表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/18

警備

 グラディールは自分が返そうとした金貨を受け取り、宿屋に帰った。そして、このことを話すためにペンドラゴンたちのいる部屋に入ろうとしていた。

「入るぞ」

 二人はまだ寝たままだった。ペンドラゴンはエーレに抱きついて気持ちよさそうに寝ている。逆に抱き疲れているエーレは少し辛そうだった。

「二人とも起きろ」

 グラディールは二人の頭を軽く叩き起こす。二人は目をこすりながらグラディールに目を向けた。

「明日我らが王国の魔法学校に入学することになった」

「「どうして!?」」

「ここの王からの依頼だ。我らは冒険者だ。依頼されれば行うのは当然だろ?明日の日の出に出発するぞ。今日は全員で買い物に行くぞ。食堂で先に待っている」

 グラディールは二人の返事を聞く前に部屋を出て、自分たちの部屋に戻りフェイルを起こしペンドラゴンたちと同じ事を伝えた。

 三分後に全員が揃った。この三分の間にグラディールは宿屋に今日も泊まると告げ支払いを済ませ、食堂で紅茶を嗜んでいた。そして、全員で食事を済ませると一番最初に向かったのは洋服店だった。

「見てみて!これ可愛くない!?」

 ペンドラゴンがふりふりの着いた赤と青のミニスカドレスをみんなに見せる。グラディールたちはこれといった興味は無く、自分の体のサイズに合う服をテキトウに購入していた。唯一興味を示していたのがエーレだけだった。

 その後もエーレたちは自分たちに合うかわいい服を購入していき、グラディールたちも主に黒と白を用いた服を購入。店をでて、次に向かった先は商店街だった。

「干し肉かー。まぁ私達は生肉だけでも生活できるけど、、確かに人前だと無理だからねうん」

 干し肉と保存性のいいパンを十日分購入し、気がつくと太陽はグラディールたちの真上に移動していた。そして、誰かの腹から音が鳴る。

「、、、そろそろ昼飯にするか」

 グラディールの腹の魔物が暴走する前に近場の飲食店に早急に入店する。腹に貯まるステーキ400gを二切れを一瞬で食してしまう。これには魔族二人も驚愕していた。しかし、獣人であるエーレもそれと同等の量を食した。

 一通りの買い物が済んだグラディールらは荷物を一度宿屋に置き、グラディール以外に金貨を二枚所持し自由行動となった。

 エーレは何もすることは無く、グラディールの後ろについていた。グラディールもこれといったやるこがなく、ただ街の治安維持を憲兵の代わりにやることぐらいしか考えが無かった。

 商店街から武器街に移動する際にエーレは何者かに腕を引っ張られ人気の少ない所にやってきた。大勢の人がいる前で力を使いたくないエーレは人気の少ない場所に連れて越させられて逆に力を発揮しやすいと思った。

「ちょっと付き合ってもらおうか」

 気がつくとエーレの腕を握っていた男の顔が吹っ飛び、壁に当たり、周辺に血やジェル状の何かが散らばり、男性の首の部分にはグラディールの手刀があった。

「我の仲間に手を出したのが間違いだったな。大丈夫かエーレ?」

 グラディールはエーレの方に向き直り話しかける。エーレは頷き、再度歩き始めたグラディールの後を追い始めた。

「魔王様は何所に向かってるんですか?」

「特にこれといって向かう場所は無いが。そうだな。武器を買いに行くとしようじゃないかエーレ。我には既に武器を持っているがエーレは持っていないだろう?素手で戦うのは勝手だが、金属の様に硬い敵が現れたらどうしようもないだろう?今から買いに行くぞ」

 エーレは頷き、武器街に向かって歩き出したグラディールの後ろについていく。そして、一つの店に入っていった。その店の看板にはガントレット専門店と書かれていた。

「いらっしゃい。うちは完全オーダーメイドだ。ガントレットを求めているのは譲ちゃんだな。ちょっと測らせてくれ」

「あの、私」

 グラディールがエーレの口を押さえた。そして、唇に人差し指を当てて、その後俺に任せろと言わんばかりに親指を立てた。

「爺さん、彼女は一般人ではないのだ」

「獣人族か。構わんよ金さえ払ってくれれば。じゃあちょっと待ってろ」

 店主がカーテンを閉め、周りから店内の様子が見れないようにするとメジャーのような測りを持ってきた。

「じゃあ、腕だけ本来の姿に戻してくれ」

 エーレは店主の言うとおりに腕だけ本来の姿に戻した。すると店主が素早く両腕の計測を終え、メモをする。

「性能はどれくらいがいい?」

「そうだな。今は黒曜石を砕けるぐらいが良いな。金はこれで足りるか?」

 グラディールは袋につまった金貨を店主に見せる。それを見た店主は驚きを隠せなかった。

「あ、ああ。足りる。十分なくらい足りる。製作期間はおおよそ5ヶ月くらいだ。その間ここに滞在するのか?」

「いや、恐らくだが内地の魔法学校にいると思う。製造費と輸送料もそこから取っていってくれ」

 店主は間違いが無いように一枚一枚丁寧に数えた。全て数え終わるとグラディールに向き直った。

「製造は明日から始める。金もしっかりともらったし、ぜってぇ満足できる品を送ってやるぜ」

最近の生活。休日がニートのような生活を送り始めた。戦略ゲームが楽しすぎる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ