魔法学校の村人
エーレの武器の発注が何事も無く終わった。店を出ようとするが、店主に止められた。
「お前が持っているのは魔剣か。それを見ていると鍛冶屋の間で噂になったおとぎ話を思い出すな。まっ聞いて行ってくれ」
店主は椅子と茶を出し、グラディールとエーレを座らせた。
「この話はな、この争いが始まって半年かそこらが経過した時に起こった事なんだ。腕っぷしの人間と魔族の鍛冶屋が互いの武器を称賛し、技術を教えあったんだ。そのうち、互いに心が惹かれあい、一緒に双刀を作っていたんだ。だが、完成と同時に二人が付き合っている事が魔王軍と周辺国にバレてな。二人は死んじまったんだよ。しかし、二人の作った双刀が見つからねぇんだよ。これがまた謎でさぁ、噂では魔族と人間の和平を望むものだけにしか得られないって言われたりもしてるんだぜ」
「お伽話の様だな。では、我々は目的があるから行かせてもらうぞ」
グラディール達は店を後にした。
人と魔族との共存か、以前は人間を劣等種だと部下に教え込み、傀儡の様な事をさせていたが、二度とこのような争いが起こらぬようにするのも骨はいくらか折れるが楽しめそうだな。
グラディールの目標が人類殲滅から人類との共存へと切り替わった。
となると、第一目標は賢者を仲間に加えなければならないな。その為にも、魔法学校に行くのも悪くないな。鈍りに鈍った魔法を全盛期と同じように使えるようにしないとな。
仲間と合流をした後に、グラディールは新たなる移動手段を模索していた。馬と言う便利な移動方法を発見したにも関わらず、彼はさらに楽な方法で移動しようと考えていたのである。
繁華街の街を歩いていると、多くの馬車が通り過ぎるのを、サタンを引き連れて歩いていると脳裏である出来事が掘り返された。
その出来事は初めて馬車に乗ったときである。かなり楽で、軽い振動が眠気を誘い、疲労感もあまりない。その事をグラディールは思い出した。
「馬車を買おう」
「唐突だな。まぁ、長旅が続くしあたしとしては歓迎するけど」
「いいですね。今までペンドラゴンさんとフェイルさんは歩きでしたし、いいんじゃないですか」
「俺もそれには賛成します」
「では、馬の追加購入と馬車の購入だな。資金はまだまだあるからな」
茶色の馬の購入を済ませ、名前はデビルと名付けられ、馬車の購入も素早く済ませた。今後のメンバー加入を考慮し、馬車は八人乗りを購入した。
馬車の購入を済ませた時には日は既にくれており、グラディールたちは昨夜と同じ宿屋で昨夜と同じように宿泊した。
翌朝全員を叩き起こし、朝食を取り、余った金貨を兵士に押し付け、すぐさま馬車に乗り込み出発した。その際、誰が馬車の運転をするか話になり、グラディールがする事となった。
朝日が顔を出し始めた頃に街を出発し、早数日が経過した。近場に水があれば、布を濡らし、体を拭き、休憩をして、移動を続けた。
食料は予想を上回る速度で消費され、現在の食糧は完全になくなっていた。
昼になり、グラディールのお腹がすき始めた頃に休憩に入った。
「食料も尽きたし、狩でもしに行くか」
「そうですね」
「そうだな」
「じゃぁ、みんな頑張ってねー」
「お前も行くんだよ」
ペンドラゴンが馬車から引きずり降ろされ、武器を持たされる。幻影を解除しそれぞれが元通りの姿になる。
「ねぇエーレ今から私と勝負しない?優劣をはっきりさせておかないと今のうちにね。魔王軍の幹部席は私の物よ」
エーレは困った顔でグラディールを見つめる。それに気づいたグラディールは勝手にやれと言わんばかりに手を払う。
「じゃあ始めましょう」
ペンドラゴンは槍をエーレに向けて戦闘態勢を取る。エーレも同様に手を地面に付けて姿勢を低くし、戦闘態勢に入る。その間にグラディールたちは食糧の調達に向かった。
先手を取ったのはペンドラゴンだった。目にも止まらぬ速さで槍を突き出したが、それは空を突き刺しただけだった。
周辺をすぐさま確認するが見当たらない。代わりに葉と葉が擦れる音が次から次へと彼女の耳へと入った。
葉の擦れる音が無くなると、ペンドラゴンの緊張はさらに高まった。周りをせわしなく見回り続ける。息を潜めたエーレはペンドラゴンの首を狙っていた。
刹那、ペンドラゴンの死角にあった木からエーレが飛び出し、首元を狙う。それに反応しようとしたペンドラゴンの間にグラディールが現れた。
「お前らそこまで・・・」
エーレは瞬時に爪を収納し、その拳がグラディールの顔に命中した。
グラディールは数メートル吹き飛び、木に打ち付けられた。骨が数本以上持っていかれたが、それを直ぐに莫大な魔量を浪費して再生させた。
「お前らそこに座れ」
彼女らはすぐさまグラディールの前で正座した。その後、説教をされて食料の確保にも失敗したことを伝えた。
「お前らが殺気を放つから周辺の動物が全てどこかに行ってしまったじゃないか。特にエーレ。君はペンドラゴンを殺す気か?あの攻撃を爪ありで食らったらいくらペンドラゴンとて致命傷となるぞ」
「「ごめんなさい」」
その後、グラディールたちは周辺の木の実を収集したのち、再度移動を再開した。
お久しぶりなのです。クソ雑魚ナメクジのまきゆづなのです。動画投稿もニコニコではじめ、生放送を始めようかめちゃくちゃ悩んでいる最中です。
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