表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロスト・パートナー  作者: 葉都菜・創作クラブ
第9章 白の窮地 ――連合軍・カオス支部――
34/45

第33話 新型軍用兵器と新型生物兵器

 【カオス支部 上層エリア 最高司令室】


 最高司令室の扉を開け、私はカオス支部の中枢へと入る。薄暗い不気味な部屋だ。濃い赤色のじゅうたんが一面に敷かれ、部屋の奥には大型のコンピューター・システム。それを操作するための最高司令席。その後ろには横に長い大きな窓ガラス。


「えっ……?」

「ようこそ、パトラー=オイジュス」


 最高司令席の斜め後ろで控えていたネストールが静かな口調で言う。


「ククク、どうした? 俺の存在が意外か?」


 最高司令席に座る男が口を開く。黒い装甲服を身に纏い、その上から黒いローブを被る男――パトフォー!? なぜ、ここにいるんだ!?

 パトフォーはすでに脱出したハズだ。今頃はスカイ島の北海上でクリスター政府軍と戦っているハズだ(とは言っても、そろそろ勝負は付いたと思うケド)。

 いや、でも――


「そうか、私たちは騙されたんだな。……お前がここにいてくれてありがたい。これで“お父さんの仇”を討てる」

「ライト=オイジュスか。懐かしいな。死ぬ間際に会わせてやっただろう?」


 私のお父さんはパトフォーたちに殺された。その怨み、殺した本人だけを八つ裂きにしても忘れられない。パトフォー、コマンドら全員を殺すまでは忘れられないだろう。


「死ぬ前に1つ聞かせろ」

「まだ戦い始めてもいないのに何を言うのか……?」


 そう言いながら、ネストールが左腕に装備した小型コンピューターを操作する。戦いの準備だろう。


「……“サレファト=シリオード少将”はどこにいる?」


 私は動揺する心を抑えながら、ネストールたちに向かって言う。


「…………?」

「サレファトならフィルドに当たらせている。間もなく因縁の対決が始まるだろう、ククク……」


 パトフォーが目の前の大型コンピューターを操作する。シールド・スクリーンが現れ、カオス支部中層にある飛空艇プラットホームが表示される。


「フィルドさん……!?」


 クリスター政府の小型戦闘機が突っ込んできていた。そこから剣を手にした1人の女性――フィルドさんが飛び出す。彼女は着地しながら、数体のバトル=アルファらしき戦闘ロボットを斬り壊す。


「パトフォー閣下、新型兵器のバトル=カスタムは役に立っていません……」

「ククク、コマンドに責任を取って貰わんとな」


 バトル=カスタム――あの4本腕の軍用兵器の名前か。今まで見たことなかったから、やっぱり新型軍用兵器だったんだ。

 そのとき、シールド・スクリーンが飛空艇プラットホームの別の場所を映し出す。そこには4本の腕を有する怪物が映し出された。体格もかなり大きい。恐らくはクローン兵をサイエンネット・ウィルスで怪物化した生物兵器――ハンターだろう。


「新型生物兵器スウィーパー。あれとサレファト少将でフィルド=ネストの息の根を止める……」

「さっきから新型ばかりだな」


 黒い鋼の装甲服を纏った怪物――スウィーパーとやらは、4本の腕に大型の剣を握り締め、フィルドさんに向かっていく。その進む先にいるバトル=カスタムを弾き飛ばす。


「……サレファトはどこだ?」


 シールド・スクリーンを見ていたパトフォーが言う。……さっきから映るのは無数のバトル=カスタムやスウィーパーばかりでサレファトの姿はない。

 そのとき、私の背後の扉が開く。バトル=オーディンを破壊した廊下から誰かが入ってくる。入ってきた人物は私の側にゆっくりと歩いてくる。まさか、――


「サレファト、お前は何をしている?」


 パトフォーが不愉快そうな声で、入ってきた人物に声をかける。パトフォーと同じ黒いローブを身に纏った彼は私に声をかけず、前へと進み出る。


「……お久しぶりです、パトラーさん」

「…………!」

「なに!?」

「サレファト、お前パトラーとどういう関係だ……?」


 私は震える身体で、何かサレファトに声をかけようとする。だが、言葉が出ない。そうしている内に、サレファトは黒いローブを脱ぎ捨てる。黒い装甲服を身に纏い、白銀の髪の毛をした青年の姿が現れる。彼はゆっくりと私の方を振り返る。蒼い目が私を捉える。


「サレファト……!」


 私はようやく声を発する事が出来た。ケイレイトの言った通り、カオス支部にはサレファトがいた。本当だった。

 一方、パトフォーとネストールは意味が分からないという表情を浮かべていた。当然だろう。彼らは“5年前”のことを知らない。


「……一緒にパトフォーを倒しましょう」


 サレファトの言葉に私は無言で頷き、腰に装備していたサブマシンガンを抜き取る。


「全く意味が分からないが、1つだけ分かったことがあるぞ。……サレファト、俺を裏切る気だな?」

「ええ、そうです。僕はパトラーさんと一緒に、あなた“から”姉の仇を討たせて貰います」

「残念だ。ククク、まぁでもそれがいいかもな。なぜなら、俺はお前がフィルドを殺した後、即刻始末するつもりだったからな」


 そのとき、部屋の奥から何かが歩いてくる。……アレは、――


「新型生物兵器エックス……。2人を殺せ」


 部屋の奥から現れたのは、不気味な蒼色の触手で構成された人型の怪物。――アレは見たことがある。5年前、連合軍のオーロラ支部に捕まっていた私を襲った生物兵器だ。


「私への嫌がらせか?」

「偶然だ、ククク……」


 パトフォーは笑いながら言う。生物兵器エックスは私とサレファトの前にまで歩いてくる。まずはコイツを倒さないと、パトフォーを殺せないようだな……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ