くが起きる様子は無い。


「……これは実力行使か……」


 机に突っ伏して腕組みをし、枕にしている手をとって……ぐっと引っ張る。


「っ!? いった~……うぅぅ……あ、寝てた」


 支えを失い、机に頭突きをして目が覚めたようだ。


「いたた……っぅぅ~……エルはもうちょっと優しく……」

「ったく、起きろよ。全力で寝てたな」

「ああ! 寝ちゃってた……今日はがんばるつもりだったのに」

「まあいい。昼はヴォルフと打ち合わせがあるぞ。シャキッとしろよ」

「はぁ~い。しゃき! しゃき! ほら大丈夫!」


 胸を張って、右手を上げて下げて、左手を上げて下げて。体を伸ばして立ち上がる。


「寝てばっかじゃ次の教養試験、キツくなるぞ」

「そしたらエルにまた教えてもらうから大丈夫。ね?」


 頼られるのは嫌いじゃないが、今日は頑張ると意気込んでいたのは何だったのか。


「今日はよく集まってくれた。さて、まずはカードを出してくれ」

「これでいいな? ヴォルフ」

「ハッハッハ、ご挨拶はしないといけないからな! これも顔合わせの手続きだ」

「はい、わたしのも。けどこの人数で大丈夫?」

「それにしてもプリムまで来るとは思わなかったものよ。どういう風の吹き回しなんだい?」

「そうね、ただの気まぐれかそっちの熱気か。やるからにはわたくしも本気でやりますわよ」

「そりゃ頼もしい」


 俺の中での構想だが、理想に近い四人組が完成している。攻守のバランスが取れて、それぞれの得意分野でお互いを補えるメンバーだ。

 今回の任務は駆け出し四人組として活動するには丁度いいスタートになりそうで、バッチリ決めて次のシルバー昇級試験の仲間にできたらなと思ってる。


「自己紹介は不要ですし、さっさと本題に入りましょうか」

「ウム。今回の任務は新人級では最大難易度の水源の調査を行う」

「俺たちは討伐を主に行う感じか?」


 任務内容が書かれた紙を広げる。参加者はかなり多そうだ。

 任務内容は湧き水のクリスタルの状態確認、および周辺の魔物の討伐と多岐にわたる。

 確認作業に関しても、マナの滞りから生まれるスライムの除去に始まり、水の経路が詰まっていないか、水路の掃除など力仕事もある。

 しかし新人級で得られる報酬金としてはかなり高めに設定されているし、クリスタルの実物を眺められるので、いい経験になる。


「その方がわたくしとしてもやりやすいわね。……浄化魔法などは苦手ですし」

「わたしも苦手だなー。エルのほうがこういうのは得意だよね」

「一応出来るけどってくらいだ。どれくらい掛かるか分からないぞ」

「浄化については分かったが、討伐に関しても最近は魔物がよく出るそうだ。準備を怠るなよ」


 水辺ともなれば動物が集まり、その動物を狙う魔物が現れ、魔物が動物を狩り、血と淀んだマナがさらに魔物を呼び寄せる。

 だが水の確保は街の仕事でもあるし、人にも動物にも農業にも大切なものだ。


「何かの前触れかもな。それはそれでワクワクするけど」

「ハッハッハ。例えそうだとしてもワシらみたいな下っ端には関係無いだろうな!」

「そりゃ悲しいもんだぜ。仮に何かあっても、ミスリルだのオリハルコンだのと言った天上人(てんじょうびと)が出てくるだろうしな」


 天に挑むほどの一線を画する優れた人材ならまだしも、俺たち駆け出しには縁がない。


「わたくしは歴史的邂逅を果たすのは不幸だと思ってるわよ」

「そっか? 俺は立ち会いたいもんだな」

「楽観的、それがあなたらしいかもしれないわね」

「えー、でも楽しそうだし、そのほうが絶対いいよ!」

「はいはい。話がそれてしまったし、続けましょう」

「おう。ワシとしてはこの賞金を取りたいところだが、協力してくれるか?」


 大規模な任務ともなると、目標が設定されている事がある。今回はクリスタル付近での浄化作業が最高の報酬として記載されている。

 これは複数の冒険者が取り合う事になるのだが……交流の種にもなれば争いの元にもなる。


「ほれ、これだ。リーダーをやるからには、先に地図と下見は済ませてある」


 意外にリーダー業も考えてるようだ。人の取りまとめに、やることと目標の明確化、準備とやることは多い。

 俺自身、フィユとはコンビを組んでいるようなものだが、リーダー業をしているかと言えば、していない。

 下見が終わっていれば、当日の行軍が楽になる。今後の参考になるし、今のうちに穴が空くほど眺めておこう。


「へぇ~、こんなに細かく書いてあるんだ。獣道の近道まで書いてあるよ」

「……良いんじゃないかしら? ただ結構な強行軍になりそうね」

「そうだな、ちょっと険しい道程になりそうだ」


 目標を達成するには、あまり日の当たらない深い森を通過することになる。

 事前にしっかり決めておかないと迷ってしまって現場に行けないなんて事になりかねない。


「ワシも極力早めに登録したんだが、いい場所はもう取られていてな。他のところに所属するのも考えたが、技能的な話で条件が折り合いつかなくてな」

「技能的なってヴォルフはアナトリア出身だが……」


 港町であるアナトリアは水の虎狼種(ティグリス)が多く、水の技能が高めだと思ったが……


「生まれそうなんだがな……だがワシの得意系統は火でな」

「ある意味、見た目通りね。あなたらしいかも」

「良いなぁ……わたし、これが得意! ってのが無いんだよね」

「フィユは水と風が得意じゃないか?」

「得意ーってのはちょっと違うと思うんだよね。ただちょっとだけ使いやすいかなー程度だし」

「それを得意って言うんじゃないか……フィユはヒーラータイプのままで良いのか?」


 大別するにファイターとソーサラーと区切りはあるが、冒険者としてどの技能を一番にするか? というのは冒険者の命題だ。

 当然、一人で何でも出来るなら、それに越したことは無い。しかし一つの技能を一流にするだけでも血の滲むような努力と才能が必要だ。


「うん、だけど魔法全般そこそこ使えるし、どれをメインにするかはまだ未定。いまは経験を積んでわたしの資質を伸ばしていきたいなーってところだし」

「よく考えてるんだな。ワシなんか未だに得意技能は斧だぞ。……まあ戦士として訓練は積んでいるが」

「今度お手合わせ願いたいところね」

「構わんけどワシはそれなりに強いぞ」

「望む所よ。剣と斧、どちらが強いか試してあげましょう」

「ま、これで決める事は決めたし伝えることは伝えてある。明日はよろしく頼むぞ」

「ええ、頑張りましょう」

「火力なら任せておけよ。新しい魔法の試し打ちも兼ねて頑張るぜ」

「回復ならわたし! 多少の自衛ならなんとかできるよ」

「おーし、解散!」

「お疲れ様、じゃ明日はよろしく頼むぜ」


 まるで遠足に行く前日みたいだけど、普段と違って何人も集まってクエストに出発となれば、心沸き立つのも若さゆえの情熱、なんてね。

 しかも和気あいあいと話していても、皆一様に瞳の奥には自分が一番活躍するぞと燃えている。明日は楽しみになりそうだ。

 


 翌日、クエストの集合地点には既にプリムとヴォルフが待っていた。


「朝からだんだん暑くなってきたな……」

「あら、遅かった? おはようー」

「いえ、さっき来たばかりですわよ」

「よっ! これで全員だな。んじゃ出発するぜー」

「「おー!」」


 湧き水のクリスタルによって生み出された川の側を歩く。夏場の暑さも水の音色が涼しげに癒やしてくれる。

 また感じるマナに異常は無いが、奥地がどうなってるかはまだ分からない。


「強い水のマナだね……特に異常はなさそうだけど……」

「ええ、でも……遠くで戦闘をしている集団がいるわね」


 俺も遠くの方で、魔法によって消費されるマナの動きを僅かに感じる。散発的な戦闘だが、どうやら魔物が既に引き寄せられているようだ。

 

「……近くにもいるな。全員警戒態勢!」

「いるのか?」

「すぐそこじゃないが、近くにいるな。おそらくウォーベアだな、この足音は」

「っ!?」

「出たぞ!」


 “ウォーベア”と呼ばれる魔物の熊だ。幸い、それほど大型の個体ではないため、今の俺達で倒せない相手ではない。

 しかし強力な爪と威圧感は中型でも侮れない。前衛をヴォルフとプリム、後衛の俺とフィユが上手くやらなければならない相手だ。


「おうし! ワシが前に出る! 支援魔法頼む! プリムは横から攻撃だ!」


 先制攻撃と注意を引き寄せるために、一気に詰め寄って切り込む。俺とフィユは距離を取って武器を構え、詠唱を始める。

 役割を決めて動いてるのだ、迷いなく戦闘配置につく。


「マナよ、力の結晶となりて、その腕に抱かれし身を守り……慈愛の衣よ、凶刃を防ぎし鎧となれ! 祝福されし衣(ホーリーベール)!」


 マナの凝縮した光の盾が身を包む。たとえウォーベアの爪でも、そう簡単には貫かれる事は無く、持続時間こそそれほど長く無いがかなりのダメージを抑えることが出来る。


「うぉぉおおらああ! ワシに続けぃ!」

「行きますわよ! ハァ!」


 ヴォルフが相手の爪を弾いて体勢を崩し、横からプリムが斬りかかる。お互い実力者だからか、連携が上手い。

 前衛の二人にまかせて、新しい技能である書を用いた詠唱を用いない魔法を試してみる。


「3ページ!」


 魔書に新しく書き込んでおいた、突風を起こす魔法を起動する。


「グォウ!? ゥゥゥゥ……」


 ウォーベアが反撃に振りかぶった体勢に横から烈風を浴びせて、姿勢を崩すことに成功したものの、実戦じゃ本を片手になんて、大変だな……

 前に幻想図書館で手に入れた魔書を使ってみて思ったのが、使用条件である本を手に持たなければならない事が枷になる。

 詠唱を短縮したり、動き回りながら撃てるというメリットがあるが、やはり魔書の妖精と契約しなければ、そこまで凄まじい武器とはならない。


「時間を稼ぐ! プリム! フォロー頼むぜ!」

「ええ! 任されましたわ!」


 体勢を崩したものの、すぐに復帰して今度は大振りには動かず、ストレートよりもジャブを繰り出し牽制主体に動き始めるが……


「ッ……重たいわね……」


 そんな軽い牽制であってもウォーベアの攻撃は重たく、プリムはなんとか受け止めるが捌ききれずによろめいている。

 二人が支えられているうちに魔法の準備をしなければ……


「用意できたら言え! 準備が出来るまで支えるぞ、プリム!」

「この程度! 早めに頼むわよ!」


 ヴォルフが太い腕を振り回し、ウォーベアの爪を弾いて隙を作る。プリムが牽制を兼ねた斬撃で押し込めてはいるが……

 しかしダメージが残ってるのか徐々に押され始めていた。

 魔書を戻し、杖を両手で構えて詠唱を始める。


「おう! 月と星よ、マナの導きによりて磨かれ、その氷塊を刻め……マナよ、清らかなる風となりて、生命の息吹を再び……あぶねぇ!」

新人級(ノービスクラス)には辛い相手ね……! きゃっ!」


 詠唱している後衛組にターゲットを変えたのか、フィユに向かって腕を振るおうとしたが、とっさにプリムが壁となってフィユへ向かいそうになるのを防いだが、足場の悪い獣道では相手のほうが有利だ。

 しかし今までのダメージと無理な体勢からの迎撃でプリムが足を滑らせてしまった。

 さらに追撃で振りかぶった腕をヴォルフの斧で弾き、プリムへの攻撃を防いだが、前衛組が少しずつ消耗している。急がなければ……


「わわ……! 光の輪よ! フラッシュ!」


 慌てたフィユが相手に強い閃光を放つ魔法を放つ。相手めがけて強烈な光を浴びせ、ひるませるものの……


「がああぁぁ!」


 目眩ましのおかげで紙一重に直撃は避けれたようだが、下手な攻撃で前衛よりもフィユを狙ってきた。

 これは視界が回復する前に畳み掛けるか、注意を引き付けなければ……


「どこ見てんだ! コッチだ!」


 ヴォルフが背を向けてるウォーベアに袈裟斬りと横薙ぎを打ち込む。そこそこ効いている! このまま押しこむべきだ。


「すべてを撃ちぬく氷天の矢となり……」


 マナによって急速に冷やされた空気から、氷の矢を作り出す。


「穿け! 氷天の槍(アイススピア)!」


 鋭い氷の矢がウォーベアの胸板に氷の矢突き刺さり、その巨体を揺らす。


「ウウォォォオオオォォ……」


 だがまだ倒れない!


「うおおぉぉ!」

「今だ! 続け!」

「終わりよ! 戦技・空裂剣(エアスライサー)!」

「これで終わりだ! 炸裂する氷(ブラストアイス)!」


 突き刺さったままの氷の矢を炸裂させる第二の追撃魔法を唱える。そこにプリムの放った風を纏う凄まじい突きが深々と突き刺さる。


「グアアアァァァ……」


 ドンとその巨体がついに地に伏せる。


「……倒せたか」


 氷の矢と複数の斬撃で、ようやく襲ってきたウォーベアを倒せた。


「ふぅ……びっくりした。あ、怪我とか大丈夫?」

「すぐに気を抜かない……周りは、大丈夫なようね」

「回復頼む、防いでいても結構キクぜ……」

「まかせて! マナよ、清らかなる風となりて、生命の息吹を再び……失いし力を癒やす、祝福の息吹よ! ヒール!」


 粒子のように輝く粒が、傷口に降り注ぎ……切り傷の出血を止め、擦れて赤くなっていた肌を癒やす。

 魔法での回復は治癒力を活性化させて無理やりくっ付けるようなものだが、応急処置としては十分だろう。


「サンキュー、助かったぜ……だけど、その、まあ、うん」

「! 男どもは後ろ向きなさい!」


 プリムの鋭い叱責で気がついた。

 さっきのウォーベアの攻撃が掠ったせいでローブの肩から脇腹にかけて、切り裂かれている。

 ……そのせいで、盛大に胸がこぼれ出てる。


「おい、フィユ。……その、な。服、破けてるぞ」

「え? ……ひゃあ!」


 控えめな胸に小さな山が見えていたのを慌てて隠す。


「かわいいアップリケは無いけれど、補修用のくらいのはあるわよ」

「お、おねがいします!」


 簡易修理に、フィユとプリムが木陰でちくちくと作業をしている。


「……よし、警戒だ。周囲に敵影は……無い、な」

「ああ、無いな。しかしいいなー、お前らは。ワシは見れんかったぞ。イテェ!」


 ヴォルフが茶化すように発言をすると……木陰から杖が飛んできた。


「もー! 聞こえてるんだからね!」

「いてて……スマンスマン。気を取り直して……状況はどうだ?」

「俺の魔力はまだまだ余裕だ」


 俺が火力担当として動くのだ、どれくらい撃てるかは大切な情報だ。

 ヴォルフ達前衛と意思疎通をしておかなければならない。

 しかし目的は調査であって討伐任務ではないから、避けられる戦いは避けて消耗を抑えていかなければ……

 討伐任務でもあるから、遭遇したらできるだけ倒しておきたい。しかしマナや体力が無ければ危険だ。


「こんな離れた場所にも出るなら、現地は多そうだな」

「だな。クリスタル付近は恐らく数が居るだろう」

「おまたせ。……さっきのは忘れてよね」


 破けた部分に補修用の布を縫い合わせ、もう破損は目立たない。


「裂け目を繋いだだけですし、戻ったら買い換えるかしないといけませんわね」

「また出費が増えそうー、うー、気をつけないと」

「まあ良いってことよ」


 眼福、なんてね。


「あとフィユ、慌てて光の輪(フラッシュ)は打たなくてもいいぞ」

「使っちゃまずかった?」


 先ほどの戦闘での行動を振り返る。

 確かに目眩ましをするのは良いが、あれだけ強烈に攻撃してしまうと、相手から非常に狙われやすい。

 連携としての意思疎通が不十分だと前衛組の二人の動きに乱れを生む原因になってしまう。


「んー、魔力消費考えたら、極力俺が担当した方がいいからな。それにサポートはありがたいが、あれだけ目立つと敵を引き寄せてしまう」


 だからこそ前衛と火力担当の俺が極力、敵をコントロールをするべきで、フィユにはヒーラーとして後ろにいて、余計な魔法は使わせない方がいい。

 ……まあ即席連携で、まだ上手くはいかないが。


「さて、休憩はこの辺にして出発するぞ」

「「おーっす!」」



「静かだねー、先越されちゃったかな?」

「だがまだ魔物が残ってるな……警戒体勢!」


 湧き水のクリスタルがこんこんと湧き水を湛える所まで来た。特にマナの淀みもなく、既に誰かが浄化を済ませたようだ。

 よく耳を澄ませば、水面を跳ねるようにザブザブと音がする。なにか巨大なものが飛び跳ねてるような感じだ。


「人じゃないな……水場だと、もしかしてギガントードか」


 ギガントード。水場に現れる巨大なカエルの魔物で、その大きさは人よりも大きい。


「わたし、このカエル苦手……」

「苦手は良いとして、一匹だけか! 注意しろ!」

「おう! プリム、行くぞ!」

「ぅ……しょうがないわね……」


 女性二人組が少し嫌そうにするが、討伐任務なのでそうも言ってられず、武器を振りかぶり、ギガントードと対峙する。


「ゲコッ、ゲコゲコッ」

「だけど新しく修得したこの氷の魔法でイチコロだ……」


 威嚇音を発しながら近寄ってくる。長い舌と個体によっては毒液を放ってくるから注意が必要だ。


「月と星よ、マナの導きによりて磨かれ、その氷塊を刻め……」

「! キャッ……!」


 飛び跳ねたかと思ったら、衝撃で粘液が飛び散る。


「ゲコッ! ゲゲコ!」

「これだから、カエルは嫌ですのに……」


 飛び散る粘液を嫌そうな顔をしながら、フェイントをかけつつ右に左にとステップを踏んで回避する。


「どっせい!」

「ゲゲコ! ゲコー!」


 ヌメリで滑るものの、それなりにダメージを与え、怯ませる。


「戦神の導く光の如き、一陣の氷刃となれ!」

「すべてを撃ちぬく氷天の矢となり、穿け! アイススピア!」


 鋭い氷の矢は狙い違わずギガントードに突き刺さり、力なく倒れて水の中に崩れるギガントード。


「ほう、意外に大物が取れたな」

「ああ、これだけ大きい個体ならいい素材になるな」


 ギガントードと呼ばれるカエルの皮は、ヌメリを落として鞣した後は、強力な撥水性から水泳具や河川や海で使う道具に最適な性能を持つ。

 また肘当てや関節部を覆うのにも、その伸縮性のおかげで肌触りも良く、伸びない皮素材を使ってしまうと肌が擦れやすい。


「よし、もう魔物もいなそうだな……調査(インスペクト)頼むぜ」

「よしきた。じゃあ暫く周囲の警戒を頼むぜ」

「それじゃわたくしはあっちに」

「おう、ワシはこっちだ」


 二人が別々の方向の警戒に当たる。何かまた出る前に、ささっと調査をしよう。


「えーっと、あれとこれ。準備できたよ」


 ごそごそとかばんから触媒と魔法陣の書かれた紙を取り出し、サンプルを調査してみるが……毒の気配、無し。魔物の血、無し。マナの循環、詰まり無し。

 特に問題も見つからず、綺麗な水が流れてるようだ。調査も終了し、流れてる水を掬ってみると冷たくて気持ちよく、一口飲んでみる。


「ふぅ、乾いた喉に染み渡るな」

「ん……ひんやりしてて美味しいね。あ、エルも使う?」


 フィユから濡れたタオルを受け取り、ごしごしと火照った顔を拭く。冷たくて気持ちいい。


「おーい、終わったかー!」

「ああ、問題無かったぞー! 正常だ!」

「よし、あとは一欠片を証拠に持ち帰ってと……それじゃ帰るぞ、家に戻るまでがパーティーだからな」

「「おー」」


 合同調査だから、一番報酬の高い目標を達成したかったが、今回は未達、また次回があったら頑張ろう。

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