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どうして汚れているんですか

この常夜の城にきて何日が経過しただろうか。


私の生活といえば


不気味な植物がうごめく庭園を散策したり

食事をとり

風呂に入り

ベッドで寝る


それだけなのだ。


城自体はかなり広いはずなのだが

探索をしようとすると

どこからともなくメイドが現れ


「申し訳ございません。汚れておりますので……」


と追い返されてしまう。


どういう汚れなんだ。


しかも一か所だけではなく

寝室、庭、食堂

これ以外に通じると思われる扉すべてだ。


私が何度問いかけても


「汚れておりますので、どうかご容赦くださいませ」


その一点張りなのだ。

絶対におかしい。


だがそんな彼女たちにも抜け目があることに私は気づいた。


それは配達人らしき男の子。

どうも食材やらは彼が運んできているようだ。


その少年は機械的であるメイド達とは違い

オドオドとした様子でメイドと接している。


彼ならば外の様子を知っているだろうと

意を決して彼が立ち去ろうとする際にその手をつかんでみせた。


「―――!?」


その表情は驚きというよりも恐怖にゆがんでいた。

つかんだ手は震えている。


あたたかい手だ。


「おびえないで。君、外から来てる子だよね?」


「はい……そうです……」


「聞きたいんだけど―――」


私が聞き出そうとしたその時、少年の腕に違和感を感じた。

ゆっくりと裾をあげていくと痛々しい傷跡がいくつもあった。


それは首、肩、おそらく体全体に広がっているのだろう。


「……?」


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


必死に謝る少年に私はどうしていいか分からなくなってしまった。

するとタナトスと名乗っていた執事がいつのまにか背後に立っており

深くお辞儀をしてきた。


「メリュジーヌ様。これ以上は収穫ができなくなってしまいます」

「申し訳ございませんがご容赦くださいませ」


「収穫?」


「その者はすでに本日分を収穫済でございます」

「しかしながら潰せという事でございましたら、ご命令のままに」


執事は冷たい表情のまま顔を上げ

私の意思を確認してきた。


私が手をにぎっていた少年は

失禁してしまっていた。



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