表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生産職を極め過ぎたら伝説の武器が俺の嫁になりました  作者: あまうい白一
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/39

第2話 世界のちょっとした真実

 俺達が踏み入れたのは、四方に大きな窓を付けた綺麗な部屋だった。


「ここは……?」

「リゾート街ストロムの中央に位置する冒険者ギルド塔の最上階です」


 ブリジッドの言う通り、かなり高度がある。

 部屋の窓からは、青々とした湖と賑やかそうな町全体がしっかりと見えていた。

 

 それはもう、とても平和で豊かそうな風景が広がっていたのだ。けれど、問題はそこじゃなくて、 

「……リゾート? 防具と……鍛冶の街では無かったのか?」

「それよりもこちらの方が儲かるそうで」

「そ、そうか……」


 ゲーム時代とかなり変わっているぞ。いやまあ、そっちの方が儲かるから商売をシフトしましたって言われたら、なるほど、としか返せないんだけどさ。


「天魔の脅威がある以上、鍛冶屋もいないわけではないんですが。ここは割と平和な土地なのでリゾートでも問題はないのですよ」

「うん? 平和って……本当なのか? セインベルグでは戦争だなんだと言っていたけれど……」

 確かにこの街からはそんな雰囲気は全く感じ取れない。

 けれど、天魔王を封印している伝説の武器はいるのだ。

 一体どうなっているんだろう、とそう思って訪ねるとブリジッドは、ええ、と首を縦に振った。

「それはまあ、そうですよ。何せ、あのセインベルグこそ、天魔との戦争の最前線ですから。このストロムは内陸部にありますし、案外平和なモノなんですよ?」

「マジか……!」


 知らなかった。

 というか、聞いていなかった。


 まあ、世界の状況に対して話を聞く前に、レインを救ったり街に協力したりと、やらねばならない事が立て続けに来たのだから、仕方ないのだけれどもさ。


 確かにセインベルグのトラベルゲートが重点的に狙われているとかは聞いていた。

でも、他の街が狙われている、なんて話はなかったな。


「話には聞いていましたが、まさかここまで風光明媚な場所になっているとは。ブリジッドの冗談ではなかったんですね……」

「レインも驚くほどなのか。というか、君は一応、世界がそこそこ平和だってことは知っていたんだよな?」

「はい。ただ、私はセインベルグ以外はあまり訪れませんでしたので。さすがにこの街模様にはびっくりしました……」


 レインは目を見開きながら、活気ある街並みを眺めていた。

 

 ……というか、そうだよ。天魔との戦争だとか言っておきなら、セインベルグでも活気があって、悲壮な雰囲気がほとんどしなかったのは、思ったよりも平和だったからなのか……。

 

 俺の知識にあるアームドエッダの世界は、天魔の襲撃によって結構悲惨な状況だった。

 危険な場所も多かったし、事件も多かったので、プレイヤーたちが活躍するための場所なっていた。

 だからまあ、レインとセインベルグの一件で、結構大変な世界なのだと思って、違和感なく受け入れていたのだ。


 それ故、今も不穏な世界情勢だと早とちりしていたけれど、


 ……意外と世界は逞しいというか、平和だったんだなあ。


 よくよく考えれば、セインベルグも割と賑やかだったし、世界規模で戦争とかだったら、もっと暗くなるものな。

 今にして思えば、世界の平和具合は頷けることではある。 俺からすると、今までの予想を覆された気分だが、


「うん、まあ、平和であるなら、それはそれでいいな」 


 物は考えようだ。

 世界が物騒でないのであればそれに越したことはない。


 そっちの方が、俺は俺の事情に専念できるしな。


「いろいろと説明ありがとうよ、ブリジッド。それで、これからミストルテインのいる場所に行きたいんだが、どこにいるか、分かるか?」

「はい。このギルド塔の向かいにある、神殿に普段はいらっしゃいます。案内しますね」

「よろしく頼む。……さて、じゃあ伝説の武器が……俺達の知人がいる場所まで行こうか、レイン、ケイ」

「はい!」

「おー!」


 そうして、世界の情勢の真実を知った俺は、爽やかな空気が流れる街を歩いて、伝説の武器がいると聞いた神殿に向かって歩いていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●同時連載作品のご紹介
こちらの連載も応援して頂けると助かります!
最強の預言者な男が、世界中にいる英雄の弟子に慕われながら冒険者をやる話です。
 100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます
https://ncode.syosetu.com/n2477fb/

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ