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生産職を極め過ぎたら伝説の武器が俺の嫁になりました  作者: あまうい白一
第二章 新たな伝説の武器と娘

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第25話 田舎町の発展理由

「街を防衛して頂き、ありがとうございました、ラグナ様。あの天魔を軽々と両断するなんて、本当にとんでもない方なのだと実感いたしましたが、こう、何と言っていいやら。本当に感謝しかありません」


 天魔を討伐した俺達は冒険者ギルドの部屋に戻るなり、ブリジッドは深々と礼をしてきた。


「別に良いって。天魔襲撃の理由を説明して貰う為にやったことだしな。そんなギルドのトップに頭を下げられるようなことじゃない」


 確かに天魔の防壁は低レベル時だと厄介ではあるものの、現時点の俺にとっては楽に始末できるモンスターだ。


 それくらいで頭を下げられると悪い気になる。というか、今日だけで彼女は何度も礼をし過ぎだと思うし。

 

「いえ、私にはこうして頭を下げて、感謝を伝える事しかできませんので。というか、私程度の頭ならいくらでも下げさせてもらいますよ。商人として誠意と敬意を忘れてはやっていけませんから。レイン様もケイ様もご協力感謝します」

「私たちはただ、ラグナさんに付いていっただけですから。そんなにかしこまらなくていいですよ、ブリジッド」

「いえす。ケイは、適当に暴れただけ、だし」

「そうです、か……。そう言って頂けると気が楽になります」


 ブリジッドはそう言って上半身を起こし、椅子に座った。とりあえず、先ほどの状況に戻ったようなので、

 

「それじゃ、落ち着いた所で話してくれブリジッド。この街が狙われた理由を」


 無言タイプの天魔だったので、話を聞く事は出来なかった。

 それ故の聞き出しだ。 


「はい。街を守って頂いたラグナ様達には、話しておくべき事でしょうね。……ただ、これは一部の人間だけしか知らない機密事項なので、出来れば広めないようにしてください」

「おう、了解だ」

「実は、ですね。このセインベルグの中央地下には、ちょっとした仕掛けが施されてまして。『トラベルゲート』といわれるものが眠っているんです」

「……トラベルゲートだと……? そんなものがあるのか?」


 俺は思わず目を見開いて聞き返してしまった。

 なにせトラベルゲートというものは、ゲーム時代にあった街のシステムその物なのだから。


「はい。異空間と繋がる扉のようなものがありまして、そこをくぐると一瞬で他の街にたどり着けるのです」


 ゲーム時代のその効果は、自分が登録していた街に、一瞬で移動できることだったが、リアルでも同じらしい。ということは、まさか、


「このセインベルグから他の都市国家には行き放題、ってことか?」

「はい。一定の都市にしかいけませんし、入れるサイズにも限りがありますが……それでも絶大な力を持った神代の遺産なんですよ。それを研究し、上手くつかいこなすことで、セインベルグは発展したんです」

「この街がでかくなってたのは、ゲートのせいだったのか」

「はい、ゲートがあれば交易も楽にできますし、異空間を繋ぐ技術を転用して、様々な道具を作ることもしています。私の馬車もそのうちの一つですね」


 確かに、ブリジッドの馬車は外見に反して容量が大きすぎると思っていたが、なるほど。トラベルゲートの技術を応用したのか。だけど、


「でも、他の街にもトラベルゲートはあるんだろ? どうしてセインベルグだけ発展したんだ?」

「それが、何故か他の街から来れるのはこのセインベルグだけのようで。必然的にここがハブになったんですよ」

「ここだけしか、来れない、か」


 ゲームのトラベルゲートはどの街にいても、移動先さえ知っていればそのまま移動出来た。リアルでは違うようだが、何か理由があるんだろうな。ともあれ、それは後々に解明すればいい。

 今大事なのは、天魔に狙われている理由の方で、


「この街のトラベルゲートのハブだから、襲撃されているってことか?」


 聞くと、しかしブリジッドは首を横に振った。そして、


「いえ、正確には。このゲートが、とある場所に繋がっているから、ですね。――天魔王を封印せし、伝説の武器が眠る場所に」


 そんな重大な事を伝えて来たのだ。

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最強の預言者な男が、世界中にいる英雄の弟子に慕われながら冒険者をやる話です。
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