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逃亡

 グラディールとその仲間たちは内地へと足を運んでいた。グラディールとエーレは同じ馬に乗り、ペンドラゴンとフェイルは歩いていた。

「ねぇグラディール。あの時使った魔法って何なの?」

 ペンドラゴンがフェイル救出の時に使ったシュタイガーン・ブリッツについて問いかけた。

「あの魔法は俺のオリジナルだ。だがな、欠点もあるのだよ。あの撃ちあがった光の玉を壊されたら何も出来なくなる。あれともう一つ種類があるが、今度だな」

 ペンドラゴンは歩きながら考えていた。もう一つのグラディールのオリジナル魔法を。拡散の次は収束なのだろうかと使うシチュエーションを想像しながら歩いた。

 歩いていると次第に時間が経ち夜となった。暗くなったと同時にグラディールディテールが見えてきた。ペンドラゴンとフェイルに闇魔法の幻影を使い、角や尻尾を隠した。

「見えなくなったとはいえ、存在してるから気を付けろよ」

「「了解です」」

 夜になった今も、入国管理所は稼働していた。最後列に並び、自分らに番が回って来るまで待っていると、前列からざわめきが聞こえていた。

「何でだよ!俺は冒険者登録しているぞ!無償で通せよ!」

「冒険者である期限が切れているため入国税を払ってください」

 前で騒ぎが起こっている中、グラディールらはクロコダイルの肉を火魔法で焼いて食らいついていた。

「俺は、フランターニャ王国の王子だぞ!」

 男は懐から家紋と思われる物を取り出し、入国管理者に見せ付けた。しかし、入国管理者は家紋を見ても怖気づかなかった。

「アポイントメントは取っているんですか?それ以前に、アポイントメントを取っていたら連絡が入っているはずですから、親のコネが何所でも使えるなんて考えないでください。それと、王子ならはやく入国税を払ってくださいよ後ろがつっかえているんですよ、この列を終わらせないと、こちらは仕事が終わらないので」

 そう言って入国管理者は王子と名乗る男を列から退かして、次の人の対応を行っていた。夜は大抵が冒険者らなので直ぐにグラディールたちの出番がやってきた。

「あっ、グラディールさんですよね。この人達はお連れですか?」

「あぁ、そうだ。入国税なら」

 そう言ってグラディールは三人分の入国税を払おうとするが入国管理者はそれを受け取ろうとはしなかった、逆に豪邸が建てれると思われるほどのお金を渡そうとしてきた。

「皇帝から、グラディールさんに渡せと言われたので。もし、渡せなかったら私をクビにすると仰っていたので、なにとぞ受け取ってください。要らない場合は皇帝の住んでいる王宮まで足をお運びください」

 グラディールはその大金を受け取り、街へ入ろうとするがまたあの男が叫び始めた。

「どういうことだ!なぜあいつは金をもらって入国する!賄賂か!」

「いいえ、あの人は我らの皇帝の娘を助けたものです。ですので当然のことかと思われますが?」

 男はクソ!っと言った後にどこかへと姿を消した。そして、グラディールたちは宿に宿泊しようとしていた。

「四部屋用意できますか?」

「すいません。現在は二部屋しか空いていません」

「ならそれでいい」

 グラディールはパパッとサインをし、部屋を二つ取った。そして、エーレとペンドラゴンペア、グラディールとフェイルペアで宿に泊まった。

 部屋内にはベットが二つと机、椅子が置いてあった。先ほど受け取った大金を部屋の隅に放置し、今日は睡眠をとった。

 そして翌朝、鳥の鳴き声でまた目覚めた。目をこすり周囲を見渡す。部屋の隅には昨日受け取った大金が置いてあった。

 これほどの大金は要らぬな。我らは内地に急速に後退するしかないからな。重りは捨てていく。

 朝六時頃にグラディールは一人城内へと向かった。

 日がまだ完全に昇っていない時間に城内へ入ろうとすると憲兵に止められた。だが、事情を説明しグラディールと名乗ると直ぐに城内へと案内された。

 場内は凝った内装などは無く、ただこじんまりとした照明具が等間隔に廊下に配置されていた。

 何事もなく進んでいると、憲兵がドアの前で足を止め、それに続き歩むのをやめた。憲兵がドアをノックすると入れっと声が聞こえた。

「失礼します。以前皇帝の娘様が帰宅している際に盗賊に襲われたところを救ったグラディール様をお連れしました」

「おぉ、君がグラディール君か話は聞いているよ。大金を返しに来たのだろう?長旅になると多くの金貨は必要ではないだろう。娘の護衛から聞いた話、君は魔法を主に使って戦うのだろう。娘が通っているのは王国の魔法学校なのだが、要件を言ってしまえば護衛を頼みたい。最近の盗賊は国の依頼を受けて襲う集団も多くてな、少数精鋭の部隊で護衛したいのだ。もちろん魔法学校の入学付きだ」

 面倒ごとが増えるような事を憂鬱に思う目で皇帝を眺めていると、君達の欲するものはなるべく手配するっと言った。

「その任務受けよう。では、まず最初にだが、馬車と馬が欲しい。それと、仲間の武器、服装も新調したい。それと、世界情勢もなるべく詳細に知りたい。それと、定期的に資金的援助も求める。以上の事が満たされない場合、任務は放棄させてもらう」

「良かろう。世界情勢は毎日送りつける。資金援助は月が満ちる日に送ろう。最後に武器などの新調に掛かる費用だが、君の持ってきた袋に入っているお金を使ってくれ。不要になったら近くの兵士にでも渡しておいてくれ。出発は翌日中に頼む。最後にだが、娘を助けてくれた礼をしたいのだが、何が欲しい?」

「ここを拠点として利用したいから家が欲しいな。なるべく目立たないような家で頼む」

まきゆづだよ?そう、我らがライヒのために!グラディールは王国へと向かう事となる。道中の安全は確保できるのだろうか。

 

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