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紅は始まりを告げた

キャラクター紹介 フリスク


空想の物語が好きで、

多くの書籍を読み漁っている。

しかし、だからといって内向的なわけではなく、

好奇心があり、多少危険だろうがなにかに挑戦する度胸がある。

この世界について数日で理解でき、またこれから始まる展開にもついていけるのは、

そこらへんの知識があるおかげだ。

しかし、狂人ではなく、痛さも感じるし恐怖心もあるので、

挑戦を繰り返しては失敗し、苦しい思いや嫌な思いをすることが日常茶飯事である。

ちなみに魔法に関しては、一見強そうな約2000度の炎の竜を放つことができるが、

射程が70㎝と、使えなくもないがもう戦えないほど体力を消費するので、一撃必殺諸刃の剣のようなイメージである。

キャラクター紹介 マスター


戦争孤児であり、人間によって両親を殺害された。

名前を役所に提出する前に死亡したので、正式は名前はない。

集いの酒場を経営しており、愛称でマスターと呼ばれている。

人を吹っ飛ばせる程度の威力を持つ炎弾を放つことができるが、

殺傷能力がなく、また一発撃っただけで気絶しかけるので、戦闘能力は皆無といっていいだろう。

しかし、炎系統の生活を便利にする魔法は100種類以上独学で編み出しており、

一部の人からは教えを請われいているとかないとか。


体が重い。

気絶していた?

無理もない。

大量に出血してしまったのだから。

フリスクが重い瞼を開けると、

自身が地面に倒れこんでいることに気が付いた。

悲鳴をあげようとも、自身の口からこぼれるものは助けを呼ぶ声ではなく、死を近づけさせる紅色の血だまり。

「?マスターとあの騎士は」

状況を把握できず、困惑しながら周りを見渡すと、

小さな血の海の上で倒れているマスターが見えた。

後ろ側の遠くには同じく力尽きている犬騎士の姿が。

「...負けた?死ぬのか」

「そうか」

鈍い鎧の音が徐々にフリスクに近づく。

その音の持ち主は、剣を抜き、フリスクに向け、一直線に突き刺した。

「..............」

声も出ないほどの激しい痛みをフリスクは感じた。

苦しみ。悲しみ。怒り。

それらすべてを抱き、しかしそれを考えることができないまま、

フリスクは永い眠りについた。


___________________________________________________________


暗い、狭くとも、その先の見えない暗闇に、なにがひそんでいるのかわからないような

そんな施設の一室。

扉は厳重にロックされており、部屋はマンションの一室ほどの大きさで、形は正方形だろう。

部屋の中央には、台座があり、その上には特殊な加工が施され、破壊が極めて困難な透明なガラスケースが置かれている。

中には、まがまがしく、未知のエネルギーを秘めているような雰囲気を漂わせる鋼色に輝く銀時計が保管されている。

しかし突然、銀時計の周りに眩い光があらわれ、あたりはガラスがわれるような澄んだ音がなり響き、

いままで正確に動いていた時計の針が、逆方向に回転し始めた。

それから、空間が割れ、崩壊するように、あたりには空間の断片が舞った。                         


___________________________________________________________



「はっっ」

フリスクは冷たい床の温度を感じ、目が覚めた。

っっ

眠る前に感じた激しい痛みが再度体を襲った。

正確には、ダメージを受けているわけではなく、脳が錯覚していただけなのだが。

フリスクは正気を保つことすら難しいそんな状態だった。

呼吸は乱れ、体はけいれんを起こし、恐怖が心を蝕んでいた。

それから少したち、ようやく痙攣もおさまってきたとき、

フリスクはあたりを見回した。

するとそこは元居たあの、古びた家だった。

「あぁ、戻ってこれた」

最初は楽しかった過去の世界だったが、やっぱりあんな経験二度とごめんだ。

フリスクはまだ少し痙攣がある足を動かし、家の扉を開け、外に出ようとした。

しかし、外の世界に一歩足踏み出したとたんに、心臓を突き刺すような痛みが体中に駆け巡った。

っなぜ!

痛みは家の中に戻ることによってひいたが、

フリスクは結局戻れない現実に膝を崩した。

この家は人里から離れている。

通信機器もない。

フリスクは理不尽な現状に対して怒りがこみ上げた。

「なにも罪を犯していない。なのになんでこんな思いをしなきゃならないんだよ!!

痛みなんて味わいたくねぇよ。最初はテンション上がってたさ!実のところファンタジーの世界にいっていたようなものだ。

けれど死にたくはないし痛いのは無理だ!」

声高らかにそう叫んだが、そこにいるのは虚無ばかり。

声は反響して自分の耳に返ってくるだけ。

強く床をたたいた。

床はびくともしない。

もうすでに年季が入っているはずなのに。

これも呪いか..?

フリスクは立ち上がり、

再び鋼色のカギを手に取る。

やはり、周りを確認すれば、同じ位置、同じ向きにあの箱がある。

錆びた鍵穴にカギを差し込み、力強く回す。

箱の蓋を静かに持ち上げるとあの忌々しい銀時計が姿を現す。

まるで月をはらんでいるようなその輝きに最初は見とれたものだが、

これのせいで地獄が始まったんだ。

無機物である銀時計に忌々しいという感情を抱いているのではないが、

今にも床にたたきつけて壊してやりたい気分だ。

息を深く吸い込み、そして吐く。

覚悟を決めて、銀時計のボタンを強く押し込んだ。

すると、あの時と同じ感覚が体をやさしく包み込み、

空間がゆがむように変化し、あたりには空間の断片が舞った。

激しい眠りに落ちていく中、フリスクは決意した。

なんとしてもこのくだらない運命を断ち切って見せる、と



更新が遅くなってしまいました。

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