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文章力ゴミです!よろしくおねがいします!
「父さんッ!母さんッ!」
焼けた村でグレンは叫ぶ。
「ふざけんなッ!クソヤロォがッ!!」
弱肉強食。
強者は弱者を蹂躙する。いつの時代もそうだ。
目の前に広がる理不尽も弱肉強食という言葉で片付けられる。。
突如飛来した翼竜によって焼き尽くされたグレンの故郷。
村の皆もグレンの父親も母親も皆焼かれた。
残されたのは焼けた残骸、家だったもの。
気のいい狩人のおっちゃんや、無口だけどやさしい職人のじいさん、村で人気だった美人のお姉さんもみんな死んだ。
(全部……あいつのせいだッ!)
広場にたたずむ紅い竜。村の家より一回り大きく、人間を灰にする炎を吐き出す口は今、村の仲間を丸呑みにしている。
「ぶっ殺してやるッ!殺すッ!殺すゥゥ!」
興奮していた。頭のネジが怒りで吹っ飛んでいた。
グレンは落ちていた木材を手に取って走り出す。
(死ぬんだろう……)
グレンは激情に駆られる中でどこか冷静な自分がそう思った。
「くたばれクソトカゲッ!」
全力で振り下ろした木材だったが、翼竜に鱗に傷はまったくつかず木材は折れた。
翼竜がこちらをまるで虫に気付いたかのようにゆっくり振り向き、目が合う。
蛇に睨まれた蛙が動けなくなるという話しがある。
明らかに力が違うものに威圧されると弱者は活動を止めてしまうのか……。
グレンはこの話でいう蛙だった。
さっきまで憎しみだった気持ちが一瞬にして恐怖に変わる。
永遠にも感じた一瞬は終わり、翼竜は飛び立った。
悔しいことに満腹になったというのことか。
体からブワッと汗が吹き出し、硬直していた体の力が抜けた。
安心したのも束の間、翼竜は空中で振り向き炎を吐き出した。
(あ、こりゃ死んだな……)
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体中がズキズキと痛み、思わず顔をしかめた。
ゆっくり体を起こし、辺りを見渡す。
(あれ、なんで生きてんだ?助かったのか?)
煤にまみれたて黒くなった体だが、火傷はなかった。
爆風で吹き飛ばされたおかげで体中傷だらけになりはしたものの、火傷がないのはあまりに不自然だ。
(チッ、考えてもしょうがねえか)
他に考えるべきことは山ほどある。
夜は危険だ。魔物が活発に徘徊する時間に加え、暗くて見えない厄介な時間だ。
悲しみに暮れている時間はない。
(街を目指そう……)
覚束ない足取りでグレンは歩き出した。