表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロスト・パートナー  作者: 葉都菜・創作クラブ
第1章 始の要塞 ――ネオ・パスリュー本部――
5/45

第4話 オペレーション:ラスト

※ストーリー構成上、文字数がやや少ないです。

※今回の話はフィルド視点です。

 【ネオ・パスリュー本部 総統オフィス】


 青色をしたクリスタル・レンガで造られた部屋の壁。床は水色のクリスタル・レンガ。そこに真っ赤な長いじゅうたんが敷かれている。部屋の一番奥には、広大な真っ青な海、青い空と白い雲が見える大きな窓ガラスを背に、豪華で高性能なコンピューターを兼ね備えた机が置かれている。

 ネオ・パスリュー本部の最上階にある総統オフィス。ここはネオ・連合政府総統のコマンドが使っていた公室オフィスだ。


 私たちはクリスター政府特殊軍精鋭部隊のクローン兵30万人を率いてネオ・パスリュー本部を襲撃し、制圧した。あの日から早くも一週間がたった。

 パトフォーやコマンドが逃げた後、施設の中枢システムを制圧し、施設内の軍用ロボットの機能を停止させ、同時にトラップも停止させた。取り残されたネオ・連合政府のクローン兵50万人と重傷を負っていたコマンダー・ジュピター中将は私たちに降伏した。

 今現在、ネオ・連合政府の本拠地であったネオ・パスリュー本部は、私たちが引き連れてきたクローン兵50万人と降伏したクローン兵30万人――計80万人で守っている。


 だが、“最後の戦い”は始まったばかりだ――




「――逃げたパトフォーとコマンドらは、ここから遥か西に位置するカオス支部にいることが確認されています。各地から軍勢を集めているところを見ると、ネオ・パスリュー本部を奪回するつもりかと思われます」


 クリスター政府特殊軍精鋭部隊に所属するハーブ准将が私たちに報告する。


「特に“ハーピー諸島”最大の都市であるハーピーシティには、60万体近い軍用ロボットが待機しており、カオス支部にいる軍勢と合わせると、相当の脅威となります」


 ネオ・連合政府の支配地域はハーピー諸島だけだ。ネオ・パスリュー本部は、諸島の最東部に位置していた。ハーピーシティはこのネオ・パスリュー本部の西にある。距離的にそう遠くはない。


「ネオ・連合政府軍の指揮を執るのは、ここから逃げ出したコマンダー・プルート筆頭中将、コマンダー・サターン中将とコマンダー・ウラヌス中将、それにコマンダー・ヴィーナス中将とコマンダー・マーキュリー中将の5名です」


 ネオ・連合政府の中将は全員で9人。九騎とも呼ばれる。だが、すでにコマンダー・マーズ、コマンダー・ネプチューンの2人は死亡し、コマンダー・ジュピターは降伏した。残りは6人。


「それに、諸島各地に散る七将軍の存在も大きな脅威です。ここはクリスター政府特殊軍一般部隊に増援を要請し、――」

「いや、そんな時間はない」


 私の横でシリカが立ち上がる。


「クリスター政府特殊軍一般部隊は、軍の再編で手一杯だ。こちらにはすぐ来れないだろう」

「クラスタ前防衛大臣の無理な作戦で、相当のダメージを受けたって話ですからね……」


 ヴィクターが口を挟む。クラスタ前防衛大臣かの無理な作戦か――。要するに増援は頼めないということだ。ネオ・連合政府との戦いは私たちで何とかするしかない。


「増援が望めない以上、やはり従来から検討していた『オペレーション:ラスト』を実行するしかない」


 シリカはコマンドの椅子に座り、コンピューターに触れる。私たちの前にシールド・スクリーンが現れ、そこに地図が表示される。ハーピー諸島全体の地図だ。


「フィルド中将とヴィクター准将をハーピーシティに、パトラー中将をエアロ支部に、アーカイズ中将をウェポン支部に、そして私がブラッド支部に向かう」


 敵の懐に忍び込んで、中枢メンバーを倒し、ネオ・連合政府を崩壊させる。私を含め、作戦遂行メンバーの危険は大きい。

 だが、誰も異議を唱えなかった。……こういった任務は今に始まったことじゃない。長らく続いてきたパトフォーとの戦いの中で、何度も繰り返してきたことだ。


「サーラ少将を筆頭に、レベッカ准将、ハーブ准将、オリーブ准将、コミット准将の5人はこのネオ・パスリュー本部を死守して欲しい」

「分かりました。その旨、改めてサーラ少将らに伝えておきます」


 ハーブ准将が答える。5人とも長らく続いた世界大戦――ラグナロク大戦を戦ってきたメンバーだ。ネオ・パスリュー本部が奪回されるといった心配はいらないだろう。


「よし、もう時間もない。さっそく出発に向けて準備しよう。――解散!」


 シリカがコンピューターの電源を切ると、シールド・スクリーンも消えてなくなる。私たちは椅子から立ち上がると、ネオ・連合政府総統オフィスを後にする。

 どこへ派遣されても任務は困難を極めるだろう。だが、これでパトフォーとの戦いは最後になる。最後に勝つのは、白い夢か黒い夢か、その答えは、そう遠くない将来、示されるだろう――

  <<『オペレーション:ラスト』とネオ・連合政府軍>>


◆オペレーション:ラスト・01

 ◇派遣メンバー:フィルド中将、ヴィクター准将

 ◇派遣エリア:ハーピーシティ

 ◇ターゲット:コマンダー・プルート筆頭中将、コマンダー・ヴィーナス中将、コマンダー・マーキュリー中将、コマンダー・ウラヌス中将、コマンダー・サターン中将


◆オペレーション:ラスト・02

 ◇派遣メンバー:パトラー中将

 ◇派遣エリア:エアロ支部

 ◇ターゲット:ケイレイト大将


◆オペレーション:ラスト・03

 ◇派遣メンバー:アーカイズ中将

 ◇派遣エリア:ウェポン支部

 ◇ターゲット:メタルメカ大将


◆オペレーション:ラスト・04

 ◇派遣メンバー:シリカ大将

 ◇派遣エリア:ブラッド支部

 ◇ターゲット:コマンダー・レンド大将


◆オペレーション:ラスト・05

 ◇派遣メンバー:未定

 ◇派遣エリア:ブラッド洋館

 ◇ターゲット:コマンダー・クロア大将


◆オペレーション:ラスト・06

 ◇派遣メンバー:未定

 ◇派遣エリア:ストームシティ

 ◇ターゲット:ウィンドシア大将


◆オペレーション:ラスト・07

 ◇派遣メンバー:未定

 ◇派遣エリア:カオス支部

 ◇ターゲット:パトフォー、コマンド総統、コモット副総統、ネストール筆頭大将

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ