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誰か答えてくれませんか
―――なんでアンタなの
目の前で倒れているのは、私が大嫌いなアイツだった。
―――ねえ
生ぬるい、鉄のような匂い。
濡れた手をみて、それが血なんだって初めて気づいた。
―――返事してよ
夢なら覚めてほしい。
現実なハズがないから。
―――返事してってば!!
動かないアイツを見て、私の心は激しく動揺した。
スカっとするはずなんだって思ってたから。
―――だれか……
私の声は虚空に消えて、誰の返事もかえってこない。
だってそうだよね。
みんな
私が殺したんだから。