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「ココヲミツメテ」  作者: 今井渚
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「カクセイ」

まっ

なんとか高校に進学。今井は高校に進学するにあたり、決めていたことがいくつかある。共学、恋愛。そして部活はしない。

中学時代の剣道仲間の幾人は高校でも部活に入りますと言って聞いていたが、もちろん今井の答えはノー!

ノーと言える日本人今井。


そして今までのイメージとは一新。馬鹿な高校にもかかわらず規則だけはいっちょ前に厳しい所をギリギリ路線でくぐり抜け髪も伸ばし始め(ただし刈り上げとする)、地元仲間(ちょい悪)達と、先輩達の勧めと助けでヒップホップダンスチーム「ぼっこしcrew」を結成するとゆう暴挙にでる。


地元仲間の高校生達で構成されたぼっこしは意外にも人気を誇り、ダンスクラブがひしめく夜の繁華街、親友町には月に2、3度踊りに行っていた。中でも高校生が開くパーティー「高校生の高校生による高校生のための」略してタメパーではよく踊ったものだ。お陰様で毎晩練習兼ミーティングと題し夜な夜なファミリーレストランテ、ダストに集まり、目玉焼きハンバーグにドリンクバーを付けて朝までトランプゲーム大富豪の日々。中には水だけで粘る日もあるくらい毎晩のように飲み明かし騒ぎ明かした。余談ではあるがあまりにも家にいない今井を心配して親に泣かれるほどの生活ぶりだった。数日の自粛だったが遊びざかりの今井は耐え切れず家を飛び出し盗んだバイクで走り出した。(バイクは私物、盗んだのは君の心さベイビー☆)


話は戻って負ければ鬼の罰ゲーム。店内を全裸で歩き回ったり、とりあえず脱ぐ、脱ぐ、脱ぐ、これが鉄則だった。(基本、罰ゲームを受けた人とは赤の他人ように見せるのがコツ。)


脱げば笑いが取れる。


いかなる場所でも脱ぐ。

脱げないと言えない。言わせない。ダメ、ゼッタイ。


しかし、皆意外に脱ぐことには怯えつつもたしかな手ごたえのあるこの連鎖に酔いしれた。

エガちゃん並に脱いだ我々は「裸族」と言われるほどにまで成長した。


時には全裸でゲームセンターに入り「ハミチンセーフ」とお声掛けをしたり、格闘ゲームで対戦したり、(もちろん全裸)恋人達のデートで待ち合わせ場所として有名な中心街の公園でゲリラ全裸スケボー(もちろん一人きり)チークタク大会をしたり、(他の人は知らないふりが鉄則)主に公共の場を活動の拠点とした。


「ぼっこしcrew」「裸族」 は地元ならび中心街で遊びまくった結果、ヤンキーズいわゆる「族」と言われるそっち方面の本業の方々からのお厳しいチェックが入り、ちょーめんどくさい事件に巻き込まれるのだ。


多々ある話の中からその代表格として裸族のメンバーにおんなのこ大好き妖怪おんなったらしこと織田たらしがその話の主犯格である。

なんとよりによって「族」のボスの彼女と遊んだとゆうのだ。たしかにかわいかった。認める。しかーし、織田たらしの肩を持つわけじゃないが正直遊ぶ女も女、遊ばれるボスもボスだと言いたい!!が言えない。そんな世の中はポイズネス。


その日はいつものメンバーで近所のビデオ屋の駐車場で暇を持て余していると小動物ならビビりあがるであろう雄叫びに似た呼び出しがかかり、いきなり「族」のボスとその取り巻きトカゲ達に囲まれる。



「おいおまえら!!」


キターーーーーーーーーーーーー!!!!!!


みな沈黙・・・。基本ビビりなおいらには刺激が強すぎるよおかっさん。


「だれや、、俺の女に手出したやつは??」


みな沈黙・・・。


「お前か?あぁぁぁぁぁ!!!」

沈黙・・・。


「おい並べここ!お前もや!」



とみんな綺麗に整列。



「おいお前!ほんとに知らんとや??」


・・・沈黙。


にじみよる。


一番端っこから攻めていくこの展開。。


おいやばいって・・。


よく見たらこの人、藤原組長みたいやんけ!


「俺、、知りません・・・。」


運動神経抜群兼肉体的やられキャラ稲光いなびかりは答えた。

すかさず


ボゴッ!!


組長が放ったボディブローは綺麗な弧を描き左腹部に決まりついさっきまで無邪気に笑っていた稲光は苦悶の表情を浮かべ崩れ堕ちた。


「うぅぅ・・。」


その場で苦しそうに悶える稲光。

殴られるなんて、清々しく希望に満ち満ちた今朝から今まで微塵も思わなかったよーおっかさん。


一気に緊張が走った。

「お前か?」


がっしり系の変わり者、あわよくばジャニーズ系でいけそうな伊東円に問いただす


「いや知らんっす。」

ちょっと強気。

もちろんボゴッ!


崩れ堕ちる。



でも強気。


こっこのパターンってマジでほんとに知らん状況でもあの鉄拳はお見舞いとして頂戴するパターンや・・・平成の人間ドミノ倒しやんけー! 




絶望と恐怖で震える今井はこの際


先手をきった


「俺も知りません」


「あっっっ??!!」




お約束。


ヘビー級の藤原組長から繰り出される右のボディブローは見事に腹部をがっしりとらえ

スーパーフライ級の今井は一瞬で膝から崩れおちた。


生まれて初めて殴られたこの感触は順番待ちで味わっていた恐怖からの解放感がなによりも大きかった。




帰ってきたよーー稲光、伊東円!ただいまー!



うん、二人も同じ境地に違いない・・。



出番が終わった今井は痛みと引き換えに安心感に包まれる。




人生って・・・。




そして続けて、古賀山、島崎。


古賀山は興奮しているのかなんなのか、元からなのか、・・・あっ元からだ!

うるせー!(古賀山)。

梅干しのように赤くなったお顔を一瞬ちらつかせ、崩れ堕ちた。


続けて崩れ堕ちる島崎はなぜかうすら笑いを浮かべていた。




・・・ん?まてよ?

・・しっ知っているのか?



じっ事件の真相を!!!



・・室井さん!!事件は会議室でおきてるんじゃない!げ



そして妖怪織田たらし。


織田たらしは受けたパンチが甘く入ったのか、片足で支えられる程度で終わる。

しかし受けたパンチの割にちょっとリアクションがオーバーなようにも見えた。



「くぅーーーいてーーーーっよ!!まじで!いてーー!」


ねっそのリアクションはオーバーだよ


そして最後に残ったアキバ系毒舌モアイ王こと溝口の番。


脱がせたらピカイチな溝口を前に組長は



・・ん??あれ様子がおかしい。



「おいお前・・前に原チャ貸してくれた奴やな?」


怒鳴り散らしていた組長の声が緩む。

「はっはい。そうです」


えーーーーどうゆう過去―――?事――――??


「お前はいい。」



「えっ、あっありがとうございます。」



ってえ?

いいってことはパンチなし?


まじかよ!ここはイっとこうよ組長!みんなあんたの右貰ってんやからよ!!このはげ!

とは言えず


溝口の顔は救われた安堵感できらきら輝いていた。

こうゆう状況でちょっとした優しさにでも触れようものなら人は神にでも会ったかのような気持ちになる。今井談。

ラッキー溝口!やったね溝口!



そして組長は

「お前らン中におることは間違いないんや!」


みな更なる危険を本能的に感じ


「すんませんすんません!」

「まじ知らんっす!」

「ほんと知らんっすよ!」


の三点張り。



伊東円は相変わらず強気。


ほんとに知らねーっていってんだろうがこのハゲ!!!

(有吉風)の想いが伝わったのか、、


しばらくの押し問答でしびれをきらしたゴリラは・・いや組長は


「絶対探し出すけんなお前ら!!」


と相変わらず終始、人を殺してそうな目をして煮え切れぬ思いを胸に森へ帰っていった。


ふぅーーーーーーーーーーーーー



裸族は肩をなで下ろした。


溝口はもうすでに蚊帳の外。頑張れよお前ら的な目線でお疲れと目で促した。

昔ゴリラにバイクを貸した報いがここで発揮されるとは・・とことん運のいいやつだ。



さぁさぁ見覚えのない事件に巻き込まれた我々(たらしを除く)は気を取り直したばこに火をつけ、先ほどのゴリラ(組長)の物まねをしながら出来立てほやほやのネタに笑い話を咲かせたのだった。

どんな事件も笑いに変えるのが裸族である。「笑いは世界を変える」そう想いたい。

そう信じたい。



いかなる状況でも相変わらずの伊東円は強気だったとさ。


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