表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
届かない唄を、君に  作者: 玻泱
日常は変わらずに
3/3

2






その日の放課後。


まだ夕方とは言い難い、オレンジと蒼が空に混在する微妙な時間帯。



まだ家に帰るには少しだけ早い時間だ。



起きたばかりでぼんやりと纏まらない思考でただ漠然と思った彼は、くわぁと猫顔負けの大きな欠伸をしながら身体を伸ばす。


防寒目的できっちりと着込んだ紺色のブレザーが、これ以上は伸びねぇよというように、ビチッだかギチッだか分からない悲鳴を上げるが、そんなことは知ったことではない。


というか、この程度であっさりと裂けるような安物を買ったつもりはない。


彼は、そしてようやく周囲に目を向けた。時刻は15時52分。とっくにSHRも終わっていて、暮らすには彼を除いて人気はない。


きっと部活動に情熱を向けた奴やバイトがある奴、または遊ぶ事に熱心な奴など、青春を謳歌している者達はさっさと教室を、又は学校から出て行ったのだろう。



若いな。



ぽつりと呟いた言葉は彼自身の耳朶を叩いただけで、誰かに届く事無く消えた。


そうして彼、櫻間永禮さくま ながれは何をして時間を潰そうか考えているうちに、再び深い眠りの世界に迷い込むのであった。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ