新たな仲間の諜報部
グラディールは騎士団と共に長く続いている入国管理の列を裏から通り抜けグラニューディテールに入国を果たした。その後、移動している馬車から飛び降り、騎士たちの目の前から姿を消した。
グラディールは街の中から微かに感じる魔族の魔力をたどり、裏路地へと入り込んだ。そして、魔力の終着点で会話している五人の人間が居た。
「お前たちは魔族だろう?」
「何のことだか、、、そう言うお前こそ魔族じゃないのか?」
「ふっふっふ、面白い事を言いよる。生きるか死ぬか、どちらが賢明か分かるだろう?」
グラディールは魔族と思われる人間たちの前でシャドーボールを生成した。そして、それを握りつぶす。
しかし、グラディールの期待していた言葉は来る事が無く、魔族らは顔を見合せると同時に襲ってきた。しかし、グラディールの体術により全てが無力化された。
「どうだ?魔王グラディールの仲間になろうとは思わないか?」
「嫌だね、我らは魔王フェルシュティアスト様に忠誠を誓う者。決して魔王様を裏切ろうとは思わんぞ」
「仕方ない。ならば殺すしかない」
グラディールは一人、一人殺していくと、最後の一人が仲間になる事を宣言した。その者はグラディール新生魔王軍諜報大臣に任命された。
この街の情報を全て聞くと、この街は中央に城があり、グラディールが入って来た裏口を手前に、商店街、城を越えた奥に武器屋、右側に住宅街、左側に兵舎など。住宅街は城の近くは貴族が住んでおり真ん中に一般人、壁際となると貧乏人が多いとの事。冒険者ギルドは商店街にある。
その後、その魔族と別れ冒険者ギルドに向かった。しかし、道中に国内全体にグラディールに城内に来て欲しいなどのアナウンスが流れた。
しかし、グラディールは行かなかった。何故なら、彼の名はアレックスだからだ。更に言うと呼ばれてもそもそも行こうとも思わないからだ。
冒険者ギルドで魔物討伐クエストを確認している最中に先ほどの騎士が現れた。そして、迷いなくグラディールに近づき、話しかけた。
「グラディールさんですよね?」
「えっ?俺はアレックスって言うんですけど、、、それは俺の兄ですよ」
グラディールは自分の居場所をテキトウに教えて、汚染された湖に出現した魔物の討伐クエストを受諾し、目標地点までは馬をレンタルし向かった。
自分の足で走らずに感じる風はとても気分がよく、前世のグラディールは浮遊魔法を用いて移動していたため少しの疲労感があったが、馬に乗る事によって自分への疲労感は特になく、素晴らしかった。
目標地点に到着したグラディールは馬を木の近くに止め、縄で逃げないように馬の首を木にゆるくだが結んだ。
汚染された湖の近くまで行き、魔力を心臓に集中させると周辺の石ころが浮遊し、それらの間で電撃が走る。そして、グラディールが天に手を突きだした。
「我の名の下に魔剣ルシフィエルよ降臨せよ!」
空が黒く光り、一つの剣がグラディールの目の前に落下した。その剣こそがグラディールの愛剣であり、前世での勇者との決戦で一回の鍔迫り合いで折られた魔剣である。
地面に突き刺さったルシフィエルを引き抜き、真っ直ぐ構える。そして、湖から出てきた魔物を一瞬にして駆逐した。そして、名も知らぬ魔物を馬のところまで運び、馬が逃げぬように使っていた縄でひとまとめにして担ぎ、馬を連れ歩いて帰った。
「クエスト達成です。これが今回の報酬です。そのフェデリコクロコダイルは向こうの解体屋で解体して売却もできるので」
報酬を受け取ってギルド内の解体屋に向かった。解体屋の台にフェデリコクロコダイルを10匹置いた。
「これを解体すればいいんだな?解体したものは全て買い取っていいんだな?」
「いや、素材だけ買い取ってくれ。肉は私が食べるので」
「了解した。明日またここに来てくれ。その頃には解体も終わっているだろう」
グラディールは番号が書いてある板を貰い、宿屋を探し始めた。そう、人間の体は魔族と違いとても面倒くさいのだ。睡眠を必ず取らなければ過労で倒れる。寝すぎても筋肉の衰退が起こる。食事を取らねば力が出ない。病気にもなる。そして、寿命が短い事がもっともの欠点だった。
「いらっしゃいませ。お泊りですか?」
頷くグラディール。看板娘と思われる少女は受付表を持ってきた。
「こちらにお名前を書いてください」
スラスラッと名前記入欄の所にアレックスと書いた。そして少女がそれを確認し何泊するかを聞かれ一拍と答えた。鍵を渡され、二階へ向かい荷物を置いた。窓から外を見ると既に日が暮れていた。そして、腹が鳴る。
グラディールは一回に食堂がある事をさっきの少女から聞かされていたため、腹の化け物を治めるために食堂へと向かった。
明日からまたフィリピンに勉強しに行くぞー。投稿ができないなぁ、クソ雑魚ナメクジのまきゆづでした。