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独白
さよならの代わりに、唄を歌おう。
いつも何の表情も浮かべない君が、初めて笑って好きだと言ってくれたあの唄を。
自然と溢れて、この両の瞳から流れてくる涙は暫く止まらないけれど、最後の最期まで君に触れ合えたことに感謝しながら、君のためだけに歌おう。
君に出会えて良かった。
この言葉を君が嫌うと知りながら、君の好きな唄のタイトルはまさにその言葉を表しているだなんて、君はきっと知らない。今までも、そしてこれからも。
私だけの恋心。君に知られてしまった恋心。
蓋なんて、もうしないの。震える唇から紡ぎ出された歌声はどこか頼りないけれど、それでも君がもう一度笑いかけてくれることを期待しながら、さよならの代わりに歌う。
ありがとう、大好きでした。
笑わないくせに仲間思いの優しい貴方が、誰よりも大好きでした。