新たなる旅立ち
魔王グラディールは歴代最強の魔王と周囲の魔族から言われていた。魔物のゴブリン、オーク等は魔王に訓練、教育させられ人間を犯すだけの魔物から人間を飼う魔物へと変わった。
飼われた人間はその地方を統べている魔族に年に一回の貢ぎ物の酒や食料を持っていった。しかし、貢ぎ物が無かった場合には女を数人捧げた。
圧倒的な力、叡智、多くの魔物や魔族からの忠誠、全てが歴代の魔王を越え世界征服まであと一国のみだった。しかし、悲劇が襲った。
アーサー王の血を引く勇者が人類最後の街、王国ロールスディーゼルで誕生した。少年は幼き頃から魔族、魔物と戦い連戦連勝の無敗を飾っていた。そして、人間の最盛期24歳の時にグラディールに聖剣エクスカリバーを持ち挑んだ。
最初はグラディールが優勢だった。しかし、エクスカリバーに一つの稲妻が降った。黄金の様に輝くエクスカリバーを振り下ろした瞬間、魔王の体に甚大な被害を与える光を放った。
グラディールに止めを刺すために近づいた勇者だが、神は気まぐれ、魔王に稲妻が落ち、魔王は跡形もなく消えていた。
天界
「おめでとーございまーす!魔王グラディールさんは転生者として選ばれましたー」
グラディールは目を開けると真っ白い空間の中に自分が椅子に座っている事を理解した。周辺を見ても真っ白で、目の前に女神が立っていた。自分の腕を見たら傷が無く、完全に回復していた。
「どういう事だ?我はまだ、勇者との戦いが終わっていない。早く戻せ」
「無理です。では、転生開始!それでは新たな人生を楽しんでくださーい」
「まて!人生だと!どういう事だ!」
「知りませーん!」
グラディールが目覚め、手を見ると人間と同じような手をしていた。体を動かそうにも少ししか動かせなかった。そう、彼は赤ん坊になっていたのだ。
「あなた、アレックスが起きましたよ」
グラディール<アレックス>は彼の母親に抱かれ、揺らされていた。そして、父親に手渡され、再度揺らされていた。いろいろと話しかけられていたが、グラディールは全く興味を示さなかった。
ふと体に魔力を巡らせると直ぐに魔法が放てるような感覚がした。
力は依然健在か。これなら、人間共を一瞬で蹂躙してやる。その前に、この世界に魔王軍は存在しているかが問題だ。この世界で、新生魔王軍を再建してやる。
時は進み、グラディールは12歳となっていた。今日もいつもと変わらず、青空学級で更なる知恵を付けていた。
新たに付けた知恵は、一つこの世界に魔王軍が存在している、二つ魔物は本能のままに動いている、三つこの村は内地で魔物は全然出現しない、四つ勇者がもう存在している、五つその勇者もはあまり強くない、六つグラディールは農民で生まれ育ったので能力は平均的なはず。
いつも通りの時間が過ぎ、青空学級から帰ると親の仕事を屈辱ながらも手伝いを行った。
そして、翌日人間だけが行う能力審査が教会にて行われるため、グラディールはあまり好まない教会に向かった。
大勢の生徒が並ぶ中で一番後ろで順番を真面目に待つグラディールだったが、近所で幼いころから自分の家に来て遊んでいた少女が賢者のステータスであると判明した。
そして、グラディールに順番が回って来た。教会の者に言われた通りに浮遊している球体に手をかざし、一滴の水が紙に落ち、そこにステータスが表示された。
全体的に120万前後のステータスを叩き出していた。それを見た教会の人はあまり驚きもせず、普通の農民ぐらいですねっと言った。
の、農民?何故だ?これが平均だというのかこの世界の人類は。世界征服は諦め時か?いや待て、あの賢者の才能があるあの子のステータスはどうなっいるんだ。
「なぁ、ステータスを見せてもらえるかな?」
「敬語なんて使わなくていいよアレックス。見せるけど、代わりにアレックスのも見せて」
そう言ってグラディールはステータスが書かれた紙を交換し、見た。名前はベル・フレッチャー。ステータスは力、防御等は低いがその他、魔法に関する値は100以上あった。
「アレックスはやっぱり十前後で魔法とかは0だね。安心して魔物が来たら私が守ってあげるから」
この歳で十前後、大人になれば20ぐらいだろうか。その事はいい、今は何故自分から見たら120万前後で他人が見たら10前後、どちらが正しいか夜になったら検証しよう。
夜になり、親にバレずに森の奥深くまでやって来たグラディールは木を殴ると、木は根元から抜け、更に風圧でその後ろにある木の葉は全て消し飛んだ。
次に、魔力を消費して鎌鼬を起こすと、範囲内の木々は全て角材になって倒れた。
力が以前と比べ、強力になっている事が確認できたグラディールはすぐさま自宅に帰り寝た。そして、翌日にこのことが問題になった。
クッソ雑魚ナメクジのまきゆづです。新規小説投稿始めました<冷やし中華始めたましたと同じ感覚>おそらく、他の作品も相まって投稿は確実に遅くなると思います