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1話>>怒り
今日は母さんの墓参りに行くはずだった。
家の庭に生えている、母さんが好きだった白い花を持って、道を歩いていた。
道を歩いている途中、ふっ、と、なんとなく空を見上げたら、何かが落ちてきて俺の顔面にすごい音を立てて直撃した。
どうやら俺は死んだらしい。
今俺がいるのは真っ白な空間。
そして、俺の目の前には宙に浮きながら寝る女か男かよくわからんやつ。
「何で浮きながら寝てんだよ…」
天国だったら何でもありってか。
かと言って目の前のやつを寝かせておく義理もない。
起こそうとしてそろっと手を伸ばす。
人間離れした白い肌に俺の手が触れようとした瞬間、俺の手はバチッと弾かれた。
「ってぇ!!」
静電気が走ったかのような痛みに手を抑えていると、やつが目を開けた。
「んぅ〜?…あ、おっはよ〜御神春兎くん!」
「何がおっはよ〜だよクソ野郎!!!」
母さん、死後の世界って大変なんだな。
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