邪悪なる考え
ああ、やっとここまで来た。老聖騎士ライツを殺した。
回りくどいやり方で騙し、デッチョを他の奴に殺させた。
後は、もう頑張るしかないだろう。
実は俺はここまでに何回も死んでいる。
盗賊に協力を依頼した時にブッチョからの奇襲を防げなくて一回。
協力させることは出来たものの時間稼ぎに失敗したのが二回。
デッチョが魔物からの奇襲で死んでしまい脱兎を発動出来なくなり死んだのが一回。
前のに全部成功した時に老聖騎士ライツとブッチョが結託し、殺されたのが一回。
さらに前のに全部成功したのにブッチョとデッチョが力を合わせて俺と相打ちになったのが一回。
そして、ブッチョとライツを元に深淵の魔力で作った人間?に殺されたのが一回。
そう、俺は俺と同じ人間?(ライツたちは人間モドキと言っていたが)を作ろうとしたのだ。
人間?の説明文には『呪われた地の魔力が集まり、強力な人の思念が宿った物だと言われています』と書いてある。
つまり、強力な怨みを持った思念がある人間を用意してここの魔力を集めれば出来るじゃん!と言う考えに至ったのだ!
こんなことをし始めたのにはちゃんと理由がある。
一つ目が『光神ノ守護』光の神とやらがこの祝福を人に与える限り俺は常に追われる事になる。
だが、この『光神ノ守護』には欠点が二つある。一つ目は把握できる範囲でが一定距離だと言うこと。二つ目は深淵の力を宿しているものしか把握出来ないと言うこと。
魔の森でこの祝福を得た者が、帰ってこなかった場合、魔の森に人間モドキはいると他の奴らは思うだろう。
しかし、そいつらが俺を討伐しに来て、なんの反応もなかった場合、すぐに俺が逃げたことがバレてしまう。
だから思ったのだ。深淵の力を宿す者をもう一体作ろうと!
その名も「深淵身代わり作戦」出来るだけ深淵の力を多く使ってライツとブッチョを元に人間モドキを作り、暴れさせて囮にする。その間に俺は深淵の力を抑えながら逃げるという作戦だ。
この考えはいいと思って実行に移したのだが、、、そのままで作るとライツの俺を殺すと言う意思と、ブッチョの弟の仇を討つと言う意思が合体して、俺を絶対殺すマンになってしまったのだ。
そのため、ライツの弟子たちを魔物たちを使って森に入らせて、弟子たちにブッチョを殺してもらったのだ。
これにより少なくともブッチョの意思は俺を絶対殺すから俺と弟子たち(無関係の人間)も殺すになったはずだ。
さあ、あとは一芝居するだけだ。ライツの弟子たちに誤った情報を世界に伝えてもらうだけだ!ああ、面白くなってきたゾォ!