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生産職を極め過ぎたら伝説の武器が俺の嫁になりました  作者: あまうい白一
第二章 新たな伝説の武器と娘

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28話 重ねていく業績

お待たせして申し訳ありません。連載再開しました! 

休憩を挟みながらの作業だったので、意外と時間が掛かってしまったが、どうにか鉄の剣百本の鍛錬を終えることが出来た。

 鍛冶ポイントは2500/3000と普通の数値になるくらい減ってしまったが、作業が無事に終わったのでいいだろう。


「んじゃ、あとは運搬よろしく」

「は、はい! かしこまりました」


 そして山ほど積まれていた剣は、ギルド職員の手で、慎重に次々に自警団の元へ運ばれていく。これで仕事は一つ終わりだ。

 

 だが、まだやるべき事がある。むしろそっちが本命だから気合を入れよう、と思いながら、俺は先ほど部屋に入ってきた男の顔を見た。すると、そこには、


「あれ、鍛冶屋のおっさんじゃないか?」


 見覚えのあるドワーフの男がいた。


「アンタは……とんでもねえ素材打ってくれた兄ちゃんじゃねえか!」


 向こうもこちらを覚えていたらしい。ただ、待ってくれ。


「鍛冶屋のおっさん、さっき鍛冶統括ギルドの長って言ってたよな? え、おっさんがギルドの統括会長なのか?」

「おうよ、その通りだ。ワシの趣味で鍛冶屋の店長も兼任しているがな。がはは」


 ドワーフのおっさん――もとい鍛冶ギルドと街運営ギルドの統括会長は豪快に笑ったあとで、真剣な目で俺を見た。


「……そこのブリジッドから話を聞いた時はどんなボウズが、ゲート使って伝説の武器を見る代わりに、武器百本打ち直すとか、どんなバカかって思ったんだが、そうか。……やけに武器に好かれていると思ったら、兄ちゃん、凄腕の鍛冶師だったんだな。見ろよ、俺が連れて来た連中が、凹んでるくらいだぜ」


 ドワーフのおっさんはそう言って苦笑した。


「あー、なんか悪い事したか?」

「いやあ、いいんだ。ここまで見事な仕事を見られたのなら、こいつらにとっても幸福だったはずだからな。むしろ兄ちゃんに会えて良い事ばかりだ」

「そう言ってもらえると有り難いよ」


 この武器作りは信用を得るためにやったことだ。

 それで嫌悪感を抱かれては、何とも微妙な結果になるし。


「はは、何にせよ兄ちゃんおかげで気合いも入ったんだ。この勢いのまま問題解決と行こうぜ、おめえら!」

「おう!」


 そうして鍛冶師たちが威勢のいい声を上げた。その瞬間だ。


「皆様! 報告します 天魔の本隊――三十体の集団が街の北部より接近中!!」


 部屋に飛び込んできた職員により、そんな報告がもたらされた。


「なっ、本隊が、もう来たのですか? まだ半日も経っていないというのに……!」


 ブリジッドが目を見開く。

 どうやらこんなにも早く来たのは珍しいことのようだ。


 ……でも、天魔の進軍速度ってそんなに早いものなのか?

 

 ゲームモンスターとして登場する彼らは割と鈍足だった気がするけれど。

 現実では違うようだ。


「ちっ、こうしちゃいられねえ。話はまたあとだ! ワシたちも出る!」


 そうして折角集まった鍛冶師ギルド統括はその仲間たちと共に、部屋から出て行った。 

 街の危機とあらばすぐに戦う姿勢に出るとは、おっさんたちは人が良いだけじゃなくて、勇気もばっちり備わっているらしい。

 そして、こうも思う。


 ――これも信用を稼ぐ、良いタイミングだと。


 窓の外、既に煙が上がっている。

 どうやら戦闘になっているようだ。


「っ、既に侵入されましたか。仕方ありません。私も向かいます。ラグナ様たちは――行く気マンマンのようですね」


 腰に付けた武器に触れつつ、歩き出した俺を見て、ブリジッドは声を震わせていた。


「当然だろう、ブリジッド。俺は鍛冶師なんだから、俺の武器がしっかり活躍出来ているか見届けたいさ」


 鉄剣百本の配備は、既に済んでいる。だから、後は見届けるだけだ。

 そう思いながら、俺は腰に付けたケリュケイオンとレーヴァテインに触れつつ、歩きだす。


「それに、この街に天魔たちがいたら、ゲートを使う使わない以前の問題だからな。話を早く進めるためにも、行く以外の選択肢はない」


 今が一番、効率的に動ける時だしな。そう思っていると、レインとケイが俺の横に並んだ。


「行きましょう、ラグナさん。私の体と命はラグナさんと共にありますので、存分にお使いください!」

「いえす。ケイもますたーと一緒……」


 二人ともやる気十分だ。

 ああ、そうだ。俺は彼女たちが活躍する場面が見たかったんだ。そういう意味でも、この戦いには意義がある。


「それじゃあ、行くか。俺が育てた武器の力、襲ってきた天魔どもに見せつけてやるぞ!」

 

 俺達は、街の戦場に出る。街を防衛するために。

 そして力を思う存分振るうために。

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最強の預言者な男が、世界中にいる英雄の弟子に慕われながら冒険者をやる話です。
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