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会社を辞めた理由

「花宮。覚えてるか。あのとき。」


「あのときって、飲み会の?」


「ああ、まあ、だいたいあの頃だったかな…。」


私には尚が何を言おうとしているのかさっぱりわからなかった。


そのことは顔に出ていたのだろう。


「だから、花宮が、大物の仕事抱えてた時だよ!」


「ああ、ありましたね。」


正直あの時は忙しすぎた。大物案件が3つくらいあった。


「あの頃、花宮は社内でも認められ始めてて、みんな大きい案件は花宮にやらせようとしてたんだよ。でも、俺はさすがにやらせすぎだと思ってた。あんなに仕事やってたら死ぬぞってくらい、当時の花宮は仕事してた。だけど、花宮はやり切った。それで俺は嬉しかったよ。嬉しかったから、調子乗っちゃったんだろうな。飲み会であんなこと言って…馬鹿だよ、俺は。」


「確かに、あの頃は仕事ばかりで大変でした。でも、いつも柴田さんは私のことを認めてくれた。だから、頑張れたんです。だから、発言はショックでした。」


「それは本当に申し訳ない。謝っても許されないことだ。」


私は当時のことを思い出さないようにしていた。

しかし、尚に言われて、当時のことをふと思い返す。


私はなんであんな一言、ひどいことを言われただけで、会社を辞めてしまったんだろう、と自分でも疑問に思っていた。


それが、今、わかった。

尚との関係以前に、私は限界近く仕事をしていたから、疲弊していたんだ。

きっと、当時の私は鬱状態だったに違いない。

それを尚のせいにしていたんだ。

でも、尚のせいじゃない。

本当は多すぎる仕事に押し潰されていたんだ。


「柴田さんのせいじゃないです!!会社辞めたのは柴田さんのせいじゃない!!」


急にテンションが高くなった私を見て、尚は混乱した顔をしていた。

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