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希望の町

小学校に通いながらなので投稿頻度は少し遅いですが、

できれば完結するまで読んでもらいたいです


あれから3日が経過した。

フリスクは片っ端から書物を読み漁り、

この世界の基礎、常識を学んだ。

これ以上迷惑をかけるわけにはいかないと、

フリスクは旅の準備を始める。

準備といっても、すべての荷物はラシウスからもらったものなのだが、

「硬貨、食料、メモ、これぐらいがちょうどいいだろう」

「多すぎでも困るし、なにより目立つ」

扉をノックする音が聞こえる

扉が開き入ってきたのはラシウスだった。

「大丈夫か?気が変わったのなら、まだここにいてもいい」

ラシウスとはこの数日だけで親友と呼べる関係になった。

お互い、フィクションの世界や考えるのが好きだったからだ。

ラシウスと別れるのは寂しいが、前の世界への執着はまだ残っている。

「いやいいよ。元居た世界に帰らなくちゃ」

「。。結局その元居た世界ってのは最後まで理解できなかったが、応援している。」

フリスクはラシウスに感謝を伝え、初めて外の世界に出る。

「そこを右にまがったらすぐに大通りだ」

「この街には直接被害にあっていなければ人間を一方的に悪役だと決めつけるやつは少ない。比較的安全だろうが、フードをかぶっておけ」

まるで母親に旅立ちの心配をされているような妙な感覚だ。

「わかったよ。」

扉を前でフリスクは止まる。

「本当にありがとう。僕を通りで見つけたのが君じゃなかったらもう死んでたかも」

ラシウスは照れくさそうなしぐさをする。

扉を開け外へ一歩踏み出す。

振り返りながらフリスクはルシウスの目を見る。

「また今度、どこかであえるのならお元気で!」

「あぁ」

二人はグータッチを交わす。

重い扉を開き、フリスクは大通りに出る。

「思ったより暗いな。。」

この場所は得意的な環境により、いつも4時ほどの明るさしかないらしい。

しかし、それゆえともされるランプの炎は風情があってよい。

大通りは思ったよりかは人通りが少なかった。

しかし本にも書かれていた通り、通りにモンスター以外は当たり前のようにいなかった。

フリスクの今の目的は、あの懐中時計のあった場所に行くこと。

 もしここが過去ならば、地形などは、前の世界とあまり変わりはないだろうから、

フリスクの記憶と都市の名前を頼りに進んでいく予定だ。

大通りを北に進んでいく。

様々な店が営業しているが、財布事情で寄ることはできない。

5分ほどだろうか。

しばらく歩いていると、通りで口笛が聞こえた。

発声元を探すと、通りの右側の小さなスペースにシートがしかれ、タコのような不思議な形のモンスター3匹が、そこで口笛を吹いていた、

フリスクはたこ3匹の前においてある小さな看板を見る。

「ワンダリングブラザーズ」

「全国を回ることが目標の口笛兄弟」

「もし曲を気に入ったらぼうしにお金をいれてください(*^^*)」

曲はいいんだけど。

口笛自体のクオリティは楽器と同レベル。

陽気な曲調に、絶妙にかみ合っているがひとつひとつ個性のある口笛。

また、時間が経過するごとに少しづつ、曲調が変わるところも魅力的だ。

少し曲に聞き惚れていると、誰かに肩をたたかれた。

みると、騎士団の恰好をした犬型のモンスターだった。

犬型、といえど四足歩行ではなく二足歩行、

騎士団の制服の上に犬のような頭が飛び出ている。

中身を想像すると少し気持ちが悪い気がする。

みてくれはかわいいけど。

「ね、この曲よくない?」

「僕ねぇ、ワンダリングブラザーズのファンなんだけど」

「この`アイスクリームを買ったときの気分`は屈指の名作だと思うな」

「へぇ」

アイスクリームを買った時の気分か。。。

曲はいい。

しかしその代償にネーミングセンスを失ったのか。

いや、一部のコアなファンはこの独特なネーミングにはまっているのかもしれない。

あまり批評否定をするのはよそう。

しかし曲がいい故に名付けのためだけに働きたいくらいだ。

そんな感情を読み取ったのか、モンスターはこういった。

「なんか、曲はいいけど名前がなぁ、みたいな顔しているね」

ばれた。

「けど曲は本当にいいですね。ファンがたくさんつくのも納得です。」

モンスターは笑っていった。

「たくさん?」

「僕ひとりしかファンいないよ。クラブも作ったんだけどね」

なんともいえない絶妙な空気間のせいでしばらく沈黙が生まれた。

けれどもなんで一人しかいないんだろう。

やっぱり、口笛というニッチなジャンルだからだろうか。

正直良さがわかる人がここにいないと思うとなんだか残念な気分になる。

「本当ですか?良さがわかる人がいないなんて」

「ポスターを張るとか、ウザがられない程度にさりげなく会話中で宣伝するとか」

「そういうことをすれば知名度があがるんでしょうか」

会話を盛り上げるために適当に言った言葉だったが、モンスターはその方法に興味を示したようで目の色を変えて質問してきた。

「いい案をだね。もうちょっと詳しく教えてよ、その最後の会話中に出すってやつを詳しく」

「えぇ」

予想外に反応が良かったので、逆に面倒くさくなってしまったと思いながらフリスクはできるだけよい方法をモンスターに伝えようとする。

「例えば、そのワンダリングブラザーズについて話すのではなく、会話中、たとえの一つとかでその名を出すんですよ。」

「そうすればそれを知らない人たちはどんな意味か聞いてくるでしょう?」

「そのとき、魅力交えて伝えれば、事実上、相手側が関心を持ってワンダリングブラザーズについて聞いたことになって、記憶に定着されやすくなると思うんです。」

まったく根拠のない、無駄に説得力だけある会話術を伝えてしまったことをフリスクは若干後悔する。

しかし相手は腑に落ちたようで、実行してみる、と意気込んでどこかにさっていった。

そういえば、自分が人間だとばれなくてよかった。

モンスターは多種多様だから、人間のような容姿をしていても人間だと思われることは少ないのだろうか

フリスクは再び歩き出す。

全曲聞いてからでもよいのだが、時間をあまり無駄にするわけにはいかない。

途中、護身用のナイフを購入した。ナイフといっても殺傷能力はあまりなく、どちらかというと料理に使うものだが、まぁないよりかは幾分かマシだろう。

というか、金がなかったからそれしか買えなかったというのもある。

いくらか歩くと、通りのモンスターの数が少なくなっていき、やがて通りの終わりについた。

通りを出てもしばらくは明かりがともされていたが、進んでいくにつれ光は弱まり、やがて消えていった。

そこから30分ほど歩き、フリスクは立ち止まる。

空はすでに暗くなっており、どこに何が潜んでいるかわからない状況だ。

「今日はさすがにここで過ごすか」

フリスクはリュックに入っているテントを取り出し、組み立て始めた。

別に外で寝てもいいのだが、なにがいるかわからないので一応ラシウスから使わなくなったキャンプセットをもらったのだ。

テントを組み立て終わり、中に入る。

できるだけ軽いものを選んだので、中は一人入ったら満員だ。

中に寝袋をしき、ランプをともし、一夜を過ごす準備はできた。

「さて、、」

フリスクはラシウスからもらった本を開く。

本はこの世界の地理についてだ。

おおまかな都市の歴史や地図、その他交渉術など知っておくと便利な情報が載っている。

この本を一言でいうと、旅の初心者ガイドブックのようなものだ。

本を4分の1ほど読み終わると、目が痛くなった。

さすがに連続ぶっ通しで書物を読み漁っていたのだからこうなって当然か。

本を閉じランプの光を消す。

念のため、枕の横に護身用のナイフを置き、フリスクは眠りにつく。

なにもなければよいのだが。


とても平和ボケした世界観だなと、読むのをやめようとしているのならやめてください。

今からが争いの始まり。

まだ‘序章‘は終わっていません・

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