表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白いツバサ  作者: 透坂雨音
第七幕 果て知らぬ波紋
335/516

268 終章



 変われるとでも思ってるのか。

 希望がまだあるとでも、そう思っているのだろうか。

 彼らは。


 今更……もう遅い。


 何も知らなければ、楽に生きられた。

 何も知らないままならば、愚かなままでも、幸せなままで生きられた。

 それなのに知ってしまったならば、あとは不幸と苦しみに塗れることになるだろう。


 ああ、なんて……


 どこまでもどこまでも、憎らしく愚かしい者達なのだろう。


 善意の裏から欺かれて。

 無償の愛を信じ切って。


 そうして綺麗な綺麗な光の当たった部分だけ見てきた者達。


 お前達は、偽りの世界から真実の世界へ落ちた時に、どんな絶望を見せてくれるのだろうか。


 だが、それは理不尽なものなどではない。

 当然の報いなのだ。


 目をそらし、誤魔化して、知らぬままに、怠惰に、楽に、逃げて、弱いままで、すがり切って、頼り切って、押し付けて、ぬぐいつけて、悪者にして、そうして生きてきた、その報いだ。


 弱いままに甘えて、庇護に甘えて、与えられるままに甘えて、守られる事が当然だと勘違いして、任せることが当然だと勘違いして、進もうとも強くなろうとも思わなかった、その末路、当然の報いだ。


 お前たちにはふさわしい終わり方。

 そんなお前たちが生きる世界にはふさわしい終焉。


 だから私は、この世界を壊すのだ。


 精一杯の憎しみと復讐心と、偽りの愛情を、この世界に生きるおまえ達に。




次の幕までしばらくあきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ