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ロスト・パートナー  作者: 葉都菜・創作クラブ
第6章 血の洋館 ――ブラッド洋館――
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第19話 VSコマンダー・クロア

 【ブラッド洋館 最上階】


 広く大きな廊下を通り、私とオリーブは大きな扉の前に出る。この先にコマンダー・クロアとコマンダー・レンドの公室があるらしい。

 私はオリーブの前に出ると、右拳にラグナロク魔法を纏う。その場から床を蹴って飛び上がり、勢いよく右拳で扉を殴る。木製の扉は砕け散る。


「……ずいぶんと乱暴だが、まぁいい。……ようそこ、ブラッド洋館へ」

「あれがコマンダー・クロアか」


 扉の向こう側には、水色のクリスタルレンガで造られた部屋が広がっていた。ハーピー王宮にあった女王の間と同じく広いこの部屋には奥行きがあり、その一番奥に玉座がある。黒い服を纏ったコマンダー・クロアはそこに座っていた。

 ブラッド洋館の大将公室にいたのはコマンダー・クロアだけじゃない。ここに来る道中であった傷と包帯だらけのクローン兵と同じ姿をしたクローン兵もいる。全部で4人。恐らくはネオ・連合政府から派遣されたクローン准将。そして、クローン少将の2人は至って普通の装甲服を纏っていた。


「私たちがデスペリア監獄で受けた痛み、お前たちに味合せて上げる。フィルドを捕まえろ!」


 コマンダー・クロアが命令すると、衣服を纏わない4人のクローン准将たちがアサルトソードを手に持って歩いてくる。


「ぅ、くぅ……」

「やめろっ! 近づくな」

「無駄。彼女たちの心はもはや完全に壊れている。私とレンドの命令だけに従うようにした。……もう、パトフォーの命令さえも聞かないだろうな。オリーブちゃんは間に合わなかったが」


 拷問の痛みとその恐怖で完全に従わせたのか。コマンダー・レンドやコマンダー・クロアらしいやり方だ。“デスペリア監獄の経験”をしっかりと生かしているようだ。

 私は斬りかかってくるクローン准将の攻撃を剣で防ぎながら、4人を押しのける。傷だらけで動きも遅く、力もない彼女たち。ここで倒すのも簡単だが……

 私は4人のクローン准将たちを押しのけると、コマンダー・クロアに斬りかかろうとする。それを邪魔立てするクローン少将2人。銀地に青いラインが入った装甲服を纏うクローン少将が斬りかかってくる。両手に剣。二刀流らしい。


「邪魔するな!」


 私はその剣を弾き飛ばそうとするが、意外にも彼女は強い。しかも、後ろからも銀地に赤いラインが入った装甲服を纏うクローン少将が歩いてくる。その両手に剣。彼女も前にいるクローン兵と同じく二刀流らしい。


「チッ……!」


 私は舌打ちしながら、2人のクローン少将をまとめて相手にする。4本の剣が私を斬り刻もうと、何度も執拗に振り降ろされる。

 しばらく剣同士の攻防を続けていたが、私の剣が弾き飛ばされる。前にいたクローン少将が、私の心臓を貫こうとする。後ろにいたクローン少将が私の首を斬ろうとする。


「…………」


 前から剣が迫ってくる。後ろから剣が振り降ろされる。


「コマンダー・クロア、待たせたな」

「んんっ?」


 私はその場から素早く身を屈め、すぐ横へ転がり込む。前にいたクローン少将は、後ろにいたクローン少将の胸を剣で貫く。後ろにいたクローン少将は、前にいたクローン少将の首を斬り飛ばす。2人とも、その場に覆い重なるようにして倒れる。

 さっき、剣を弾き飛ばされたのも、ワザとだ。あのまま攻防を続けていても、ラチが明かない。あれで戦いの突破口にしようとした。


「残念だ」


 私は、ため息をつきながら立ち上がるコマンダー・クロアに向かって走ろうとする。だが、その身体を誰かに取り押さえられる。さっき押しのけたクローン准将の1人だ。しかも、彼女の上からまた別のクローン准将が覆いかぶさってくる。

 私は衝撃弾をこの場で爆発させ、彼女たちを無理やり弾き飛ばす。自身の身体にも痛みが走り、弾き飛ばされる。

 弾き飛ばされた先にはまた別のクローン准将がいた。彼女は剣で私を串刺しにしようとしている。そんな彼女に私は手をかざす。彼女の身体が八つ裂きにされ、バラバラになって崩れ落ちる。


「くぅ……」


 また別のクローン准将が床を蹴って飛んでくる。学習しない連中だ。私は今度は彼女に手を向ける。さっきのクローン准将と同じように、彼女の身体もバラバラになる。バラバラになった彼女の身体は水色のクリスタルレンガを汚しながら落ちる。

 地面に着地した私は再びコマンダー・クロアの元に向かって走り出す。だが、その行く手はまたしても遮られる。さっき私を押し倒したクローン准将たちだ。


「またか……!」


 私は剣を抜き取り、2人に斬りかかる。勝負は一瞬で付いた。素早い動きで1人の首を斬る。流れるような動きで続けてもう1人の右腕を斬る。トドメに火炎弾を飛ばす。そして、私は彼女が炎に包まれる前にコマンダー・クロアに斬りかかる。


「残念。もう少し楽しみたかったが……」

「なに?」


 コマンダー・クロアは剣で私の攻撃を防ぐと、素早く後ろに飛んで下がる。そして、彼女は予期していなかった行動に出る。


「さようなら、フィルド。今もデスペリア監獄で苦しんでいる哀れなクローン共によろしく、な」

「…………!?」


 コマンダー・クロアはそう言うと、自身の剣で、自身の首を貫いた。真っ赤な血が迸り、彼女の身体は崩れるようにして倒れる。――自害しただと!?

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