二章 文化祭
今回はフザケまくりました。
もしかしたら御覧になった方の寿命が31フレーム短くなるかもしれませんが、見て下さい。
なんか武器を担いでモンスターを狩っている仕事をしている人によると31フレームはめちゃくちゃ長いそうですが、長いです。
でも、現実の文化祭も文化祭の準備期間も頭がおかしくなるくらいに楽しいし思い出に残るから許してね♡
小説家になろうってサイトで書いてますが、広告が助兵衛なのでとても助かっています。
その日のロングホームルームにて、クラスで話し合いが行われていた。
「決まった班から発表してください。」
教壇の前で綾野が話し合いを仕切っていた。後々に行われる文化祭に向けて何をするかをクラスの皆で決めているところだった。
「はーい、メイドカフェとかどうすかー?」
後ろ側の窓際の班が手を挙げて言った。
「僕らはお化け屋敷がいいかなって思うけどな〜」
手前の真ん中の班が言う。
「私達もメイドカフェ、良いかも。」
手前の窓際の班が言う。
「なんか、簡単なゲームとか出来る施設みたいたのとか良いんじゃない?」
後ろ側の廊下側の班が言う。
「ふうz」
手前の廊下側の班員の一人がそう言いかけた途端、鈍器で殴られたような鈍い音が響き渡る。血の海が出来ていたが誰も気にしていなかった。
「やっぱさ、射的とか面白そうだよな!」
後ろ側の真ん中の班が言う。これで、全部で六つの班が意見(?)を言い終わった。後ろ側の廊下側の班は、察せ。
「じゃあ、こんなかで決めるか…」
綾野は黒板にメモしてある皆の意見を見ながら言った。
・メイドカフェ
・お化け屋敷
・ゲーム施設
・射的
「おい、起きろ亮真。」
綾野は隣で半分寝ていた亮真を起こす。亮真は退屈そうに欠伸をしながらその身体を起こした。
「なんだよもう…」
「ちゃんと委員長の仕事をしろ。」
「俺、嫌だって言ったのに…」
「いいから働け。」
声のトーンが低くなると同時に、亮真は自分に鋭い眼光を放たれていることを悟る。これ以上綾野を怒らせると多分現世だけでは無く、来世も綾野に殺されると悟った。
「ったく…仕方ねぇな…」
亮真は椅子から立ち上がり、クラスの皆を見た。
「全員机に顔を伏せろ。」
亮真の一声で皆がすぐに机に顔を伏せた。何か威圧感のようなものを横から感じ取る綾野。
「心の中でじっくり考えろ。選択肢はメイドカフェ、お化け屋敷、ゲーム施設、射的だ。もう一度言う、メイドカフェ、お化け屋敷、ゲーム施設、射的だ。」
その後、少し時間を置く亮真。無言の時間を置いておく。
「まず、メイドカフェがいい人は手を挙げろ。」
その時、半数以上がメイドカフェに手を挙げた。
「降ろせ、次にお化け屋敷だ。」
そしてゲーム施設、射的と続けていく。そして、全部の投票が終わった。すると、
「結果を発表するから、綾野、ドラムロールを頼む。」
「え、ドラムロール?」
「仕方ねぇな、俺がやるから発表しろ。」
すると、制服のポケットから白い半円の形をしたポケットを取り出して、そのポケットの中からドラムを取り出した。
「四〇元ポケットにドラム…入ってるか。」
亮真は取り出したドラムからドラムロールの音を出す。
ドゥルルルルルルルルルルルルルルルル、ダン!
「メイドカフェでーす!」
クラスは大盛りあがりだった。メイドカフェに決まったこともあるが、本物の四〇元ポケットを見るとこが出来たことへの喜びもあった。
「亮真、ドラムやったことあるの?」
「無い。」
「え、初見?」
「そう。」
絶対に素人じゃ出来ないような腕前を見せていたが、亮真だからという理由で妙に納得した。そして、これから文化祭の準備の日々が始まるのであった。
「へ〜綾野ちゃんのクラスはメイドカフェか〜」
学校にある武道館で早めに来た双葉と綾野は話していた。無事、武器部の許可が下りて武道館が使えるようになった。
「双葉は何をすることになったんだ?」
「私達はお化け屋敷だよ!」
「お化け屋敷か〜双葉がお化けとして出たら可愛くて抱きしめちゃうかも!」
「えへへ、そんな〜」
そんな話をしていると、他の部員達も来る。
「…うす…」
「どうも先輩達ー!」
「どうも〜…」
新羅と響也と唯愛が武道館にやって来た。これで五人来たことになり、あとは亮真と嬢子だけになる。
「さて、来てみたものの、どうするかな…」
「やっぱり、組み手とかすかねェ。」
もうすぐ5:30になるギリギリで亮真と嬢子が来た。何故か亮真はびしょびしょになっている。
「どうしたその格好?」
「高遠亮真、コイツは炭酸を振った状態で溢さずに飲めるかチャレンジして見事に失敗した。」
「…馬鹿…」
「先輩ってデラ馬鹿なんすね。」
「亮真先輩からC○レモンの匂いがします…」
どうも作者です。今一番好きなジュースは○Cレモンです。◯ントリーさん、俺をCMに呼んでくれたら一生懸命頑張ります!どうかよろしくお願いします!
「本当にオファー来たらどうするんだよ馬鹿作者。」
「高遠亮真と同じくらいの馬鹿だな。」
亮真と作者は永遠の悲しみに暮れた。
「じゃあ、手合わせでもしやす?」
響也が立ち上がる。
「俺が相手をしよう。」
亮真が響也の手合わせをすることになった。ちなみに、武道館といっても半分が剣道部が使ってもう半分が使われてない柔道の畳の床なので、柔道の場所を使っている。
「間違えて首刎ねても、文句言わんといて下さいなァ亮真先輩。」
「安心しろ、何を間違えても死なんからな。」
二人が向き合う。互いに大鎌と刀を取り出した。すると、取り出してすぐに響也は亮真に向かって斬りつける。
「おい!まだ合図をしてないぞ五十嵐響也!」
静止しようとする嬢子だが、身体を躱した亮真が響也の攻撃を受け止めながら言う。
「…殺し合いに、合図もルールも無ぇぞ。」
次々に斬りつけていくが、何をしても全て躱される響也は次第に焦りを覚えた。
(クソ…なんやこれ…まるで壁と戦ってるみたいや…)
どんな攻撃をしようと躱されたり受け止められたりできりが無い。一旦距離を取ろうと離れようとしたその瞬間、
「終わりだ。」
(デラマズい…!)
亮真の斬撃を見て咄嗟に防御姿勢を取る。しかし、その瞬間亮真の姿が目の前から消える。
(なっ…どこや…!)
「はい、シュパッ。」
項に冷たい感触がする。ゆっくりと後ろを振り返ると、首元を刀の峰で斬るような動作をしていたのだ。完全に後ろを取られていた。
「正面から来ると思っただろう?残念、正面から斬りつけるフリをして背後を取った。」
「…戦場やったら5回殺しとるみたいなモンっすかね…」
「何言ってんだ、命は一つだから一回だろ。」
「馬鹿、そういう意味じゃねーよ。」
横から綾野が野次というかツッコミを入れる。
「まぁ、頭を整理する為に距離を置くのはいい判断だ。」
「いやぁ、素手で戦っとるしか見たこと無かったっすけど、バリンコに強いっすね。」
「高遠亮真は多分まだ本気を出してないぞ。」
「え、亮真先輩ってそんなに強いんですか?」
「なんていうか、亮真くんって怪物より怪物みたいな感じだよね。」
「…圧倒的強者…」
二年生からのこの讃えようは本当だということは十分に理解出来た一年生の二人だった。
「もし亮真先輩が本気出しとうたら死んでたんすかね…」
「壁突き抜けてふっ飛ばされて全身打撲で最悪死ぬな。」
「怖。」
少し命の危機を感じた響也の後に、双葉がこんな提案をする。
「ねぇ、この中で誰が強いかランキングつけようよ!」
「棄権します。」
「するな。」
綺麗な挙手を見せた亮真だったが綾野に止められた。
「妾は賛成だ。」
「…賛成…」
「私も良いと思います。」
「俺もええと思いますで!」
「私も良いと思う。」
「棄権します。」
「満場一致だね!」
一人だけ意見を捻じ曲げられた。これが現代社会の闇と言うものなのだろうか。作者は現代社会とか政治とか全くわかりません。
「響也、さっきの試合カウントしたいか?」
「しないっす!」
やる気に満ちたその声に亮真は気怠さを感じるのであった。
(あぁ、5試合に減ると思ったのに。)
文化祭準備期間
クラスの皆が文化祭への期待や世間話で盛り上がりながら外装を作っている。綾野と亮真は経費など話し合いをしていた。
「さて、メイドカフェのメニューは何にするかだな。」
「白湯。」
「せめて水にしろ。」
「一酸化二水素。」
「水って言え。」
そんなボケとツッコミを交わす中、複数人の女子生徒達が二人の元へやって来た。
「綾野ー、メイドって誰がやんの?」
「私結構気になるんだよねー」
少しワクワクした様子で話してくる。メイドは接客やら可愛げやら色々と必要になってくるらしいのでいい人を選びたい。
「んー…◯ッパーか◯ラボットで良いんじゃね?」
「文化祭にAIを持ち込むな。」
「まぁ、今のところ未定だから明後日までに決めておく。」
「わかった、楽しみにしてるねー」
そういうと元の作業に戻っていった。
「おい亮真、本当に明後日までに決められるんだろうな?」
「勿論、とことん付き合ってもらうぞ。」
亮真のその一言で綾野のハートが撃ち抜かれそうになる。
(はぁはぁ…本当に危ない…)
「お前顔赤いぞ、消毒飲んだか?」
「…馬鹿…」
「ま、今は商品のことについてだな。」
亮真は気を取り直すように咳払いをする。綾野も気持ちを切り替える為に姿勢を再び整えた。
「まず当たり前だが来る客に対して水を出す、よく他の飲食店であるよな?」
「それはそうだな。」
「まぁコップは紙コップを使う訳だ。」
「それを買う予算が必要だな。」
「次に商品についてだが、俺的に外せないのが普通のジュースと牛乳、そしてコーヒーだ。」
「牛乳はコーヒーと混ぜてカフェオレとか作る為だな。」
「その通り。そして信用できる人からある情報を聞いたんだ。」
「それは?」
「一般公開アリの文化祭に来る人の割合は、未成年7割成人3割らしい。」
「ちなみに、誰の情報だ?」
「作者の目分量だ。」
綾野が絶句する。馬鹿の言うことを馬鹿が信じてしまったのだと。馬鹿の感覚ほど信頼出来ないものは宇宙の中で一つも存在するのだ。きっともっと信頼出来ないものがこの世にあると作者は信じている。
「作者は数ヶ月前というかなり最近に文化祭に参加しているんだ。ちなみに作者はお化け屋敷をやっていたらしい。」
「…まぁ、信頼してみよう。」
「ありがとう。そこでジュースの供給を増やしていきたいと俺は思ったんだ。」
「子供が多いからか?でも子供でもコーヒー飲む人はいるぞ。」
「これも作者の目分量だが、学校に置いてある自動販売機でコーヒーを買っている人を見たことが無いらしいぞ。」
「カフェオレは?」
「そこが問題なんだ。」
亮真がポケットからサングラスを取り出して碇ゲ◯ドウのようなポーズを取る。
「作者の学校に置いてある自動販売機に、カフェオレが売っていないんだ。」
「え、じゃあカフェオレが人気かわからないじゃん。」
綾野がそう言うと、亮真がサングラスを外してポケットに仕舞う。
「それが、ここ最近作者が新事実を手に入れたらしい。」
「え、何々?」
少し興味ありげに聞く綾野。
「作者のクラス、カフェラテが好きな人がまぁまぁ居たんだ。」
「え、でも偶々じゃないの?」
「確かに、作者のクラスだけじゃデータが足りない。しかし、ある程度の良そうなら出来る。」
「どうやるの?」
「まず作者のクラスの人数が…」
数十分後
「…そして、ここで仮説検定を使うことで…まぁまぁいると考えてもいいと思うぞ。」
「…何となくわかった気がするが…まぁいいや。」
「そこで、ジュースと牛乳とコーヒー、あと水とコップの値段も含めて計算すればいい出来になると俺は思う。」
「成る程、色々とお店周って調べよう。」
「コップはダ〇ソーがあるから良いとして、他はスーパーかな。」
「出来るだけ安いところが良いか?」
「んー、まぁ何があるか分からんから良いかもな。」
キーンコーンカーンコーン
「…まぁ区切りは良い感じかな。」
「ところで亮真、メイド役のことだがどうやって決めるつもりだ?」
「それは、夜にLINEで送る。」
「…わかった。」
そして、二人は各々の掃除場所に向かった。
夜
ピロン♪
綾野のスマホから通知音が鳴る。勿論、亮真からだった。
リョーマ「お前が聞きたがってたメイド役の件についてだ」
アヤノ「教えろ」
越◯リョーマ「パイレーツ・おf」
アヤノ「お前のスマホウイルス感染してね?」
リョーマ「ちげぇよ」
リョーマ「てゆーか◯等院のアイデンティティまで奪うなよ」
アヤノ「何言ってんの」
リョーマ「何でもない」
アヤノ「それで、どうやって決めるんだ?」
リョーマ「くじ引き」
アヤノ「え?」
リョーマ「その為に春山先生がいつも使ってるくじ引き借りるわ」
春山先生とは、亮真達の数学の先生で誰かを指名するときはいつも割り箸で作ったくじを使っている先生である。しかし天然だったり文字が可愛いと人気が悪い訳ではなくむしろ人気が高い先生である。
アヤノ「でも私達で慎重に厳選したほうが良くない?」
リョーマ「面倒くさい」
アヤノ「働け」
リョーマ「何よりも、つまらない」
綾野は目を見開く。
リョーマ「確かに俺らで厳選をすればメチャクチャいいメイドカフェに出来る」
リョーマ「それは自信を持って言える」
リョーマ「でもさ、俺らに決められるってなんか嫌じゃないか?」
アヤノ「それじゃ、皆にやりたい役決めるのは駄目なのか?」
数十秒後に返信が来た。
リョーマ「それいいね」
リョーマ「まずそうするべきだったわ」
アヤノ「まぁくじ引きも良いと思うけどね」
リョーマ「俺がクラスラインに投票入れとくわ」
アヤノ「ありがとう」
食◯のソーマ「k」
アヤノ「やっぱ何か感染してるって」
リョーマ「安心しろブロックした」
アヤノ「テニスの◯子様はわかるけどなんで食◯のソーマがいるんだよ」
リョーマ「そんなの作者が昔からソーマのことリョーマって言ってたからに決まってるだろ」
アヤノ「馬鹿め」
作者「俺が恥ずk」
アヤノ「こっち来んな」
リョーマ「殺すぞ」
翌日
「よし、あとは店内を完成させるだけだな。」
「とは言ってもあと残り4日、もうすぐ完成しそうだな。」
「俺達は計算とか見直ししよう。」
「うん。」
亮真と綾野はジュース代諸々の支出の確認をしていると、
「わっ!」
二人が向き合っている間の机の上に、仮面を被った謎の女子生徒が現れた。
「きゃっ!」
思わず綾野は悲鳴を上げると、仮面を被った謎の女子生徒が仮面を取った。その正体とは…
To be continued…
「終わらせるなよ。」
「二つの意味でビックリした…双葉かぁ。」
「えへへ、怖かったでしょ?」
「思わず声が出ちゃった。」
綾野の反応に嬉しそうな表情を見せる双葉。その後ろには新羅と嬢子、響夜と唯愛も居たのだ。
「先輩達、もしなんすがシフト合うたら一緒に学校周りまへん?」
「シフトが合ったらでいいので…嫌なら大丈夫ですっ!」
「…」
新羅は無言だが、仲間になりたそうな目でこちらを見ていた。ド◯クエだか◯怪ウォッチだかわからない。
「構わないぜ。」
「私もOKだ。」
「ありがとう!二人ともシフトっていつ?」
「俺は正午。」
「私も同じだ。」
「先輩、私も同じ正午です…!」
唯愛が少し安心した様子で言うと、双葉が悔しそうな顔をした。
「私のシフト午前だから一緒に周る時間が午後しか…」
ムンクの叫びだか文句の叫びだか死を纏うヴァ〇〇ザクだか忘れたが、そんな顔になっていた。とりあえずショックを受けている。
「とりあえず、シフト交代時間になったら三階の渡り廊下に集合だ。わかったか高遠亮真に足立綾野。」
「「勿論だ。」」
「あっ、ハモった!」
「真似すんなよ気持ち悪い。」
「俺にゴリラの鳴き真似が出来…」
その瞬間、亮真は綾野によって全身をグチャグチャにされた挙句、賠償金として1000兆11円を貰った。
「最近の◯まい棒は11円になってしまったのか…」
亮真が嘆いていると、
「私はコーンポタージュ味が好き!」
「私は明太子だな。」
「…明太子…」
「俺は納豆っすね!」
「私もコーンポタージュです…」
「◯まい棒とは何だ?」
「ぶっちゃけ◯まい棒買うなら10円ガム買うわ」
二人空気を読まない奴が居た。
✕→空気を読まない
◯→空気を読めない
「この作者マジで殺して良いかな。」
「妾がとっくに頭を叩き切った。」
作者の頭には赤い液体が流れていた。
「それじゃ、あと少し互いに頑張ろうぜ。」
皆が頷いた後、持ち場に戻った。
気持ちが少々昂る。自分達の努力が今、報われる時が来たと思う。綾野は一足早く学校に到着していた。
「…当日か。」
駐輪場に向かうと、十数台の自転車が留めてあった。一番早く来てしまったと心の中で思っていたが、まだ自分よりも早い人達が居た。
(偉いな…)
そう思いなが玄関、そして教室及び店へと向かった。
ガラガラガラ
ドアを開けるが勿論誰も居た。
「よう、早いな。」
まるで当たり前かのように亮真が居たのだ。少し驚いて身体がビクンとした。
「お前もだろ亮真。」
「丁度いいや、剥がれそうになってるところ補強してくれ。」
「…わかった。」
綾野は亮真の指示に従う。少し剥がれてしまっている飾りをセロハンテープで固定する。ふと綾野は亮真の姿を見る。視線はずっと手元に夢中で黙々と作業を続けていた。
「…亮真。」
「なんだ?」
「最初は、面倒くさそうに寝てたりしてたのに、頑張ってるじゃん。」
「俺はただ、面倒くさいと感じて無いだけだ。」
綾野は不思議そうに亮真を見る。そういえば、亮真が面倒くさいって思わないものってなんだろうと。
「俺はつまらんものとか退屈なものは嫌いだ。楽しくて面白いものが好きだ。」
「楽しいこととか面白いものって?」
「それは…」
ガラガラガラ
「あっ、二人とも早いじゃん。偉っ。」
「おっは〜」
二人組の女子生徒が入って来る。この二人組が着たところを境に少しずつ人数が集まり始めた。
「さ、やる気出すぞ。」
そう言いながら亮真は綾野に何かを投げ渡した。見てみると、なんか時々見るけどあまり買おうとは思わない◯ブリチュウというお菓子だった。食ってみろ、飛ぶぞ。
「…そうだな。」
そうして、文化祭は本番を迎える。
午前
集合場所である三階の渡り廊下に亮真と綾野が向かうが、そこにはまだ誰も居なかった。少し待っていると、唯愛と嬢子がやって来た。
「よし、他の三人はシフトだな。」
「あぁ、双葉が居ないのは残念だけど周っていこう。」
「はい、ついて行きますね。」
周りにはこの学校の生徒や、外部から見に来た人達が続々と集まっていた。既にかなり混み合っている。
「まず、どこ行くかだな。」
「高遠亮真、エスコートしろ。」
「トイレ。」
「とっ、トイレ?!」
そんなことを話しているというか漫才をしていると、周りを通る人々の視線に気づき始める。
(アイツ…めっちゃモテてるやん…)
(俺も女子と一緒に巡りたかった…)
(何回かヤってんのかな…)
(富!力!名声!)
「…何か只者じゃない雰囲気の人間が…」
「どうしたんですか先輩…?」
「いや、何でもない。」
結局、双葉と新羅がいるお化け屋敷にすることにした。
『愛の館』
なんかどう見てもアレ系にしか見えない文字の看板だったが、何故お化け屋敷と呼ばれているのかすぐに分かった。
「へぇ、メンヘラから逃れる脱出ホラーゲームねぇ…」
亮真が順番待ちをしながら雰囲気を見ている。もう少し名前を何とか出来なかったのかと思ったが何も言わなかった。
「もし双葉がメンヘラでも、私は受け止める。」
「メンヘラなど、SPがいるから無駄だ。」
「え、先輩ってSPさん居たんですか?」
「2人の先鋭が覆面で妾を見ている。ちなみに日替わりで40人が交代しながらだ。」
「へぇー凄いですね!」
そう言うと唯愛は来る人々をキョロキョロ見てみる。勿論何処にいるかも誰かも分からなかった。
「次の人どうぞー」
呼ばれた為、四人はお化け屋敷の中へと入っていった。唯愛は亮真の背中を掴みながら入っていった。
「それでは、ルール説明しますね。」
辛うじて照明はあるが、暗いところでルール説明や注意事項の説明を受けた。
「それでは、始めます。」
制限時間は2分間、それまでにメンヘラ彼女がいる館から脱出しなければならない。
「…亮真先輩…」
「なんだ?」
「くっついても…良いですか?」
「構わない。」
「…ありがとうございます。」
唯愛は亮真の腕を取って身体をべったり近付かせた。
「スタートです!」
そして、二分間のカウントダウンが始まった。最初の説明を受ける場面でも暗かったが、ここはもう真っ暗だった。支給された懐中電灯で綾野が辺りを照らす。
「えっと、次の⚫に入る数字…?」
何やら紙に謎解きのようなものが書いてある。ヒントらしきイラストが問題文の下に書いてある。
「高遠亮真、こういうの得意だろう。さっさと解け。」
「あ?見せてみろ。」
嬢子は紙を亮真に手渡す。すると、懐中電灯の明かりを照らす間もなく、
「3」
「やっぱキモいなお前。」
「え、なんでわかったんですか?」
「まぁ、わかったならさっさと進むぞ。」
嬢子がどんどん進んで、暗闇の中手探りで次の謎解きを見つける。
「次はこれを解け亮真。」
「7」
そして、嬢子が手探りで謎解きをを見つけて亮真に解かせるという作業を終わらせた。最後の部屋にはこんなものがあった。
「先輩、パスワードって…」
「2387」
「亮真、テキトーじゃ…」
ガチャ
鍵が開く音がする。
「高遠亮真、やはり気持ち悪いな。」
そして、亮真達が出ようとしたその瞬間。
「どうして私から逃げちゃうの…?」
後ろから声がする。唯愛は思わずビクっとして亮真に抱き着いた。あまりの恐怖で後ろを振り返ることが出来ない唯愛はその顔を亮真の頭に埋める。
「ねぇ、どうして?答えてよ!」
その手には赤く染まった包丁が握られて居る。すると、
「逃げるぞ。」
亮真が唯愛をヒョイと抱き抱える。すると、猛ダッシュで逃げ出した。
「なんで!…許さない!」
唯愛の心臓の鼓動は速く、激しく鳴っている。亮真の顔をずっと見ていた。そして、
「脱出おめでとうございます!」
お化け屋敷の出口に辿り着いたのだ。メンヘラ彼女は亮真達を追いかけていて綾野と嬢子のことを忘れていたらしい。
「えへへ、メンヘラ役美味かったでしょ?」
「渡辺双葉、あんな演技が出来たんだな。」
「双葉、女優になれるよ!」
興奮した様子で双葉をベタ褒めする綾野。別の人かと思うくらいの変わりように皆が驚いていた。
「今度、その状態で私に詰め寄って欲しい。」
「あはは…それはちょっと…」
目がマジな綾野を見て、そっちがメンヘラなのではないかと皆思ったのだった。
『◯亀素麺』
まさしく◯亀製麺みたいな屋台だったが、あそこで売っているのは素麺ではなく饂飩なので恐らくセーフである。
「いらっしゃいやせェ先輩方ァ!」
某饂飩チェーン店見たいな名前の素麺屋でラーメン屋の店員みたいな声で接客をしているナポリタン響也が居た。
「何で芸名みてェになっとるねん!」
「ナポリタン響也に改名したらどうだナポリタン響也。」
「俺は五十嵐や!」
「素麺六つ。」
呆れた顔で綾野が注文する。
「あれ?四つじゃ無いんですか?」
「亮真が三つ食うらしい。」
「早く食わせろ、お客様は天上天下唯我独尊バレリーナ様だろ。」
「カスハラと五条◯はやめてくだせェよ先輩〜」
「おい、その位置に◯を付けると駄目だろ。」
綾野が突っ込んでいる頃には素麺が出来上がっていた。
「とりま、ありがとうございやした〜」
「美味いなこれ。」
「食うの速!」
亮真の手には二つの素麺カップと、空のカップがあった。
「お客さ〜ん、それシャカシャカしてから食うモンすよ〜、まぁ美味いなら構わへんけど。」
「こ、こうですか?」
シャカシャカと素麺カップを振っていく唯愛。中に入っている素麺とつゆ、そして天カスやネギなどの薬味や具材が混ぜ合わさっていく。
「…美味しそうです!」
「クラスン皆で作った自信作や!正味、滅茶苦茶に美味いで。」
「それじゃ、頂きます。」
ズズズズズと麺を啜る。
「!」
「どや?」
「美味しい!」
そう言うとさらに素麺を食べ進める唯愛。綾野と嬢子も同じようにして素麺を食べる。
「結構美味いじゃないか。」
「悪く無いな。」
「いやァ、先輩方にンも気に入って貰えて良かったっす。」
「だから俺は3つ買ったんだ。」
空のカップを3つ持った亮真が隣で3人が素麺を食べている様子を見ていた。
「先輩?ちゃんとシャカシャカしたンすかァ?」
「勿論、かなり気に入ったぞ。」
「…ま、満足らしンで、いいっす。」
皆が食べ終えていた頃に亮真は、クレープを買って丁度食べ終わっていた頃だった。
正午
「さて、渡辺双葉と十川新羅と五十嵐響也はそろそろ来るか。」
三階の渡り廊下で嬢子が一人で立っていた。周りを見てみると午前よりもより一層人が賑わっていた。
「おまたせ嬢子ちゃん!」
「来たな渡辺双葉、十川新羅。」
「…」
主人公の亮真が居なく心配だが、果たして何とか盛り上がれるのだろうか。
「出しゃばるな作者。」
「おーっす先輩方!」
これで、響也が来たことで四人揃ったことになる。
「さて、何処行きやしょうか?」
「やっぱり、メイドカフェ行ってみたい!」
「やっぱり彼氏さん所行きたいっすよねェ、それじゃ行きやしょ!」
「えっ!まだカップルじゃ…」
明るい二人の後を新羅と嬢子が付いて行く。嬢子は呆れた顔を、新羅な少しニヤついた顔をしていた。
『ふじんこカフェ』
普通。名前にインパクトがあまり無い。なのに何故か店先には行列が出来ていたのだ。男女関係無くお客様がやってきているらしい。
「これ、バリンコ時間かかるんとちゃいます?」
「妾が列を取っ払ってやろう。」
「ソレ、道徳的にアカン気ィしやすけど…」
双葉は亮真が何処に居るか背伸びをしながら夢中になっている。
「妾を長時間待たせるつもりか?」
「まぁまぁ、こういうモンは待ち時間が付きモンっす。」
待たされていることへの苛立ちを隠せない嬢子を響也が宥めていると、横を通り過ぎていく先客の声がふと耳に入った。
「いやぁ〜アヤノちゃんが可愛い過ぎたでござるな!」
「思わずおっふと声を出してしまいました。あの時は至福の時間でしたなぁ。」
如何にもな男二人はそう話しながら何処かへ消えていった。
「綾野ちゃんがメイド姿?!」
「あの怖ェ先輩がメイドとはァ…俺も楽しみですわ。」
「…クク…」
如何にもな笑みを浮かべた新羅を横目に、嬢子はさらに先客の聞く耳を立てると気になる情報を得た。
「どうやらとある合言葉を言うと何かが起こるらしいですぞ。」
「そうなんですか?その合言葉を知ってる人って居るんですかね?」
「どうやらこのメイドカフェにシフトが入っている生徒から情報を入手出来るそうでござる。」
「参ったな、この学校のことまだあまり調べて無いですからね…」
そして二人組は聞こえない位置まで行ってしまった。
「先輩、合言葉って言ってやしたよね?」
「あぁ、確実に言っていた。」
嬢子と響也は目を見出せる。そして、互いに頷いた。
「渡辺双葉、十川新羅。」
「どうしたの?」
「妾と五十嵐響也はお手洗いに行く。」
「わかった、いってらっしゃーい!」
健気に手を振る双葉。二人ともそれに応えて手を振ってとある場所に向かった。
「ちょっと私トイレ行ってくるね!」
「行ってらー」
一人の女子生徒が女子トイレの中へ入る。中はシンとしていて人のいる気配は無い。それを気にせず個室に入った途端、
「キャ…」
突然口を塞がれ、羽交い締めにされた。そして、耳元でこう言われる。
「自分、メイドカフェ関係者やろ?どうやら合言葉っちゅーモンがあるらしいんや。痛くはせェへん。その合言葉を教えて欲しいんや。」
少しドスの効いた低い声で言う。女子生徒は思わず口を開いた。
「あの…実は合言葉じゃないんです…」
「どゆことや?」
「来店したときに…誰を指名出来るか…選ぶ欄に書いてない…だけで…言えば…隠しメイドが選べるんです…」
「隠しメイドの名前は?」
「えっと…ヒロネ…です…」
「成る程な。」
すると、力が緩んで解放された。振り返ると、
「…嬢子さん?!」
「何でこんな機械持ってんか知らへんけど、情報ありがとな?」
「妾からも礼を言おう。」
嬢子とまるでその場にいるような声のする機械にお礼を言われた女子生徒は気まずそうにトイレから出ていった。
「あっ、おかえり二人とも!」
「おっ、大分進んどるやん。」
嬢子と響也は列に並び直す。そして、暫く待っていると、
「次のお客様どうぞー」
男子生徒とが呼びかける。そして、四人は店内に入っていった。
「四名様ですね、では、こちらの席へどうぞ。」
そう案内され、席に座る。すると、こんな紙を手渡された。
「この中から一人、メイドをお選びください。」
その紙には六人のメイドが居た。
「あっ、綾野ちゃんだ!じゃあ…」
「"ヒロネ"」
「え?」
双葉が唖然としていると、目を見開いた店員がこちらを見た。
「本当によろしいですか?」
「勿論だ。」
「…わかりました。」
店員さんがスタッフルームへと向かっていく。新羅と双葉はまだ状況を掴めていない。
「ヒロネさんって人…いないよ?」
それでも三人は無言でスタッフルームの様子を伺っている。すると
バタン
「なんで俺の存在知ってんだよお前ら。」
メイド服姿の亮真が出て来たのだ。しかも、しっかりと化粧や鬘も被っていたのだ。
「ちょ先輩!wオモロ過ぎやすって!w」
「おい、似合うんじゃない高遠亮真。」
そう突っ込んでいる中、双葉と新羅はまだ固まっている。
(亮真くん…可愛すぎる!好き!)
(亮真…男の娘だったのか…)
「さっさと注文しろご主人様野郎。」
笑いが絶えない響也を髪と瞳を真っ赤に染めながらキレてる目で見ている亮真だが、周りは亮真に釘付けだった。それは亮真を本物の女子と間違えているのか、はたまた男の娘と認識して見ているのか分からない。
(あの子…可愛すぎる!)
(あーあの子と合体出来たらいいなぁ…)
(オジサンと結婚してくれぇ!)
そんな欲望を勿論亮真は嫌でも感じ取っていた。
(…後で纏めて地獄に送ってやるよ…)
「私は!オレンジジュースでっ!」
声が裏返りながら双葉が注文する。
「…あ、あ…え………あの…、はい、…コレ…」
ガタガタ震えながら新羅はメニューのカフェオレを指さして注文した。
「俺は、ソーダで頼みますわ!」
「妾はカフェオレだ。」
「…ったく…承ったぞご主人野郎。」
すると、怒りでつい自分持っていたシャーペンを折ってしまった。
「…失礼…」
そして厨房に向かっていった。
「先輩、滅茶苦茶キレてやすね。」
「高遠亮真、このままだと学校を破壊するかもな。」
すると、お盆に載せた飲み物が運ばれて来た。
「お待たせ、いや待たせてねぇか。」
「先輩、流石に早すぎやしやせん?」
「気にすんな。」
亮真は注文された飲み物達を次々と慣れた手つきで置いていく。
「手でハート作れ。」
「萌え萌えキュンってやつだな。」
「そうだ、さっさとしろ。」
四人がハートを作ると、亮真がハート型を作った。
「美味しくなーれ、萌え萌えキューン。」
「「「「萌え萌えキューン…」!!!」」」
三人はノリノリでやった。そんな中にいる新羅を亮真は心の中で憐れんだ。
「亮真くん!しゃ、写真撮ろ!」
「…仕方ねぇな…」
溜め息をつきながら亮真は双葉の隣に寄った。
「はいチーズ!」
パシャパシャ
「ありがとう亮真くん!」
「構わないが、響也、お前は許さない。」
「あっ、バレた。」
響也は美少女(?)から説教を食らったのであった。
午後
三階渡り廊下で双葉と新羅と響也が待っている。
「ようお前ら。」
「亮真くん!」
双葉はすぐさま亮真に飛びついた。それと同時に殺意の眼光を亮真に放ちながら後頭部を殴りつける綾野。もうテンプレートとなっている。
「唯愛ももうすぐやと思いやす。」
案の定、すぐに唯愛がやってくる。そして、亮真と双葉の様子を見るなり亮真に話しかける。
「先輩、私も良いですか…?」
「…構わん。」
すると、背中側から亮真にくっつく唯愛。まるでサンドイッチだった。
「亮真くん…硬いね…」
誘惑するように亮真に言う。
「肩触りながら紛らわしいこと言うな。」
「先輩…硬いのが…」
「ケツ触るな痴漢。」
この光景は周りを通っている人々の目を引き付けていく。
(この学校にもヤリ◯ン居るんだな…)
(もう女の方から求めてんじゃん。)
(竿仲間どんくらい居るのかな…)
勿論、亮真は周りの目線も考えてることも全てお見通しだった。
「みんな〜今から何処に行こうか〜?♪」
不気味なくらい上機嫌な雰囲気で綾野が皆に呼びかける。コメカミには今にもはち切れそうな血管が浮き出ている。溢れ出る殺意を亮真はすぐに察した。
「嬢子がいる茶道部とか行かねぇか?」
気が付くとさっきまで二人に抱き着かれていた亮真は綾野の隣に居た。双葉と唯愛の二人は気づいたら抱き合っていた。
「先輩、その瞬間移動みたいンのどうやンすか?」
「極限まで気配と存在感を消す。」
「…成る程っす。」
『茶道部部室』
茶道部は家庭科室の隣にある為偶に前を通るのだが、茶道をやっているところは見たことが無かった。多分作法とかやってる。
「あっ、ドア空いてやすよ。」
ドアを開ける時のガラガラ音を無くすためなのかドアが開きっぱなしになっていた。正直、侘び寂びとかよくわからない。
「入りま〜す…」
綾野が入ると、そこには数人の生徒と嬢子が待ちくたびれたように座布団に腰掛けていた。
「よく来た、暇で仕方がなかったんだ。」
すると、さっきまで姿勢を崩してくつろいでいた生徒たちは一斉にきちんとした正座で座る。嬢子も同じような綺麗な正座をしている。
「さ、座れ。」
言われるがまま皆は正座をする。
「あぁ、今日はお茶とかの体験だから作法とか気にしなくても良いぞ。」
「あぁ、わかった。」
すると、正座の体勢のまた亮真の身体が浮かび上がり、そのまま天井に正座をした。文化祭の後半で疲れていたのか、誰も気に留めなかった。
「立てるぞ。」
嬢子はコンロの上に鉄器の薬缶を置いて中に水を注ぐ。そして火を付ける。お湯を作っている間にお茶の粉を取り出して人数分の茶碗の中に粉を振るっていく。お湯が出来ると、その茶碗の中にお湯を注いでいく。そして竹で出来たアレでお茶を立てる。
「どうぞ。」
お茶を綾野に差し出す。
「あ、ありがとうございます。」
受け取ったお茶を手に取り、二回少し回して飲む。普通に美味しいお茶だった。そしてもとに戻すように二回少し回して戻す。
「どうぞ。」
次々とお茶が渡されていく。皆は綾野の真似をしてお茶を飲んでいると、
「高遠亮真、お茶が渡せないから降りて来い。」
「はーい。」
そう言うと、亮真はゆっくりと降下していって頭から着地した。その時少しゴンって音がした。
「戻って来たぞ。」
「どうぞ。」
亮真にお茶が渡された。亮真はそのお茶を手に取ると、まじまじと見つめる。
「どうした、飲まないのか?」
すると、亮真は茶碗を再び置いてしまった。そう、茶碗だけ。
「あれ、亮真くんの茶碗空っぽだ!」
「お前、いらん手品を見せるな。」
「お茶好きじゃないからイッキ飲みしたんだよ。」
「先輩、いくらなんでもイッキ飲みのスピードちゃいますよ。」
皆が呆れていると、そろそろ文化祭の時間が終わるということを知る。茶道というものは時間があっという間に過ぎるものなのだろうか。
「文化祭、終わっちゃうんですね。」
「なんか寂しいけど楽しかったね!」
「いい思い出になりそうだ。」
そう物思いにふけている中、あまりにも存在感が無さ過ぎてお茶さえ出されなかった新羅を、これを見ている人は追悼してほしい。
「…」
(……)
「一生残る思い出か…」
学校生活の中での一大イベントである文化祭。名残惜しいがこれで終わりとなるのだ。
「亮真先輩、あの後また素麺買いに行こうとしてたんですよ?」
「よっぽど気に入ってたんだね亮真くん!」
双葉と唯愛はこれからとても仲良くなりそうだ。そんな二人を亮真と綾野は見つめていたのだ。
「…何双葉のこと見てんだよ。」
「悪ぃかよ。」
「渡さないからな。」
「そんなことわかってる。」
放課後に担任の先生が皆にくれた菓子アイスの棒を見つめる。亮真はアイスの棒にしゃぶりつくタイプなのだ。
「もう、終わったんだな。」
「何言ってんだ当たり前だろ。」
「…お前はわかってないな…」
綾野がやれやれと溜め息を付く。
「名残惜しいとかさ、お前は無いのか?」
「無い。」
亮真は即答する。1年半の付き合いだが亮真の即答にはまだ慣れないものだ。
「…何でだよ。」
すると、
「俺も、お前もこの文化祭で全力出したろう?」
「まぁ、頑張ったっちゃ頑張ったけど。」
「俺らは、この文化祭を達成したんだぜ?全校生徒と外部の人が来る大イベントで、恐らく1000人はいたぜ?」
そして、亮真は持っていたアイスの棒をバキリと折った。そして笑った。
「俺は、大満足だ。」
綾野は自然と笑顔になる。この文化祭はどうだったかと聞かれたら、勿論、こう答えるだろう。
「…あぁ、私も大満足だ。」
そして、二人の文化祭の幕は閉じられたのであった。




