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今年も彼女ができなかった  作者: 落川翔太
4/8

4.


その朝、司はいつものように電車に乗って、通勤していた。

電車が駅に着き、そこで何人かの人が降りて行った。それから、一人分の席が空いたので、司はそこへ座ろうとした。

その時、ちょうどその車両のドアから入って来た女性がその席に座ろうとしていた。

それから、司はその女性とその席でお互い譲り合いになった。司はその席に座るのを諦めて、彼女に席を譲った。彼女は申し訳なさそうにその席に座った。

彼女はとてもきれいな人だった。

その後、司は彼女の前に立って、携帯をいじっていた。彼女も携帯をいじる。

それから、二駅過ぎたところで彼女が席を立った。

「次、降りますから、良かったら座ってください」

 それから、彼女がそう言った。

 司の会社はもう一つ先の駅だった。司は一駅なら立っていられると思ったが、せっかくなので彼女の言葉に甘えることにした。

「ありがとうございます」

 司はそうお礼を言って、その席に座った。

 それからしばらくして、その電車が駅に着いた。駅に着いて、彼女は司にペコリと頭を下げると、すぐにその電車から降りて行った。

 その後、司は彼女のことを考えた。彼女はどんな人なのだろう。スーツを着ているのだから、会社員なのだろう。彼女はどんな仕事をしているのだろうか。歳はいくつだろう。

 そもそも彼氏はいるのだろうか。あんな美人だから、彼氏くらいいてもおかしくはないだろう。もしかすると、彼女は結婚しているのかもしれない。

 そう考えているうちに、電車が次の駅へと到着した。司は電車を降りて、会社へと歩いた。

 その翌日、司がいつも通りその電車で通勤すると、そこに昨日見た彼女の姿があった。

 司は彼女に会えたことで嬉しい気分だった。

 それから、司が彼女の方を見ると、彼女も司に気づいた。どうやら昨日のことを覚えているようだった。その後、司は軽く頭を下げて、彼女に挨拶をした。それから、彼女も司にペコリと頭を下げた。その日はそれだけだった。

 その次の日も司はその電車に乗った。その日も彼女に会うのを楽しみにしていた。

 司は到着したその電車に乗って、いつものように会社へと向かう。すぐに司は車内を見回した。しかし、そこに彼女の姿はなかった。

 どうしたのだろうと、司は不思議に思った。昨日、一昨日とここに彼女の姿はあった。

 寝坊だろうか。もしかしたら、彼女は遅刻をしたのかもしれない。それで、今日はここにいないだけなのではないか。そういう日もあるだろうと司は思った。

 もしそれなら、明日には会えるかもしれない。明日、彼女に会ったら、聞いてみようなんて司は思った。

 しかし、その翌日もその電車に彼女の姿はなかった。その次の日も司は彼女に会えなかった。それから一週間が経ったが、全く彼女を見なくなった。司は残念に思った。

 彼女と仲良くなりたかった。彼女の名前を知りたかったし、どんな仕事をしていたのかも知りたかった。司は彼女に惹かれていた。付き合いたいと思っていた。連絡先なんかも交換できたらいいのにと思っていた。

 また会えるだろうか。もしまた会う機会があれば、今度こそ彼女と話をしようと司は心に誓った。

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