表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/11

10話 弱者なんて使い捨てされるものだと思ってた。

初投稿の作品、久しぶりの10話目です。

よろしかったら、評価、感想、ブックマーク、助言など、宜しくお願いします。


「ちょっろ! ちょっろいのう!

 くわ〜はっはっはー」


 妾は思わず腹を抱えてもたげるほどに笑った

 そう、今宵の妾は自他共に認めるほどにご機嫌なのじゃ。


「ティシー姉様、少々飲みすぎでしてよ」


 あのバカを馬車に寝かしつけてから、妾たちは酒場で一杯やっていた。

 (妾は成人なので酒、冴子とケイはミルクじゃ)


「あのバカがバカでバカみたいにバカじゃのぅー。

 だか簡単に洗脳されるのじゃ。

 だから過労死するのじゃー

 冴子、おかわりじゃ 」

「しかし、これでよろしくって?」

  

 冴子がワインを妾にお酌する。


「いいんだよー、今のお兄ちゃんもかわいいじゃん」

「じゃのぅー、あれはあれでよかろう

 それに大いなる宿願のためじゃ 。

 使いやすい方がいいに決まっておる! 」

「それは、ですねぇ」



・・・・・・



 あの後(8話の終わりのことじゃ)、妾はビシッと言ってやった。


「妾に忠誠を誓うというのならば、

 このまま女として生かしてやろうぞ! 」

「ティシー様、一生ついてきます☆」


 即答じゃった。

 ケイに何の迷いもなかったようじゃった。


「うらぎりものぉーうらぎりものぉー!」


 ネスは地団駄をふんでわめいておった。


「やかましいのぅ

 冴子の嬢、黙らすのじゃ」

「わかりましたわ、ティシー姉様!

 馬道流眠りの魔法!(物理による頭部攻撃)」


 冴子は魔法を唱えるように右手を突き出す。

 目にも留まらぬ速さで投げられた木片。

 ネスの側道部にヒットして、脳震盪じゃ。

 バタリ。

 ネスは倒れた。

 

「これで静かになったのう

 さて、お主はどうするのじゃ?」

「うわっ! かわいいそう、

 ネスをどうするつもりだ、

 ほんと女って鬼畜だな!」

 

 やれやれ。

 ネスが黙ったと思えばこやつは矢継ぎ早に文句を言いおる。


「ケイよ、この洗脳どうにかならぬのか?」

「あはは、洗脳を解くのってなんだよねー」


 ケイは目を背けおる。


「それは困ったのう」

「上書きなら簡単だけどねー」

「ほう、別にかまわぬではないかのう?

 どうせならもっと扱いやすいように……」


 そんなわけで、妾たちはあれやこれや考え、

 こやつの精神を純情だった16歳まで戻した。

 そして、好きそうな設定で仲間となることにした。

 心やさしき妾の配慮じゃ。



・・・・・・

 


「うへー、久しぶりの酒は五臓六腑にしみるのう。」


 妾はご機嫌で馬車へと帰還した。

 中へ入るなり思わずくるくる回りならふわふわ浮かんでしまうのじゃ。

 ソファーであやつはすやすやと眠っておった。


 可愛い寝顔じゃの。

 こやつもまだまだ20代の若者じゃ。

 (今のメンタルは16じゃが)

 そんな若者が都合よく使い潰されて良いわけがないのじゃ。

 復讐がないから、強者の食い物にされてしまうのじゃ。

 復讐される恐れが奴らを調子に乗らせぬのじゃ。

 もう少しじゃ。

 もう少しで妾がそんな世界を変えてみせるからの。

 まあ、それまで少々我慢してもらうがのう。

 共に頑張ろうぞ。


「ティシー様ー早く寝ないと美容になくないよー」

 

 ケイがパジャマに着替えながら言う。


「じゃの、とっとと寝るかのぅ」

「ティシー姉様おやす……」

「すぴーzzz」

「ええええ? 即寝ぇええええ!」

「ティシー姉様、はやすぎでしてよ」


 妾はオンとオフの切り替えが早いのじゃ。



・・・・・・



 それは漆黒の暗闇の中。

 ティシーは全身がしびれて身動きがとれなかった。

 そのままどこまでも落ちていく。

 そして鋭利に尖った氷山に腹から突き刺さる。

 声もあげることもできずに悶える


「貴様の罪は許されることはない

  永遠に苦しみ続けるがよい」



・・・・・・


 

「ぐあ、あああああ、うううううう」


 謎のうめき声でボクは目覚めた。

 あたりを見回すと、全裸空中に浮いている女王様がお腹を抱えて苦悶の表情を浮かべていた。


「うわあああああああ」


 驚いて思わず叫んでしまう。

 浮いてるし、全裸だし、苦しそうだし、

 ボクはどうすればいいんだーーーー!


「マスタ、じゃなくて、勇者様、いかがなさって?」


 寝ていた冴子さんが起き上がって尋ねる。


「冴子さん、いや、首がないって」

「失礼いたしましてよ」


 そういって、床に転がっていた自分の首を胴体にのせる。


「そんなことより、」


 いや、そんなことって言っていいことなのか?

 

「女王様が!」

「あら、大変」


 そういって、冴子さんは立ち上がって女王様を揺さぶる。

 その際にまた頭は床を転がっていた。


「ティシー姉様、じゃなくて、女王様いかがなさって?」

「ぬわぁあああ! なんじゃ、夢か」

「お腹が痛みまして?

 昨日だいぶお飲み遊ばれましたし」

「そ、そうじゃの、少々、飲みすぎたようじゃの

 ははは」


 女王様の寝相は色々酷かった。

 いや、待てよ、それだけじゃないような気がするが。



(続く)

しれっと再開、果たして完結とかできるのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ