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崩壊

 丘から姿を現したのはオーがの軍勢とその指揮官と思われる魔族が一名確認できた。

 冒険者と防衛隊は陣形αを保ちつつゆっくりと丘の方に陣形を傾けた。しかし、それは囮だった。グラディールは沿岸部から急速に接近する魔力反応を捉えた。

新生魔王軍の再建を試みるグラディールにとって幹部らしき魔族ら二人が現れるのは好都合だった。

防衛隊は未だ正面の魔物らが囮だと気づかぬまま、戦闘に突入した。グラディールは沿岸部から急速に接近してくる何かに気を配った。

「はぁーい。貧弱な人類のみなさーん」

 水中から現れたのは人型女性の頭に立派な角を生やし、C級以下の冒険者が当たったら死にそうな尻尾をもっち、不明な物質が紐のように巻きついた歪な形をした槍を持った未確認生命体だった。

 彼女は一瞬にして敵後方にて一列になり丘から迫り来る魔物の指揮官を集中砲火するため、魔法詠唱に入っていた手前に居た魔法使いを槍に突き刺し、彼女の持っていた槍の先端がパイルバンカーの様に伸び、他の魔法使いも串刺しにした。

 彼女に気づいた冒険者と防衛隊は背後から強襲するが、彼女が振り返る時に尻尾に当たり、尻尾の突起に命中し軽装備の冒険者の体には穴が出来た。

 グラディールは人類に加勢する訳でもなく獣人族の少女と傍観していた。

 手際が良いな。丘のオークらが囮か。彼女の奇襲が更なる囮で本命は。

 グラディールは丘に居るオークの軍勢を眺めると魔族の者がオーガを両手で持ち上げ城内に向かって投げ飛ばした。その後更に、オーク、ゴブリンを次々と投げ飛ばした。

「ちぃ!各隊半数の者を城内に戻せ!そこの見ているお前も手伝え!」

 防衛隊隊長がグラディールを指さし城内の殲滅に加われと言う。人間に加勢したところで一切の利益が無いグラディールは城内に入ることだけは行ったがオークの殲滅には加わらなかった。

 ものの数分もしないうちに前線は崩壊し、城門は投げられたライヒオーガによって破壊されそこから彼女が侵入し、少数しか居なかった防衛隊が殲滅された。

 それと同時に、王城から一人の冒険者が窓から飛び降り現れた。大剣を背中に携え、綺麗に地面に着地をし戦闘態勢に入った。

「あらぁ、素手で私に勝てるとでっも思っているのかしら?」

 槍を右手で持ち、左手には騎士が持っていた剣を持ち冒険者に吶喊した。

 冒険者は彼女の連撃を手刀で防いだ。しかし、反撃をすることは無く、馬に乗っているグラディールを発見した。

 冒険者は彼女の重い一撃を受け流し、地面に突き刺さったのを確認すると、グラディールに攻撃を行った。しかし、グラディールは人間になっても前世は魔王。冒険者の拳を掴むと握りつぶした。

 そして、魔剣によってその冒険者は絶命した。血を払い、鞘に戻している最中に彼女に襲われた。

 刹那、気絶していたのは彼女のほうだった。口から泡を吹き出し、膝から崩れ落ちた。グラディールは彼女に魔力を込めた猫だましをしただけだった。

 魔力飽和で気絶か。昔のゴブリンらでも意図せずに魔力生成又は急な魔力吸収が起こった場合で魔力飽和が起こらぬように魔力放出を体に染み込ませておいたが、こちらでも教育が必要だな。

 グラディールは彼女が再び目を覚まして暴れないようにロープで尻尾と体を結び担ぎ上げた。

 裏門から脱出を試みるも裏手には先ほどのオーガの軍勢らを束ねていた指揮官が行くてを塞いでいた。

「生き残りか、お前が担いでいる者を置いていけ。そうすれば見逃してやらんことも無いぞ」

「俺は生きなければならないのだが、だが断る!我ら新生魔王軍は貴様らの様に劣った軍を作るつもりは無い!」

「貴様ァ!魔王様を侮辱するつもりか!」

 グラディールは裏門からの撤退をあきらめ、正門からの撤退を行うために馬を走らせた。正門は既に崩壊しており、橋も破壊されていた。

 グラディールは馬を止める気は無く、そのまま飛んだ。馬に数秒間だけ浮遊魔法を掛け、無事に着地を済ませ、そのまま颯爽と後方に撤退を行った。

 荒野を走っているとシュルペンスト騎士と書かれたシュルシュトスの部隊と思われる騎士団とすれ違った。その戦列は途方も無く長く、古都の大規模攻勢部隊と推測が立てれた。

 次の前線と考えられる魔法主義国家ベルスコーを通り過ぎ数日掛けて帝政グラニューディテールに引き返したグラディール。何度か目覚める彼女。獣人の子にはフードを被せ耳を隠した

「放せ!この劣等種め!貴様には屈服しないぞ!」

 グラディールは嘆く彼女を再度魔量飽和で泡を吹かせた。

 冒険者ギルドでフェデリコクロコダイルの捕獲クエストを受注し、檻と馬を借りた。

 愛馬とレンタル馬で檻を湖まで運び中に彼女を入れ、魔力吸収で意識を取り戻させた。

「あんた早く出しなさいよ!えっ?この汚い湖にこの美しい私を入れないよね?えっ?」

 グラディールはフェデリコクロコダイルがはびこる湖に彼女を投げ入れると以後は助けを求めるまでは放置した。

「名前をまだ聞いていなかったな」

 グラディールは荒野で拾った獣人族の少女に話しかけた。

「私の名前はエーデルシュタインだったと思う」

「どういうことだ?なぜ自分の名前に確信が持てない?」

 エーデルシュタインは深く考え込んだ。答えが出ないとき、グラディールが口を開いた。

「なら、我が名を授けよう。エーレだ。君は今日からエーレだ」

 エーレは自分の名前を何回か復唱した後に、エーレはグラディールを向いた。

「よろしくお願いします(あるじ)

「主はよせ、魔王と呼べ」

「はい!魔王様!」

 それと同時に新生魔王軍諜報大臣が姿を現した。そして、一つの紙をグラディールに渡した。

「魔王軍幹部が捕獲されました、シュルシュトスにて。彼はオークやゴブリン、オーガの軍勢を取りまとめていたカイザーライヒオーガ通称ルイスは現在魔法主義国家の最下層の牢獄にて収容されています」

久方ぶりの投稿で語彙力の低下が見込める本稿。だがしかし、語彙力は自然と高くなっていくものだから問題は無いね

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