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四章 その二

 おかけになった番号は、電波の届かない所にいるか、電源が入っておりません――

 ケータイから聞こえる機械的なアナウンスをそこで切って、ズボンのポケットに再びねじ込む。

「くそっ!」

 俺は舌打ちをしながら、石井を探し回り、疲れてすっかり重くなった脚を無理やり前に進めた。

 彼女を探し始めて、二時間ほどが経とうとしていた。街中の至る所、思いつく限りをしらみ潰しに当たってみたが、どこにもその姿見つけることはできなかった。駄目元でケータイに連絡を入れてみたが、結果はこのザマだ。

 はちきれそうな鼓動に合わせるように、焦燥感も加速度的に高まっていく。

 落ち着け、と自分に言い聞かせても、気休めにすらならない。やがて焦りは、もしかしたら彼女を見つけられないのでは、という絶望へと徐々に姿を変えていった。

 不安を振り払うように、息を切らせながら全力で大通りを走る。とはいっても、既に疲れきった体では、どれだけ力を振り絞っても早歩き程度の速さが限界だった。

 しかし、そんなスピードだったからこそ、気付けたのかもしれない。

 大通りから枝分かれしている、暗く湿った脇道の、ずっと奥。いかにも不良っぽい数人の男がたむろしているその中に、見知った人物の顔を見つけた。

 河辺奏人。ゲラゲラと下品に笑う周囲の男どもと一緒になって、整った顔立ちには不釣合いな歪んだ笑みを浮かべていた。

 河辺を見た瞬間、何かのスイッチが入ったように記憶が蘇ってきた。

 そうだ、確か中庭で二人の話を聞いた時、石井は十四日に河辺と一緒にデートに出かける、とか言っていたはずだ。

 今日は、ホワイトデー。三月十四日。もしかしたらコイツの後をつけていけば、石井に会うことができるんじゃないのか。

 やっと見つけた希望の光が憎きイケメン野郎というのが気に食わないが、もはや四の五の言っている余裕はない。今は藁にでもすがりたい気持ちだ。

 深呼吸をして荒れた息を整え、見つからないようにゆっくりと近づいていく。

 別にこっそりつけなくても説明して同行させてもらえば済む話なのだが、なんとなく、他人のデートに首を突っ込むというのに抵抗を感じてしまった。ついでに言えば、疲弊しきっていて説明が面倒くさかったというのもある。

 物音を立てないよう、連中に見つからないよう回り道をしながら、慎重に河辺たちの集団へにじり寄っていく。ある程度まで近付くと、そいつらの話し声が、自然と耳に入ってきた。

「でもさー、マジ奏人はスゲーわ、マジで!」

「そうそう、流石イケメンは違う、って感じ?」

「ホント、こういうこと考え付くってだけでもヤベェわ」

「ハハハッ、よせよ、お前ら」

 不良どもに持ち上げられて、満更でもなさそうな河辺の声も聞こえてきた。姿は見えないが、声の数からして、人数は河辺を含め四人といったところか。

「なに謙遜してんだって。あの金髪女さえ落としちゃうってんだから、自分のヤベェのもっと自慢しちゃえよ」

 不意に、無視できない単語が響いてきた。

 金髪女。同じ特徴をもつ人物を、俺は今まさに探している最中だった。俺は足を止め、奴らの話を聞くために意識をそちらへ集中させる。

「でも、その女、もうすぐここに来るんでしょ?」

「騙されているのも知らずにノコノコ来るなんて、ホントにバカだねそいつ。ヤベェわ」

「もうマジで下らねー女だなーマジで!」

「いいじゃないか。それくらい下らない奴の方がゲーム的にもやりやすいし」

 好き勝手に喋る集団から、次々と不穏なワードが飛び出してくる。

 騙されている? ゲーム? なんだ、何を言っているんだ、こいつらは。

「つーかそいつヤンキーなんでしょ? 怒らせたら後で怖くね?」

「あんなフワフワした女がそんなにヤベェ奴なわけねーじゃん」

「そうそう。むしろ『一回フッた女を何回落とせるかゲーム』なんだから、そんくらいの難易度ないとつまんねーだろマジ!」

「でもあの女、バカそうだから何回でも騙されそうじゃん?」

「ありうるわーマジで!」

「ヤベェ! それウケるー!」

 そう言いながら再び醜い声で笑う男ども。そいつらの口からは、少女への汚い侮蔑ばかりが飛び交っていた。次から次へと勝手に入ってくる耳障りな言葉に、脳が汚染されていくような気分だった。

 どくん、どくん。一度は収まりかけた自分の心臓の音が、再び早鐘を打ち始めた。抑えようとしても、とめどなく湧き上がってくる怒りに、体中が熱くなるのを止められない。爪が食い込むほど強く握った拳は、力を込めすぎて白く変色していた。

 つまり、だ。

 連中の不愉快な話をまとめると、河辺は最初から笑いものにする為に、件の女の子に甘い顔をして言い寄ったのだという。

 悪趣味な遊びを面白くするために、かどわかして本気にさせて、そして別れを切り出して。

 後は同じことを繰り返して、それが何度続くか、その子を騙して、試す。

 やられた子が傷つくかもとか、どう思うかとか、一切考えられていない。幼稚で、それ故に残酷な発想だった。とてもじゃないが、悪ふざけで済む話じゃない。完全に、超えてはいけないラインを大きく超えてしまっていた。

 許せない。

 真っ先に心の中に浮かんできた言葉が、それだった。

 安っぽい正義感とか、義憤とか。そう言われてしまってはそれまでだったが、とにかく俺の心の中は、自分でも制御が出来ないくらいの憤りで、はらわたが煮えくり返るようだった。

 だって、河辺たちが嘲笑する女の子。その少女は――

 そこで、不意に近づいてくる足音と気配を感じた。

 俺はマグマのような怒りをなんとか押さえ込み、息を殺して物陰に隠れる。

 コツコツとよく響く靴音は迷いなく河辺たちの方へと近づいていき、それが止まるのと、連中の品のない笑いが止むのは、ほとんど同時だった。

 予期せぬ闖入者に戸惑っているのだろう。男どものあざけりの声が消えた路地裏は、驚くほど静かだった。音のない空間に向けて、俺は必死に聞き耳を立てる。

「河辺、くん……」

 静寂を破ったのは、割り入ってきた人物の方だった。弱々しくか細い、女の子の呟きだった。

 それは、ここ一ヶ月ほどですっかり馴染み深いものになった、彼女の、声。

 瞬間的に、俺は隠れているのを忘れて、声の主を確かめるために大きく身を乗り出し、その場を覗き見た。

 そして、息を飲んだ。

 河辺たちの集団の前に、一人の少女が立っていた。

 小柄で、金髪のショートボブ。服装はこの日のために精一杯のお洒落をしてきたのだろう、鮮やかなグリーンのニットに焦げ茶色のロングコートを羽織り、下は黒い細めのデニム、そして以前俺と一緒に買いに行った、黄色いショートブーツを履いていた。

 石井っ!

 俺は心の中で、目の前に佇む少女の名を叫んだ。

 体中を軋ませて、ヘトヘトになるまで駆けずり回って、やっと、見つけることができた。しかし、喜んでばかりもいられない。むしろ、彼女の登場は最悪のタイミングと言っても過言ではなかった。

「本当、なの?」

 信じられないというように、石井は虚ろな目を見開き、視線は真っ直ぐに河辺へと注がれていた。肩を落とし、、指先はわなわなと小刻みに震え、両腕はだらりと垂れ下がっている。

 今まで話題にしていた人物が登場したことに動揺を隠せないのか、河辺たちは気まずそうに押し黙ったままだった。

「私のこと騙して、そうやって笑ってたんだ」

 抑揚のない声で彼女は続け、表情の抜け落ちた顔をそっと伏せて、沈黙した。

 石井がどこから話を聞いていたのかは分からない。でも、話の大筋を理解しているということは、俺と同時期か、もしくはずっと前から聞いていたのかもしれない。

 きっと彼女は目を皿にして洋服を選び、舞い上がるような気持ちを抑えて今日という日に臨んだのだろう。でも、実際来てみたら、この有様だ。彼女の気持ちを考えると、同情を抜きにしても、胸が痛む。

「……あーあぁ」

 やがて、時が止まったように静まり返る中、まるでその場にそぐわない気の抜けたため息が上がった。

 声の主は、河辺。妙につまらなそうな表情で、かったるそうに石井を見下ろしていた。

「なーんでこのタイミングで来るかなぁ、本当。これじゃあゲームになんないじゃん。テンション下がるわ。興ざめだよ」

 ふてぶてしく不遜な態度で、ため息混じりに奴は言い放った。ズボンのポケットに手を突っ込みながら、つかつかと石井に向かって歩き出す。

「もうちょっと遊んでやってから別れるつもりだったけど、もういいや。つまんないし。おい、お前ら行こうぜ」

 顎をしゃくって合図をし、河辺は取り巻き三人に促した。三人とも一時の高笑いが嘘のように、不機嫌そうな面持ちだった。

「あーあーマジ空気読めって感じだよマジで」

「つーかありえなくね? この終わり方面白くなさすぎじゃね?」

「それもこれも全部、この女の間が悪いせいじゃん、ヤベェわー」

 言いたい放題に言葉をぶつけ、男たちはダラダラとした足取りで俯く石井の横をすり抜けていこうとした。

 なんだ、こいつら。

 俺は奥歯が軋むくらい、強く食いしばった。

 平気な顔をして石井を罵倒する河辺や取り巻き達に、腹の中に押さえ込んでいたマグマが、再び沸々と湧き上がってくる。

 ふと、石井の方に目をやる。彼女は光を失い濁った瞳で、ただ愕然と立ち尽くしていた。暗い影が落ちるその表情には、はっきりと絶望の二文字が浮かんでいた。

 泣き出すことすら忘れてしまったような、彼女の顔。それを見た瞬間、俺の足は考えるより先に、一歩前へと踏み出していた。

「待てよ! テメーら!」

 気がつけば俺は、皆の前に姿を見せていた。そして今まで自分の口から出たことがないような大声を、河辺たちに向けて張り上げていた。

 怒りに全身が震える。今まで必死に押し止めていた感情のうねりは、あっけなく、そして今までの鬱憤を晴らすかのように勢いよく、盛大に爆発した。

 いきなり登場して吠え出した俺という存在は、誰にとっても想定外だったのだろう。全員が一様に、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をこちらに向けてくる。河辺や男どもは元より、石井までもが目を剥いて石像のように固まっていた。

「好き勝手言いやがって、ふざけんじゃねーぞ! 元々こんなバカげたゲームを始めたのはそっちだろーが! 女の子一人を罠にはめるみたいにして! まずはそのことを謝れよ!」

 ぽかんとする連中に構わず、俺は沸騰した頭で、感情の赴くままに怒鳴り散らす。

 許せなかった。だって、石井は少なくとも一度、河辺に対して本気で恋をしたはずだった。そして、不器用ながらも勇気を出してぶつかっていったはずだ。それを河辺は、踏みにじった。そんなの、たとえ悪ふざけでも、あってはならない。

 だって、全力でひたむきな彼女をあざ笑う権利なんて、誰にもない。あるはずが、ないんだ。

 しばらく熱に浮かされたように叫ぶと、放心状態だった河辺たちは徐々に状況を理解し始めたのか、我を取り戻したように、再び歪んだ笑顔を貼り付けだした。

「な……何言ってんだ、こいつ?」

「つーかウゼェ! いきなり登場して説教とかマジウゼーよマジで!」

「あれじゃん、この女の彼氏とかじゃん。ヤッベ、超ヤベェわ。ヘヘッ」

 狼狽えつつも、男達はなおも尊大な態度を崩さない。謝罪や反省なんてこれっぽっちもするつもりはなさそうだった。

 浮き足立った男共を無視して、河辺に視線を飛ばす。他の連中とは打って変わって、河辺は妙に落ち着きはらった様子で俺を睨み返してきた。

「お前、山岸だよな。クラスの。何、お前ら本当に付き合ってんの? そういえば、そんな噂もあったな」

 河辺は足を俺の方へ向け、穏やかな歩調でゆっくりと近づいてきた。緩慢な動作は、ある種の余裕すら感じさせる。顔には、無理矢理口角を吊り上げたような笑みが浮かんでいた。他人を見下した、醜悪な笑みだった。

「どーでもいーだろ、んなこと!」

 わざと煽っているような河辺の態度に引っ張られ、自然とこちらも語気を荒げる。

「はぁ? 横からしゃしゃっといて何マジになってキレてんの? ってか、関係ないならとっとと消えろよ。邪魔だから」

 鼻で笑う河辺。普段の爽やかで愛嬌があるという評判からは想像もつかない程、憎々しい口ぶりだった。こいつ、いつもは猫被っていやがったのか。

「バカなこと言うなよ。こんな最低のイジメ見て、黙ってられるわけ無いだろ」

「うっわ、キメェ。安っぽい正義感振り回して、ヒーロー気取りか? 勘違いしてんじゃねーよ、クズが」

「仲間を従えてお山の大将やってなきゃ、まともに女の子ひとり相手にできないクズよりはよっぽどマシだ」

「……いい度胸してんじゃねーか」

 お互いに言葉をぶつけ合い、火花を散らしあう。段々と奴もイラついてきたのか、一つ大きく舌打ちをして、白魚のように細く華奢な手を固く握りこんだ。

「おい、お前ら。ちょっとこのバカに現実教えてやんぞ」

 河辺が一際目を剥いて微笑むと、それを合図にしたように、取り巻きの連中が俺と奴の睨み合う直線上に割って入ってきた。

「おいおいマジなめてんじゃねーぞマジで!」

「こいつ、一度痛い目見せたほうがよくね? ボコしたほうがよくね?」

「つーか、今更謝っても許さねーし。ヘヘヘ、ヤッベ、俺ら超ヤッベェ」

 まるでマンガに出てくる不良のように分かり易い悪役っぷりだった。指の関節をポキポキと鳴らし、三人揃って距離を詰めてくる。

 三対一か。やばいな。場合によっちゃ、河辺も参戦してくるかもしれない。そうすると、四対一。ますます俺は不利になる。

 当然のことながら、俺は喧嘩が強いとか、そういったことは全然、ない。むしろこの歳になってガチの殴り合いをするなんて想像すらしていなかった。腕力なんて腕相撲で姉さんにギリギリ勝てるかどうかという程度のものだし、もちろん武道の心得なんて微塵もない。

 それでも、今更逃げようとか、やっぱり頭を下げてなんとか丸く収めようなんて考えは、少しも湧いてこない。下げたくない頭は死んでも下げないし、何よりこれは絶対に退いちゃいけない場面だ。例えボコボコにされても、石井の為に、俺は立ち向かわなければいけない。

 ちらりと、彼女に目を向ける。石井はいまだ状況が飲み込めていないのか、ぽかんと中途半端に口を開けて硬直していた。

「石井!」

 大声で呼びかけると、彼女はハッとしたように身を震わせた。

「逃げろ! 早く!」

 なんとか彼女だけでも安全なところへ避難してほしくて、再び声を涸らして叫ぶ。アクション映画のワンシーンにでもありそうな光景だった。これではヒーロー気取りと言われても文句は言えない。

「なに調子乗ってんだコラぶっ殺すぞマジで!」

「ていうかコイツ自分に酔ってね? めっちゃキモくね?」

「ヤベェこいつ本当うるせぇし超ウゼェ!」

 連中もやる気に火がついたのか、眉間にしわを寄せ、俺の声をかき消さんとするように怒声を張り上げる。そして取り巻きの一人がいかつい顔で目の前に立ち塞がったかと思うと、腕をしならせ、拳を振り上げた。

「マジ喰らえやクソが!」

「があっ……!」

 男の拳がみぞおちにめり込む。瞬間、自分の口から鈍い嗚咽と空気が漏れる音がした。肺の中身を全て吐き出したような息苦しさを感じ、ワンテンポ遅れて、腹部へ重たい衝撃と、鋭い痛みが走る。耐え切れずにその場で膝を折り、体を丸めてうずくまった。

「うっだらあぁ!」

 息つく間もなく、今度は別の取り巻きが俺の顔を容赦なく蹴り上げた。キックは顎にクリーンヒットし、俺はまるで芸をするイルカのように体を仰け反らせ、勢いよく後ろに吹っ飛ばされた。同時に、手に持っていた紙袋はするりと抜け落ち、どこかに飛んでいく。

 目の前が縦に揺れ、意識が一瞬暗転しかけた。油断したらすぐにでも気を失いそうなところを、なんとか根性でつなぎ止める。酸素を求めて咳き込むと、血混じりの唾液がビタビタと飛び散って、薄汚いアスファルトの上をさらに汚していった。

 焦点が合わずぼやける視界で、必死に石井の方へと目を向ける。

 石井。早く、逃げるんだ。俺が殴られている間に、早く。

 しかし、顔を上げてみると、先程まで彼女が立っていた場所に、既にその姿は見られなかった。どうやらボコられている隙に上手く立ち去ってくれたみたいだ。

 彼女が無事この場を離れられた事に、少しだけ安堵の吐息を漏らす。でも、それも束の間。取り巻きどもの「死ねやああぁっ!」という、雄叫びと共に繰り出される容赦のない蹴りに、俺は再び失神しそうになった。

 三人で囲い込んで、サッカーボールのように蹴り上げ、踏みつける。俺は身を守る為に、胎児のように小さく丸まり、頭を抱えるのがやっとだった。

 どれだけの間、蹴られ続けただろう。十分にも満たなかった気もするし、何時間も過ぎていたようにも思う。

 気がつけば俺は靴跡にまみれ、捨てられたボロ雑巾のようになっていた。加減なんてあったもんじゃない。辺りは俺の流した血の跡だらけになり、体中の至る所がじくじくと痛んだ。

「オラどうした! さっきみたいに威勢のいいこと言ってみろや!」

 それでも止むことなく、豪雨のように降り注ぐ暴力。つま先で頬を蹴られると、鮮血と一緒に小さい塊が口から出てきた。歯だ。折れたどこかの歯が、音もなく転がる。血塗れの歯が転がった先には、河辺の奴が例の醜悪な笑みを浮かべて、こちらを見下していた。

「いいザマじゃないか、山岸」

 より一層口の端を釣り上げ、河辺は笑った。同時に、俺の横顔を硬い靴底で踏みつける。

「好きな女のために体張って、大したヒーローっぷりだなあ? ヤンキーやってる時代錯誤なクソ女と、よくお似合いだよ」

「……ぅるせぇ……」

 皮肉たっぷりな河辺に言い返そうにも、もはや声を出すのもままならなかった。

「強がるなよ。どうだ? 今から土下座して謝るなら、許してやらなくもねーぞ?」

 踏み下ろした足で俺の頭をぐりぐりと嬲りながら、下衆な提案を投げかけてくる。今更ふざけるなよ、と怒りで頭がカッと熱くなったが、冷たい路面に伏しているせいか、どんどん体から熱は奪われていき、思考を鈍らせていった。

「ほら、言えよ。『河辺さん、申し訳ありませんでした。私のようなクズが河辺さんに逆らおうなどと、考えたこと自体が間違いでした』ってな」

 まるで鼻歌でも歌うかのように軽やかな口ぶりだった。人を傷付けるのが楽しくて堪らない。そんな歪んだ愉悦にうっとりとしているようだった。

 もう嫌だ。痛いのも苦しいのも、勘弁して欲しかった。どうして俺がこんな思いをしなきゃならないんだ。歯が折れた。鼻血も止まらない。このままではもしかしたら、こいつらに蹴り殺されてしまうかもしれない。そう考えるだけで、恐怖に体が震えた。

 俺は声にならない声を、やっとの思いで搾り出した。

「………………よ」

「ん? どうした、聞こえないぞ。もっとはっきり言えよ」

「……誰が言うか、ってんだ。猿山のボス猿が、ふざけたこと言ってんじゃねーよ」

 それでも、俺は心を折るわけにはいかなかった。

「……。いきがりやがって。クソがっ」

 河辺は不機嫌そうに眉をひそめ、俺のつむじ辺りを一際強く蹴り飛ばした。

「ヤンキー女といい、こいつといい、どいつもこいつも思い通りにならなくてホントつまんねー。興味なくしたわ。お前ら、こいつもうちょっとボコっとけ。骨の二、三本くらいは折って構わねーから」

 取り巻き連中にそう言い残して、面白くなさそうに一歩、また一歩と離れて行った。

「へへへ、ヤベェヤベェ。オラ、覚悟しろよ」

「つーかこいつ俺らをナメすぎじゃね? 本気でぶっ殺したほうがよくね?」

「マジ調子こきやがって。もう謝っても許してやんねーから、ギャハハハ!」

 品のない笑い声を上げながら、三人は再び足を振り上げる。

 あぁ、これ、マジで死ぬかもしれないわ。

 もはや諦めにも似た思いが胸によぎる。同時に、今までの思い出が走馬灯のように駆け巡った。

 石井との出会い。

 石井との接近。

 石井との喧嘩。

 最後に脳裏をかすめたのは、そういえば俺、まだ石井と喧嘩中だったんだっけ、早く仲直りしなきゃな、という妙に危機感のない、のんびりとした思いだった。

「死ねやあああぁぁぁ!」

 連中が怒声と共に蹴りを繰り出してくるのが、驚くぐらいゆっくりと、まるでスローモーションのように感じられた。

 じわじわと、しかし確実に迫ってくる蹴撃。

 これまでか。俺は静かに息を飲み、最後に「ごめん、石井」とだけ小さく呟いて、固く目を瞑った。

 そして、俺が覚悟を決めた、その時だった。

「――尽! 尽! じいいいぃぃぃん!」

 遠くから僅かに、だけど確かに、俺の名を呼ぶ声が聞こえた。

 声に誘われるように、閉じた瞳を薄く開ける。

「じいいいぃぃぃん!」

 段々と近づいてくる、必死な声。それは悲鳴にも似た、少女の叫びだった。

「なっ……何だ!?」

 突然響いた絶叫に、取り巻きたちも驚き、下ろしかけた足をその場でぴたりと止める。

 全員の視線が向けられた、その先。声の主は、さっきまでこの場にいて、だけど既にいないはずの人物だった。

「尽いいいぃぃぃん!」

 見間違えるはずもない。

 石井愛歌、その人だった。

 石井は自転車にまたがり、脇目も振らず一直線に、尋常じゃない速度でかっ飛ばしてこちらへと向かってきていた。

 そして乗ってきた自転車というのがまた、その、なんていうか。――半端ないくらいに、いかつい。

 二手に伸びたハンドルは窮屈そうに寄り添って、わざとひん曲げない限りは絶対にありえない、天に向かう角度に調節されている。その前方には昭和の暴走族が好んで付けてそうな風防が装着され、座席の後ろには、塔のようにそびえ立つ、くそ長い三段シートがこれでもかと自己主張をしていた。

 “――別に。普通だよ。風防つけて、三段シートつけて、鬼ハンにしたくらい”

 かつて彼女が語った、自分の自転車に施したという改造が想起される。いま目の前にあるものは、正に彼女が話した通りの出で立ちで爆走していた。

 あまりに突飛な姿に、俺も男たちも、立ち去ろうとしていた河辺さえも、全動作をフリーズさせて、突如舞い戻り乱入してきた石井を見守っていた。

 スピードを緩めることなく、しゃかりき自転車を漕ぐ石井。距離はぐんぐんと近づいていく。彼女がブレーキに手をかける様子はない。って、ちょっと待て。そろそろ止まってくれないと、ぶつか――

「とりゃああああ!」

「うがぁあ!?」

 る、と俺が考えるより早く、石井は勢いを殺さず自転車で突進してきた。そして躊躇することなく、取り巻きの一人を盛大に轢き飛ばした。

 男を撥ねて、彼女はそのまま流れるような動作で自転車から離脱した。

 宙に舞った自転車と轢かれた男は、そのまま下へと自由落下していき、けたたましい音と共に地面へと叩きつけられた。

 男は乗り捨てられた族車の下敷きにされ、白目をむいている。打ちどころが悪かったのか、ピクリとも動かない。男の真上でカラカラと虚しく空回る車輪が、やけに寂しさを誘った。

「尽! 大丈夫か!?」

「え、あ、ああ……」

 石井はたった今人を撥ねたというのに、てんで気にした様子はなかった。自転車にも男にも、見向きもしない。登場するなり真っ先に、袋叩きにされた俺を見て、悲痛そうな面持ちで声を涸らした。

 だというのに、俺はあまりにも急激な状況の変化についていけず、彼女の心配そうな声にも、気の抜けた返事をするのがやっとだった。

 とりあえず状況を把握しようと、痛む体を無理やり起こす。

「い、石井。逃げたはずじゃあ……」

「バッキャロゥ! 助けに来てくれた奴を見捨てて、逃げられるかってんだ! ちょっと得物を取りに行ってただけだ!」

 そう言って石井は堂々と仁王立ちしながら、自分の背中へとゆっくり手を伸ばした。

 背中から出てきたのは、一本の黒い金属バットだった。漆黒に塗装されたそれを手に持って、一気に引き抜く。

 こいつ、こんなもんをコートの中に仕込んできたのかよ。

「そ、それが得物……?」

 恐る恐る尋ねてみる。

「おうよ。武器を使うのは好きじゃねぇけど、流石の私でも四対一じゃ分が悪いからな」

 両手でしっかりグリップを握り、石井はバットを鋭く振り回す。キレの良いスイングはビュンビュンと風を切り、まるで河辺たちを威嚇しているようだった。

 石井愛歌と、金属バット。ああ、そうだ。そういえば、そんな噂も聞いたことがあったっけ。

「て、てめぇ、何してくれてんだマジで!」

「つーかいきなり自転車で跳ね飛ばすとか超ヤッベ! イカレてんじゃねーのかコイツ!?」

 凶器を振り回す石井に身の危険を感じたのか、固まっていた残りの取り巻き達が、揃って身を強ばらせる。

 石井は抜身の刀のような目で連中を一瞥すると、バットの先をビシッとそいつらに突きつけた。

「ガタガタ言ってんじゃねぇよスカタン共が。お前ら、誰に喧嘩売ったか分かってんだよな? なら当然、覚悟は出来てんだよなぁ?」

「ひぃっ!?」

 ギョロつく三白眼に睨まれ、言葉を失う男たち。表情は消え去り、顔色は紙のように白かった。

 しかし、及び腰になる取り巻きの二人とは対照的に、河辺は尚も変わらず、スカした笑みを崩さなかった。

「おいおい、何なんだよさっきから。今度はバカなヒーローを助けにヤンキー女が再登場か?」

 相変わらず人を小馬鹿にしたような物言いだったが、石井は怒りも落ち込みもせず、冷静に河辺を見つめ返した。

「そうだよ、私は尽を助けに来た。ついでに、ナメた真似してくれたお礼参りも兼ねてな」

「ナメられる馬鹿な女が悪いんだろ?」

 一向に悪びれる様子のない河辺に、石井は小さくため息をつく。

「本当、馬鹿だったよ。お前みたいに顔が良いだけのクズ野郎になびくなんて、私もどうかしてたわ」

「素直に騙され続けてりゃ、良い夢見れたのにな」

「ふざけんじゃねぇよ」

 鋭さを増した石井の視線に、河辺も僅かにたじろぐ。しかしすぐに剥げかけた余裕の表情を繕い、ニヤリと口の端を釣り上げた。

「女だからって手加減すると思うなよ、クソが」

「そっちこそ。その綺麗な顔をフッ飛ばしてやる!」

 言うが早いか石井はバットを固く握り直し、河辺めがけて一直線に駆け出した。即座に二人の間に取り巻き達が割り込んでくる。

「こんのクソアマが!」

 取り巻きの一人が駆けてきた石井めがけて拳を振るう。しかし石井は身を翻して男のパンチをヒラリとかわし、その勢いのまま男の顔面めがけて、躊躇することなくバットを叩きつけた。返す刀で更に喉元を打ち抜くと、骨の砕ける音と共に、男の首は明らかに不自然な方向へ折れ曲がっていた。

「二匹目、退治だ」

 男は真正面からバットで打たれ、陥没した鼻からダラダラと血を垂れ流し、ヒューヒューと細い呼吸音を漏らしながら気絶していた。すべてが、一瞬だった。なんというワンターンキル。

 これには河辺たちも明らかに動揺したようで、目に見えて取り乱し始めた。仲間が二人もやられてしまい、ようやく自分たちはとんでもない相手に喧嘩を売ってしまったのだと気がついたのかもしれない。

「な、なんだお前!? く、来るんじゃねえよ!」

 残された最後の取り巻きは、ポケットから震える手でスイッチブレードナイフを引っ張り出し、刃先を石井へと向けた。

「ちちち、近づいて来たら刺してやるからな! 脅しじゃねえぞ! マジだぞ!」

 見ていて笑ってしまうくらいの狼狽えぶりだった。完全に恐怖にとりつかれ、パニックに陥ってしまっている。

 対する石井は、刃物を向けられても涼しい顔で、ズカズカと無防備に近づいていった。

「う……うわあああ!」

 男は半狂乱になってナイフを振り回す。しかし石井がバットをひと振りして男の腕を叩くと、ナイフはそいつの手からあっけなく弾き飛ばされた。

「なっ……!?」

「得物のリーチが違うんだから当然だろ。アホか」

 石井は呆れるように言い捨てると、そのままバットを振りかぶり、男のこめかみ辺りを思いっきりぶっ叩いた。ちょうど皮膚が薄い部分に当たったのか、勢いよく血が噴き出す。そいつが出血に気を取られている隙に、トドメとばかりにみぞおちをバッドの先で力強く突くと、男は頭から血を流したまま、完全に動かなくなった。

「し、死んでないよな……?」

 それまで見ているだけだった俺の口から、思わず言葉がついて出てきた。自分を助けに来てくれた少女が殺人犯になってしまっては、流石に責任を感じざるを得ない。

「死んでねぇよ。出血は派手だけど、大した怪我じゃねえ」

 バットを肩に担ぎ、石井は「三人目、退治」と唾を吐くように呟いた。

「あと、一人」

 般若の表情を浮かべながら、彼女は蛇のように鎌首をもたげた。

 視線の先にいるのは、最後の一人にして、全ての張本人。

 河辺奏人だけだった。

 ほんの一瞬で仲間が全滅したことに、河辺の表情から余裕の色は完全に消え失せてしまっていた。

「そんな……嘘だろ……」

 信じられない、と奴の顔に書いてあるようだった。それはそうだろう。実を言うと、俺だって同じ気持ちだ。

 石井が校内にその名を轟かせる不良だとは前々から知っていたが、実際誰かに対して暴力を振るっているところは、一度として見たことがなかった。

 だからいつの間にか、彼女にまつわる噂が本当に噂でしかないんだと、勝手に思い込んでいた。しかし、火のないところに煙は立たないとはこのことだろう。

 間違いなく、相当の場数を踏んでいる。そう断言できるくらいに、明らかに彼女は喧嘩慣れしていた。

 一歩、また一歩と、石井は河辺の方へとにじり寄っていく。河辺は近づいてくる修羅の影に怯え、なんとか距離を取ろうと後ずさるが、やがて背中が冷たいコンクリートの壁にぶつかった。左右も同様に壁に囲まれた袋小路で、これ以上逃げ場はない。

「落とし前、つけてもらおうか」

「ひ……ひぃ!?」

 威勢の良さはどこに消えてしまったのか、威圧感たっぷりの瞳で睨まれると、河辺は情けない声を上げ、その場にへたり込んでしまった。歯をガチガチと鳴らし、顔は恐怖に歪んでいる。

「いし……あ、愛歌ちゃん!」

 突然、河辺は卑屈な笑みを浮かべて石井を見上げた。

「愛歌ちゃん、ごめん! 本当にごめん! 俺、こんなことしたくはなかったんだよ!  でもこいつらが『告ってきた女を使ってゲームしようぜ』とか言ってきてさ、俺もメンツってもんがあるから後に引けなかったんだよっ。だから、その、愛歌ちゃんには本当に悪いことしたと思っているし、本気で反省してるから! だからここは、見逃してくれよっ! 頼む、お願いだ!」

 河辺は米つきバッタのように額を地べたにこすりつけ、早口でまくし立てた。

 もはや自分に勝ち目はないと踏んで、下手に出る方向に切り替えたんだろう。しかし、それにしたって、あんまりにもあんまりな姿だった。

 責任逃れをしようと必死な台詞はどこの小悪党かと思うくらいだし、なりふり構わず土下座する小物ぶりは、呆れるを通り越して清々しさすら感じる程に三下めいていた。

 不意に、自分の肩から力が抜けていくのを感じた。石井も同じようで、明らかにつまらなそうな顔で河辺を見下していた。これが相手の興を削ぐ作戦なのだとしたら、それは成功したといってもいいだろう。大したものだった。

「……しょうがねえな」

 やがて、大きなため息と共に石井は表情を緩めた。

「そ、それじゃあ……!」

 河辺の顔に、少しだけ希望の光が差す。

「私も鬼じゃねえからな。しっかり反省して、二度とこんな真似しないと誓うなら、許してやらなくもねぇよ」

「も、もちろんさ!」

 助かった。奴の心の声が聞こえるようだった。

 それは、醜態を晒してでも、プライドを捨ててでも、保身に走った情けない男がやっと掴んだ、一本の蜘蛛の糸のように見えた。

「――とでも言うと思ったかボケがあぁ!」

 しかし、現実は非情である。

 石井は一瞬で般若に戻り、担いだバットを河辺めがけて容赦なく振り下ろした。

「往生しろやあああぁぁぁ!」

「ひいいいぃぃぃ!?」

 やっと掴んだ救済の糸が幻と消え、再び奈落の底に突き落とされる瞬間の河辺は、誰が見てもわかるくらい、くっきりと絶望に彩られていた。

 ごぅん。

 鈍い金属音が、短く、響いた。

 バットは、コンクリの地面を突き破り、河辺の顔スレスレの位置にめり込んでいた。

 河辺自身には、かすりもしていない。だというのに、奴はあまりの恐怖に耐えられなかったのか、顔中からあらゆる体液を垂れ流しながら、白目を剥いて気絶していた。

 下半身からもジョワッ……っと生暖かそうな染みが広がっている。

 しめやかに失禁していた。

「尽、ケータイあるか。コイツのアホ面、写真に撮っといてくれ」

「お、おう」

「こういうタイプのアホは逆恨みしてまた突っかかってくるからな。弱み握っといて、二度と刃向かってこないようにするのが一番だぜ」

「……お、おう」

 曖昧に頷いて、言われた通り、数枚写真を撮る。あまりに手馴れた感じを醸し出す石井に、若干引いていたのは内緒だ。

「さて」

 一段落ついたところで、石井は改めて俺へと視線を向けた。

「こんの、ばかたれ!」

「えぇ!?」

 と思ったら早速罵倒の言葉が飛んできた。

「お前なぁ、何考えてんだよ!? 四対一だぞ、四対一! 私がいたから良かったけど、尽一人じゃ確実にぶっ殺されてたぞ! 分かってんのか!?」

「ご、ごめん……。頭に血が上って、つい……」

「ついじゃねぇよ! 心配かけさせやがって!」

「……心配、してくれたの?」

「当たり前だろ!」

 石井は顔を真っ赤にして怒りながら、背伸びをして俺の頬を思いっきりつねり上げた。

「痛い!」

「こんだけボコボコにされたら、そりゃあそうだろ!」

「いや、そーでなくて……」

 と、俺が言い切る前に、不意に彼女は頬をつねる力を弱め、俺の胸へとその身をうずめてきた。

「い、石井?」

 目まぐるしく変わる彼女の態度に戸惑っていると、胸の中から、わずかに鼻をすする音と、くぐもった泣き声が聞こえてきた。

「……ほんとに、しんぱい、したんだから……!」

 彼女の顔を見ると、目尻いっぱいに涙を溜めて、うるうると揺れる瞳でこちらを見上げていた。

 その健気で、悲しげで、でもどうしようもないくらい可愛らしい上目遣いに、俺は胸が締め付けられる思いでいっぱいだった。

「心配かけて、ごめん」

 精一杯優しい声で、語りかける。そして、胸の中の彼女を、力いっぱいに、抱きしめた。

「ばか……」

 静かに抱きしめられながら、石井は切なげに呟いた。

「……助けてくれて、ありがと」

 更に小さな声で告げて、彼女は一層、俺へと身を寄せた。

 俺たちはしばらくそのまま、お互いを抱きしめて、感触を確かめ合っていた。

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