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今年も彼女ができなかった  作者: 落川翔太
1/8

突然ですが、皆さん、恋人はいますか? いませんか?


この物語の主人公は、二十四歳で彼女がいない男です。彼は「彼女」欲しさに奮闘します。

オフィスラブの恋愛小説です。果たして彼は、彼女を作ることが出来るのでしょうか。


1.


大晦日だった。

 その年、小室司こむろつかさは彼女がいなかった。二十四歳だった。司は「彼女」が欲しいと思っていた。

 昨年も司は彼女がいなかった。それどころか、司には今まで彼女がいたことはなかった。

 年齢的にもそろそろ自分にパートナーがいればいいなと司は思っていた。


「会社に女の子はいるだろ? 誰か気になる子はいないの?」

 その日、高校時代の友人たちと飲んでいた時に、そのうちの一人である井上がそう訊いた。

「女の子はいるけど、気になる子は別にいないかな……。」

 司がそう言うと、「そうなのか。じゃあ、ダメか……。」と、彼は残念そうに言った。

 その後、司はふと、会社にいる一人の女の子が思い浮かんだ。

河合朱莉かわいあかりだ。彼女は同期の一人だった。司は彼女のことを少しだけ気になっていた。

「あ、一人いたよ」

 それから、司がそう言うと、「おいおい、誰だよ? 何って子?」と、井上が身を乗り出して訊いた。

「河合さんっていうんだ」

「へー。どんな子なの?」

「黒髪のロングヘアで、目が大きくて、とても可愛らしい子だよ。それにクールで大人っぽい子なんだ」

「いいじゃん! それで、その子には彼氏がいるのか?」

「確かいたと思う」

司がそう言うと、「マジか……。じゃあ、ダメじゃん」と、彼は残念そうに言った。

「ああ。そう言う井上はどうなんだ? 彼女はできたのか?」

 それから、司がそう訊くと、「いや、できないね」と、彼は呟くように言った。

 井上も彼女はいないらしかった。

「橋本は彼女できたか?」

 その後、井上が隣にいた橋本に訊いた。

「いや、俺もまだできていないぜ」と、橋本が言った。

 橋本も彼女がいないようだった。司たち三人に彼女がいなかった。

その年も司は彼女ができなかった。司は少し残念に思っていた。

 来年こそは、彼女が出来たらいいのになと司は思った。

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