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護衛騎士

挿絵(By みてみん)


フラティーニ侯爵家の騎士達。

通いと住み込みがいる。


既婚者は通いが多いが、侯爵邸内の使用人が妻の場合は既婚者でも住み込みしている。


訓練官のイザイア・フラティーニは既婚者で通い。


クレメンティーナ夫人の護衛メルクリオと

クレメンテ令息の護衛ニコルも

門衛のバッティスタも通い。

通いの騎士達の交代要員であるモレーノも通い。


その他にも通いの連絡要員がいるらしいが…

フランカは面識がないらしく名前すら知らないとの事。


フラティーニ侯爵の護衛ジュリアーノは女中頭ダフネの夫。

既婚者だが住み込み。

敷地内の警備担当グスターヴォ

屋敷内の警備担当エドアルド

夜勤要員のダヴィードも住み込み。

住み込み騎士達の交代要員のマッテオも住み込み。


住み込みの連絡要員に関しては

「ルクレツィオという名前だ」

という事だけ判っているそうだ。


連絡要員の騎士は基本的に使用人と関わる機会はない。

なので

「そういう人がいるらしい」

という程度の認識でも問題ないとの事。


ともかくーー


住み込み騎士達は

「既婚者のジュリアーノ以外はフェリチタと懇意にしている」

らしく


「下手に関わるとフェリチタに何をされるか分からない」

ので

「私的な質問をされてもはぐらかすように気をつけたほうが良い」

と、フランカからアドバイスされたジェラルディーナだった。


(下半身の規制が緩い人達が根を張ってる人間関係って粘着でやりにくいんだなぁ…)

と、しみじみ思ったが…

それ以外の人達は大抵普通なので、生活にも仕事にもそれ程影響は無かった。


侍女が行う洗濯は布の小物や絹のハンカチなど。

洗濯用の水場も大物を大量に洗う女中らとは違うので、洗濯係の女中とは余り顔を合わせる機会がない。

逆に掃除係の女中は廊下や階段でよく見かける。


エンマ

カーラ

ダリダ

はまだ若く見た目も良くて未婚という事もあり

「侯爵の居室や執務室から遠い場所」

の掃除が割り振られている。


「若い女中が貴族当主や貴族令息から見初められるロマンス」

は徹底的に可能性を排除されているのが現実の貴族家邸内事情である。


貴族を前にした使用人が

「発言の許可を貰えるまでお辞儀して顔を伏せていなければならない」

というのも、玉の輿狙いを徹底排除する事に一役買っている。


若い女中の中ではダリダが一番容姿に恵まれているのだが…

お陰で

「使用人用の便所掃除」

「使用人部屋区画の廊下・階段」

を掃除するのが定番になっているらしい。


フランカに

「ジェラルディーナが女中枠だったら、ダリダの仕事がまんまなすりつけられてたと思う…」

と指摘されてジェラルディーナは肩をすくめた。


「けど、『美人だ』というだけで屋敷内で冷遇されて当主や令息の目に触れないよう遠ざけられるのが貴族家の使用人事情としては普通なんだよね…」


「それだと、マリアンジェラさんは例外的なんだ?」


「元子爵令嬢なんだし、子爵である実兄と疎遠でもないし、冷遇できない人でもあるの。

だからフラッテロ家の能力を使わせてもらうのに都合が良い人材でもあるんだけど、そういう事情を奥方様がご納得してくださらないのが問題」


「住み込みの騎士達が半身の規制が緩い人達だっていうのはフェリチタさんの話で分かったけど、そういう好き者のケダモノみたいなのが屋敷内に暮らしててマリアンジェラさんみたいな美人がよく無事でいられるな…って少し疑問に思った」


「それはチェザリーノさんがいるからね。結婚前からマリアンジェラさんにゾッコンで彼女に近づく男を片っ端から排除してたらしいよ。

そもそもチェザリーノさんは元は暗部の出身だし。暗殺特化の騎士だったとかで、あの人に逆らう騎士はいないでしょう」


「…チェザリーノさんて、そうだったんだ?」


「…取り柄があるから、他の男を押し退けて美女をゲットできたって事だね。あの人が見た目通りのただのオジサンじゃないからマリアンジェラさんも実家に逃げ帰らずにいられるんじゃない?」


「やっぱり平民だと妻を守る力があってこそ美人の貴族令嬢と結婚できるんだね」


「いや、チェザリーノさんは士爵だから平民だけど準貴族だよ。案外、上位貴族家の上級使用人ともなると士爵だったり準男爵だったりするから、気を抜けないんだ」


「イザイアさんだけじゃなかったんだ…」


「家令のカッリストさんは男爵だね。公爵家の家令ともなると普通に伯爵とか子爵らしいよ?」


「そうだったんだ…。貴族だって知らずに話しかけてタメグチ利いただけで『不敬罪だ』とか訴えられる事があるらしいって話だし、怖いよね」


「『貴族です』って名札とか着けててくれると有り難いんだけどねぇ」


「イザイアさん以外の護衛騎士は士爵じゃないの?」


「うん。違うから、もしも押し倒されたら思いきり金的攻撃しても大丈夫」


「押し倒されたらって…。フランカ、何かされた事あるの?」


「いや、私は無いよ。でもフェリチタさんみたいなのがいて、ここの護衛騎士達は侍女に対して変に調子に乗ってる感じがする。

押し倒された事は無いけど『本当は欲求不満だろ?』とか『してやっても良いんだぞ』とか言ってくる事がある。

マジで死ねば良いのにね。イキったヤリチンなんて…」


(言うに事欠いて「してやっても良い」か…。クズ過ぎる…)


ジェラルディーナは少し目眩を感じながら

「…物語とかに登場する『騎士様』のイメージを見事にブチ壊してくれるね…」

と座った目で不快感を表明した。


「ともかく、イザイアさん以外には金的攻撃しても不敬罪にはならないから、反撃は迷わないで良い」

フランカにこうして予備知識を授けてもらえるのは有り難い。


ジェラルディーナは

(夢も希望もなくなる話だ…)

と思いながらも


「了解…」

と返事をしつつ神妙に頷いた…。




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